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保育課題の解決へ。企業と議員が連携強化 | issues意見交換会レポート

issuesでは、地元議員と「地域課題=“困りごと”」を解決する企業とが意見を交わす意見交換会を開催しています。

1月26日開催のテーマは、登園時の「荷物多すぎ問題」です。地元議員12名と、おむつお届け定額サービス「手ぶら登園」を展開する BABYJOB株式会社、そして実際にサービスを利用している保護者と保育士がオンラインで参加しました。

意見交換会は既に関心ある議員にとっての強い後押しとなり、自治体へのサービス導入検討による地域課題解決への兆しも見えました。また、今回を機に「課題意識を持つきっかけになった」と話す議員がいるなど、さまざまなフェーズの議員にポジティブな変化がありました。

実際に参加した議員へのアンケートでも、

・9割が「『荷物多すぎ問題』についての理解が『深まった』
・7割が「自治体に『手ぶら登園』導入するよう後押ししたい」
・7割が「自治体の担当部門や公立保育施設に『手ぶら登園』を紹介したい

といった回答が得られ、官民共創に向けた大きな一歩となったようです。

issues | 地元議員-地域住民-民間事業者を繋ぐ

地域の政策実現は、かつて町内会や自治会といったコミュニティを通じて住民が地域の困りごとを地元議員に相談することで課題解決に結びついていました。しかし、現在地域コミュニティが弱体化するなか、特に若者層の声が地元議員に届きにくくなり、国民と地方行政の距離は大きく開いています。

issuesはそうした課題を解決し、新しい世代の新しい価値観を政治家に届けるためのプラットフォームとして誕生。150名以上の議員の方、地域住民2万人以上の方にご利用いただき、これまで15以上の自治体で様々な政策の実現を後押ししてきました。


また、issuesでは解決に繋がるソリューションを持つ企業と議員とが一体となって、地域課題の現状をより深く理解し、政策実現に向けた動きを加速するための意見交換会を開催しています。

今回の勉強会は以下の流れで開催しました。


「荷物多すぎ問題」とは?「手ぶら登園」が解決すること

今回テーマとなっている、登園時の「荷物多すぎ問題」とはどういったことなのでしょうか?

実は、多くの保育施設では、園児毎におむつを管理しています。そのため、保護者はおむつ1枚1枚に名前を書いて、毎日必要な枚数を持って登園しています。もちろん荷物はおむつだけではないので、登園時には両手が塞がり、子供と手を繋ぐことも難しいという状況。また、保育士側にとっても、おむつの管理は負担となり、貴重な時間が割かれています。

BABYJOB様は、このような「荷物多すぎ問題」を解決するために、おむつお届け定額サービス「手ぶら登園」を提供しています。おむつとおしりふきがメーカーから保育施設に直送されるため、保護者は保育施設用のおむつを用意する必要がなく、保育士も複雑な管理が不要になります。


「手ぶら登園」の詳細はこちらの動画をご覧ください。

「手ぶら登園」のサービスサイトはこちら

今回の意見交換会では、実際に自治体への提案に前向きな議員も多数参加していたため、実証実験の導入やスケジュール感についてもご説明いただきました。


実際の導入に関しては、

①「手ぶら登園」を導入している自治体の担当者
②保護者の方
③保育士(園長先生)

から詳しく話を聞きます。

①「手ぶら登園」を導入している自治体の担当者
(足立区 子ども家庭部子ども施設運営課 課長 安部さま)

現場の保育士や、議員の方からの提案が導入のきっかけでした。「手ぶら登園」を選んだ理由は利用料が安価であることと、実績が多数あることが大きいです。導入後の保護者アンケートでも「便利になった」との声があがっています。「おむつのサブスクを導入しているのか?」と保護者側が保育園に問い合わせた事例もあると聞いています。委員会報告でも前向きな質問をいただいています。

②保護者の方

おむつ1枚1枚に名前を書く手間がないのは、非常に便利です。最初は、普段使っていないおむつメーカーだと、かぶれてしまうのでは?と不安に思っていたのですが問題ありませんでした。何枚でも使えるため、保育士の方が頻繁に取り替えてくださっているのだと嬉しく思いました。保育施設によって荷物の大きさには差があるので、園選びには影響すると思います。たくさんの園で導入されてほしいと思います。

③保育士(園長先生)

