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ミドリパプア→THE→コダママイマイ

こんにちは石栗です。

突然ですが私近々THEを退職することになりました。
その理由は海外旅行に行く為です。
本来コロナ前に行く予定だったのが渡航制限もありこのタイミングまで延びておりました。

今回はキューバを始め貯金が無くなるまで色々行ってみたいなと思っています。
私は24歳の時に、幼稚園の頃に見たTV番組”たけしの万物創世紀”の”貝” の回で紹介されていた”ミドリパプア”と呼ばれる珍しいカタツムリを観にニューギニアのマヌス島に行ったのですが、今回はキューバにしか住まないコダママイマイという別のカタツムリに会いに行こうと思っています。
小さい頃からなぜか貝が大好きだった私。
そこまで熱量が下がらず現在に来たので人生のうちに一回は見とこうかなと。
↓ニューギニアまで見に行ったやつ(島に2週間くらい滞在してなんだかんだで25万くらいかかりました)



THEには5年と数ヶ月いたので中々感慨深いです。
ショップ店員から始まって事務所での生産管理業務から昨今のDXに至るまで一通り経験させてもらえたことになります。
入ってくる人は何某か好きな物があって魅力的な人が多かったし、辞める理由が人間関係ではないというのは社会人を数年やった感覚として恵まれたことだなと思います。次会った時にがっかりされないな人になっていたいなと思います。
もしnote読んでくれた人ありがとうございました!
行ってきます!!

P.S 以下は私がTHE SHOPで好きな商品をオリジナルとセレクトを1つずつ紹介しています(勢いに任せて書いたので長いです、、。)。

オリジナル編


私の中での1番はTHE STACKING STOOLなのですが、それはこちらのランディングページを作る際に魅力を記載したのでそれはこちらで紹介します。

なので2番目に好きな商品を紹介します。
それはTHE Sweat Crew neck Pulloverです(以下THE Sweat)。
THEの商品は未来の定番を提案するテーマもありシンプルな物が多いですが、私はやや突飛なモノや変わっている物の方が好みなのでTHE Sweat を選びました。

フードが無いのが好みです

このシンプルなスウェットの一体何がどう変わっているのか?
それは、”プロダクトのように考えて作られたアパレル”であるという所です。
“プロダクトのように”というのは、文房具や大量生産品など”機能”を重点に踏まえながら商品開発をしているということです。
アパレルはファッションの要素が入るのでシルエットだったり感覚的な良し悪しが入ります。もちろんこのスウェットにも着た時の見られ方があるのでファッションの要素はあります。でも重点に置かれているのはあくまで”着た人への着心地”です。

1,まず生地は、吊り編みの生地を使っています
吊り編みに関してはいろんな媒体でも紹介されているので簡潔に特徴を伝えると”時間を掛けて編み上げる事で柔らかい着心地が長持ちする”と言う利点があります。
THEのスウェットも単純に着心地が良い事もあると思いますが、使用期間が長くそれを助ける効能は環境に関する考え方とも合致するという判断も決めてだったんだと思います。

2,パターン
服の形を見ると肩から袖にかけてはラグランと呼ばれる袖が襟付近まで切れ目なく続くデザインになっています。
ベースボールシャツの色の切り返しに多く見られるこのデザインは、1,肩や腕が動かしやすい 2,肩幅が決まっていないので着脱がしやすいという特徴があります。
一方Tシャツやジャケットに多いセットインスリーブの場合は、肩幅が決まっているので大きく体を動かすと体の形に馴染まず服が浮いてしまうような格好になりますが、その代わり肩のラインが綺麗に出るためファッションとしてはキレイめになる良さがあります。

また昨今ではオーバーサイズが流行しているのであまり気にならないかもしれませんが、THE Sweatのシリーズは脇の下の部分に生地を余分に設ける事で、腕を上げても服全体が持ち上がらないようになっています。
完全動かしやすさ重視。

3,ディティール
袖部分はコレといって工夫は無さそうですが、分かりづらいこだわりがあります。一般的にスウェットを作る際に袖リブと本体生地は別パーツになっていてそれを繋ぎ合わせることで出来上がります。なので本体は吊り編みでもリブは違うということが有り得てしまいます
スウェットが洗濯を重ねるうちに傷みやすい部分は袖口です。
そこでTHEはリブ部分に関しても吊り編みで作っています
見た目には伝わりづらいですが大事なディティールです。

4,縫い目
縫い目に特徴も何もないだろうと思われると思いますがTHE Sweatには大ありです。
一見すると普通ですが、これは本来裏側に来る縫い目が表にくるように仕上げています

左(表),右(裏) 表地の方が立体的なのが伝わりますかね?

