見出し画像

10 Things That Coffee Has Taught Me(Part 1)

コーヒー好きな者としては、最高な一年でした!この頃、コーヒーで出逢った友達に新年の挨拶を送る時に繰り返している言葉。先日の夕方、近所のパン屋さんから帰る途中に、いつも混んでいた話題中のcoffee barが空いたようで、初めて入ってみました。コーヒーは当日終了しましたが、mulled wineをテークアウト。家の近くに着いたら、道端に電話しながら、歩いていた友人にばったり会いました。つい最近まで友人を悩ませた念願のことがなんとその日で、やっとうまく解決できたというbig good newsがその場で聞けて、嬉しすぎた二人がhugしました。後に手に持っているカップを見て、コーヒーを買おうとしなければ、今晩はすれ違い、あえないなぁと思いました。あとから連絡が来ても、生で話が聞かせるのと絶対違う喜び方でしょう。このようにコーヒーが作ってくれるきっかけ、コーヒーで気付けた物事は2020年でいっぱいありました。こんな特別な一年の〆に、自分の中でもっとも思い出に残ったコーヒーをまとめてみました。

画像1

デザインより人間が先

日常のコーヒーと専門のデザインとの関連性について、深く関心を持たせ始めたのは、今年の初めにBongenとの出会いでした。いつも泊まったところをまずゆっくり回るのが好きです。ちょっと冷たくて、透明感が愛しい真冬の朝に出かけたら、まもなく裏道に隠れているこの小さな店が暖かい雰囲気が外に溢れるように見えてきました。

画像13

そこで出逢ったのは穏やかな飛田さん(珍しいお名前!)、毎日来ているような常連さんと忘れられない甘酒ラテでした。自分のような外来者はとても珍しいけれど、二、三回行くと最近海外から転勤してきたばかりの若い夫婦、香港から観光に来た大家族にも逢いました。飛田さんが一人でやっているこの店は、意外にメニューが多い方で、みんな待つ時間で結構迷いながら、何かを決めておいてます。最終的な判断は飛田さんに詳細を聞いてからするようにしています。木造のインテリアに美しい盆栽、手書きのメニューも、お手土産にもできるグッズも置いてあります。謙虚で静かにコーヒーを淹れる飛田さんがたまに空いている時間にお喋りされたり、冗談もいう素敵なかたです。限られる空間の中に晴れの日でも雨の日でも居心地良い空気が流れてきます。

画像14

デザイン関連の仕事が飛田さんと相棒と一緒に長くやられている話はそこから聞きました。ただ、デザイン性が強い、センスが良いからといって、誰でもこんなに好かれる店ができることはありません。毎朝うれしくドアーを開いてくれるお客さん、少し読みにくいメニューを楽しく読めるお客さん、待つ時間が長くても文句はひとつも言わないお客さん、混んでいても、お互いに微笑んでいられるお客さん、このような人達に出会わなければ、恐らくデザインは完成したとは言えません。自分らしい店はどんな形にできる、そこでどんな人に楽しんでもらいたい、町と隣とどんな関係づくりをしていきたいーーそれぞれをじっくり考えて、全部チェックしておいたと飛田さんの会話から分かったことでした。

画像15

デザインの話に来たら、いつもデザイナーの感覚、経験、流儀が語られていますが、そこにまず人間:デザイナー自身と対象とされるお客さんとも見えてこないとgood designはまずできないし、むしろuseless design、余計なデザインが増えていくばかりです。デザインはモノづくりだけではなく、関係づくりです。

この間Instagramで探してみたら、Bongenは元気にやっているのをみて安心しました。いつか自分もデザインの世界に入り込んでしまったことを飛田さんに報告したいですね笑。美味しいコーヒー屋さんが数え切れないほど集まる東京に、そして今の東京こそ、Bongenのような店が一番必要なのではないかと思います。

