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理解できてる?技能と技術の違い

運動指導の専門家として重要なことは、運動技能と運動技術の違いを明確に理解することです。これにより、より的確な指導が可能となります。

運動技術とは

運動技術とは、特定の運動を効果的かつ効率的に遂行するための合理的な方法のことです。
例えば、速く走る、正確にボールを投げるといった目的を達成するための正しい運動のやり方です。
運動技術は研究や経験、用具の開発などによって進歩し、例えば走り高跳びの技術は正面跳びから背面跳びへと進化してきました。
今後も新しい運動技術が開発され続けるでしょう。

"わかる"技術と"できる"技能

運動技術は理解するものであり、書籍やビデオを通じて学ぶことができます。しかし、理解することと実際にできることは別問題です。
例えば、泳ぎ方を完全に理解しても実際に泳げるわけではありません。実際に練習し、体で覚える必要があります。
このように、運動技術を理解することは運動学習ではなく、運動技能を習得する過程が運動学習です。

運動技能は、練習を通じて身につけた実際にできる能力です。この技能には個人差があり、初心者から熟練者まで様々です。練習を重ねることで運動技能を向上させることができ、この過程が運動学習です。

学習目標としての運動技術

運動技術は運動学習の目標として位置づけられます。新しい技術を早期に習得することでスポーツで優位に立つことができます。
また、運動技能を向上させる練習を行う際、正しい技術を知っていることが非常に重要です。技術を知らないと効率が悪く、悪い癖がつくリスクもあります。運動技能を高めるためには、正しい運動技術を目標として練習することが効果的です。

正しい用語の使用

運動技能と運動技術は一見似ていますが、明確に区別して使用する必要があります。「運動技術を向上させる」と「運動技能を向上させる」では意味が異なります。
運動技術は運動の実施方法を指し、運動技能はその実施能力を指します。

運動指導においては、これらの用語を正確に使用することが求められます。運動技術を学び、理解することと、運動技能を実際に身につけることは別物であることを理解し、適切な指導を行いましょう。

まとめ

運動技術(技術)

  • 定義: 運動や動作を行うための具体的な方法や手順。

  • : サッカーのドリブル方法、バスケットボールのシュートフォーム、テニスのサーブの手順。

運動技能(技能)

  • 定義: 運動技術を実際に効果的に使う能力や熟練度。

  • : 試合中に相手をかわしながらドリブルする能力、プレッシャーの中で正確にシュートを決める能力、試合で安定してサーブを入れる能力。

簡単に言うと、運動技術は「どうやってやるか」で、運動技能は「どれだけうまくやるか」です。

例:バスケットボールのドリブル

運動技術
ドリブルする際の手の位置
ボールを突く力の加減
ドリブル中の目線の位置(コート全体を見ること)

運動技能
試合中に相手ディフェンスをかわしながらスムーズにドリブルできる
高速でドリブルしながら正確にコントロールできる
プレッシャーのある状況での安定したドリブル

例:サッカーのフリーキック

運動技術
フリーキックの蹴り方ボールをセットする位置
足の振り上げ方やインパクトのタイミング
蹴る際の足の角度やボールの当たる場所

運動技能
フリーキックを試合で成功させる能力
ゴールキーパーの位置を見極めて正確にゴールに蹴り込む
壁を越えて曲がるキックを狙う技術
プレッシャーの中で冷静に蹴る精神力と集中力

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