なんでそんな事をしたのか?それは 内側に複雑な縫い目があるよりも目立ちにくいキレイな縫い目が内側にあったほうが”着心地が良い”から。
見た目以上に着た人の使い心地を優先するプロダクト精神が際立ったディティールがここにあります

いかがでしたか?
シンプルに長く使える着心地の良いスウェット
見事にファッションの話が出ませんでした。
着ていて恥ずかしく見えないのに実は機能に全振りしているアパレル。
そういう定番を目指した結果、むしろ個性的になるというのがグッときます。

セレクト編

私がこのお店で取り扱っている商品で一番好きなモノはカイボイスンのジャムスプーンです。

カイボイスン Grand Prix ジャムスプーン

はいそうです、とてもシンプルなスプーンです。
私は見た目にはあまり工夫が見られないけど、実は作り込まれてあるというものが大好きです。
気がつくとなんとなくいつも同じものを選んで使ってしまうみたいな。
そういう説得の仕方が上品でいいなぁと思うんです。
そんな私がこのスプーンを推すのは、ここまでちょうどいい(主観ですよ)機能とデザインが両立できているスプーンを他に見たことがないからです。

1,見た目
もう主観以外の何物でもないですが大事な推し部分なので。。。
このジャムスプーンは名前の通りジャムをすくう際や、塗り広げる時、そして瓶の中でも動かしやすい形になっているのが特徴です。
良い意味で目立たない佇まい。悪目立ちせずシンプルで生活に馴染みやすいデザインです。

私が好きな部分は、①,口に運ぶ先端の緩やかな半楕円形(この尖り控えめな丸みはマジ100点)と、②,残りの半楕円が途中から徐々に持ち手に自然に収束する所、そして③,主張が少ないあっさりと長すぎない”持ち手”と全体のバランスです。

スプーンは単純に”すくう部分””持ち手”の2パーツで作られる道具です。
なのでこの2つを繋ぐ部分の違和感の少なさは見た時の印象を大きく左右します
装飾がなくシンプルなのに"凛"とした印象があり、それでいて普段使いでも緊張しない道具としての見た目を保っているなんてとんでもないやつです(主観です)。

ではなぜジャムスプーン"だけ"なのか?
カイボイスンにはもちろん他にもスプーンがあります。
実はカイボイスンのスプーンはすくう部分の形がシャープな涙形になっているのが一般的で、ジャムスプーン"だけ"正円に近い別のデザインになっています。シリーズで並べると統一感はあるのに、よく見るとジャムスプーンだけちょっと違う(これはこれで推しポイント)。

他のスプーン×6とジャムスプーンの図

この一見おやつ担当のようなカジュアルなデザインと、なるべくしてなったようなまとまりのある形状、そしてちょっと仲間はずれ。
そういう所がグッときます(すごい主観)。

2,口当たり
ここで言う"口当たり"というのは"口に食べ物を運んだ後に引き抜いた時の感触"を指しています。なので良い口当たりとは引っ掛かりと異物感が少ないことを意味しています。
1,見た目部分で触れた広めのすくう部分は口当たりの良さにも大きな影響を生むことになります
なぜこれだけデザインが違うのか?という謎は、単にジャムを塗り広げる為だけではなく、すくう部分の”深さ”が関係していると思われます。

深さで比較するとジャムスプーン(左)は5mmに対しディナースプーン(右)は1cmと深め。

このように横から見るとジャムスプーンは他のものより浅く作られています。
正円に近い広めのデザインはおそらく浅くすることで減ってしまった1度にすくう量を補う為だったのではないかと思われます。
そしてポイントになるのはただ広いのではなく”浅さを維持したまま”広い、つまり”平らに近い”ということです。

カイボイスンの全てのスプーンは縁の部分を研磨して外側に行くにつれてだんだん薄くする事により口当たりをよくする処理が加えられています。

縁が切りっぱなしなっていないのは仕上げの加工が最後までなされている証です。

この処理を底が深い場合と浅い場合で行うとどういう違いがおこるか。
同じ”薄くなっていく”でも元々平らに近い方が"より緩やかに"薄くなっていくので同じ処理をしても口当たりに大きな差が生まれます

スプーン縁の断面図 赤が研磨部分(左がジャムスプーン、右が他のカイボイスンシリーズ)

さらにここに”すくう部分の金属がそもそも薄い”というのが重なります。

ジャムスプーンがおよそ1.2mmに対しディナースプーンは1.8mm。

ご覧の通り、ジャムスプーンはすくいと持ち手との大きさのバランスを考慮してか、同シリーズの他の物より薄く作られています
ただでさえ口当たりに有利な形状にこの好条件。そんなの口当たりがいいに決まっています。


3,重量バランス
最後は重量バランス、要は持ちやすさです。
一般的にすくう部分が広いということは使用するステンレスの量も増えることにつながり結果的に持ち手より重くなることが多いです。
2の”そもそも薄く作られていた”が見た目のバランスを考慮した結果なのかはさておき、柄は短めで手の収まりが良いサイズにまとまっています。

また製造都合でしょうが、持ち手が板状になっているので持った時に自然と親指が上面を横断する格好になります。手の指の中でも短く太い重心がある親指が上面にあると”持つ”というより”はさんで持つ”ようになるので力が入りやすくスプーンそのものの重さがそれほど関係なくなります(すごい主観です)。
最終的に持ち手よりもすくいは重いですが、使い心地を感触の方に振ったと考えれば及第点と言えると思います。

長くなりましたが、日常に溶け込みやすくかしこまらないデザイン。口から引き抜く際の感触。そして重量バランス。
考慮されたであろう箇所はまだまだありますが、まぁこのくらいで。。
デザインする際にどこまで使うことを想定していたのか分かりませんが使い心地に関しては同シリーズ内でも群を抜いていると思います
使う時にテンションが上がるようなものではないかもしれませんが、生活の中に溶け込み小さなストレスを毎日減らしてくれる名品に違いないと思っています。

個人的にはミラーよりもマットがおすすめです。


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