導入前、保育士の仕事は「おむつとむきあう仕事」というくらい、おむつ関連の負担は大きかったです。例えば、20人いれば20通りの個別管理が必要であり、記名も1枚ずつ確認していました。そういった時間が減ったことで、その分園児に向き合う時間が増えました。保育現場は気の抜けない場所です。新しいことに躊躇しがちな部分もあると思いますが、まずは実証実験から始めてみると良いと思います。

「荷物多すぎ問題」について理解を深める議員たち

ここからは、議員とBABY JOB担当者様、保育士と保護者とが少人数のグループに分かれて意見交換を行いました。issuesメンバーが進行役を務めます。

参加した議員のフェーズはさまざま。自治体導入済で私立にも広げたいと語る方、導入に向けた具体的なハードルを確認しておきたいという方もいれば、課題認識を持つきっかけとなった議員の方もいました。

多くの視点で関心が寄せられましたが、中でも現場負担についての質問が目立ちました。

たとえば、「保育現場での、デジタル化への対応はスムーズだったのか?」という質問に対しては保育士の方から「パソコンが得意でない方もいますが、クリックだけで直感的に操作できるので問題ありません。サポートセンターでのフォローもあるので、安心して使えています。」との回答がありました。

また、契約は保護者側の選択制となっているため、クラスの中で導入している園児とそうでない園児が混在しています。そのための手間については、

管理画面を見れば一覧で、園児の申し込み状況やサイズを確認できます。混在することで手間が増えるということもありません。導入している子が増えれば、その分の手間が減っているなと感じます。導入も保護者の方にお手紙を渡して、QRコードから直接お申し込みいただくので、私たちでは何もしなくて大丈夫です。

と保育士の方。
BABY JOB担当者様によると、導入施設の9割が混在しているが、特に問題なく運営されているとのことです。

実際の提案をイメージした質問もなされました。具体的なハードルについて情報収集し、解を持った上で提案するためです。

「廃棄おむつに自治体予算がついていない場合は段取りが必要となるケースがあります。しかし、先日、厚生労働省から自治体へ保育所でのオムツの処分を推奨するとの通達があり追い風になっています。また、ストック場所の問題も挙げられることがありますが、小規模園での導入もあり、ラックを設置することで十分場所を確保できているようです。

不便さの解消よりも、オペレーションが変わることへの不安がネックになっている場合は、ぜひ実証実験を活用してほしいと思います。また、公立で複数園ある場合、足並み揃えての導入は困難という実情もあります。利用意向の高い園から導入を始め、その良さを口コミで広げていただくと説得力もあるかと思います。」(BABY JOB様)

議員は、時間いっぱいの質問や意見交換を通して、提案に向けた説得力のあるデータを得られた様子です。現状の課題とサービスのメリットを深く理解し、特に保育現場における懸念は、当事者からのコメントをもってクリアになっていきました。


サービス導入の確度UPにむけて「議員との新たな繋がりをもてた」

地域住民のリアルな“お困りごと”を聞き、その声を議員から自治体へ届けることは、地域課題を解決する「手ぶら登園」のようなサービスにとって導入検討の確度アップに繋がると考えています。

しかし、通常業務の中では、議員と接点を持てる機会が少なく課題の現状やサービス内容についてお伝えするのが難しい状況です。個別にコンタクトする方法はあるかもしれませんが、幅広い自治体の議員にアプローチすることを考えると効率が悪く手が回りません。

今回のissuesさん主催の意見交換会を通して、これまで接点の無かった議員・自治体と直接繋がることができたのは、貴重な機会となりました。

社会で注目されるおむつ負担、解決にむけてissuesが後押し

先日、「使用済みおむつ」は保育所で処分すべきとの通達が厚生労働省からもあったように、おむつ負担は注目の社会問題です。

今回の意見交換会では、企業と議員だけではなく、保護者・保育士も含めてフラットに意見が交換されました。12人と、多くの議員が参加しましたが、少人数のグループで深い議論が交わされたことも、貴重な機会となったようです。

現状をより深く理解し、想定していた懸念事項が払拭されたことで議員の方はより自信を持って自治体へ提案することができます。

事業を加速させるため、企業にとって議員との課題意識の共有は非常に重要ですが、議員もまた、地域課題を解決するために民間のパートナーを必要としています。

issuesでは、プラットフォームによって得られたネットワークを活かし、民間事業者と議員の「繋がり」づくりを支援しています。官民共創を進めたい企業の方は、ぜひ下記のページも参考にいただき、お気軽にご相談いただければと思います。

民間事業者の皆様はこちら▼

議員の方はこちら▼

住民の方はこちら▼



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