画像2

シンプルでも深い

画像19

Horizon Laboのお店は2019年秋のTokyo Coffee Festivalで友人より聞いてから、楽しみでした。旅行は自由にできるold normalだったので、つい次回の東京小旅に立ち、表参道の店で岩野さんと広瀬さんに会えました。

画像18

お洒落な店が次々と並んでいる表参道の街に、この透き通っている空間が光のように目の前に現れてきました。物静かでオーラが出てきます。岩野さんらしいーとその瞬間に思いました。ちょうど他のお客さんがいない時間帯で、ゆっくりコーヒーをいただき、洋服を試着しながら、お二人とゆっくり話ができました。

画像17

そしてコーヒーフェスの時より、もっと明るくなってきた岩野さんのことも気づきました。真っ白の空間に手作りの洋服によりシンプルな色が点々としているこの店にいると、黙っても、気持ちがいろんなところに飛んでいけるような自由さが溢れていました。Horizon Laboの創立者である岩野さんがコーヒーで自分の世界を作り出す話は雑誌やウェブなど取材記事に徐々に取り上げられていますが、ここでの岩野さんはただコーヒーの香りに洋服の話を柔らかく語っている若い職人でした。

画像18

洋服の生地に触りながら、コレクションへの思いを広瀬さんからも聞きました。二着のコートに惚れてしまって、選択に悩んでいた時、店頭に販売しているコーヒーのパンフレットを渡されました。その写真の撮り方、詩の書き方、コーヒーの香りに込めた職人の気持ちが、全て試着しているコートに織り込まれたように、包んでくれたように感じました。

画像20

コーヒーって専門知識やビジネスや先ほどのデザインもライフスタイルもそれそれのpathで探りかたがあります。一見シンプルな飲み物のように見えますが、実に深いです。その深さに常に純粋な気持ちで向き合うことができて、さらに自分の味を引き出すことができる方が素晴らしいです。そして岩野さんのコーヒーには甦る隠し味があることが分かったのは、世界が急変して、半年も立ってからです。夏の末に残ったコーヒー豆を自宅で入れたあと、パックに載せた<回帰と執着>という詩をもう一度読んでみました。今度こそ、感動しました。根強い深いところがあるこそ、コーヒーは楽しい時も、辛い時も、帰る居場所が作ってくれたり、癒してくれます。欠かせないものになりました。

画像22

美味しいより、まず楽しい 

あまりにも楽しくて写真がうまく撮れないってことありますね!Hashでのコーヒー時間はそんな感じでした。しかもコーヒーではなくhot chocolateでした笑

1月の末にMelbourneに着いたばかりの時期で、まだ夏の暑さが続く日々でした。賑やかな商店街を少し離れて、アイコンが強い店に休憩しようと思ったら、GPSで近くにHashというスペシャリティコーヒー屋さんがあるとわかりました。(後程分かりましたが、Melbourneでは大体スペシャリティで、みんな優秀です笑。)

画像21

急に涼しくなると無性にhot chocolateが飲みたく自分が、適当に注文しました。それを受けた店員さんが妙に笑ってくれました。なぜなのか、その一品を運んでくれた一瞬で分かりました。(汚い写真ですみませんが)Hashでhot chocolateの飲み方が特別です。カップにふわふわなfairy floss(cotton candy)が高く乗せられて、そこに自分で暖かいチョコレートを淹れる儀式があります。

画像22

しかも、そのチョコレートは普通に飲めるというよりかは、噛み締めるほど濃厚でした!Fairy flossからの甘さに混ぜて、もっと綿密な味わいができ上がりました。今まで飲んだことがない、一番美味しいhot chocolateでした。

店を出る前にバリスターに新しいコーヒーの注文が入って、latte artの作り方を動画で撮りたいですが、いいですかと確認してみたら、"Of course! you can't miss this one!" 笑顔でオケしてくれました。それが店全体の雰囲気でした。目が会う度に笑顔がたっぷりで、happyな店でした。たまにお店の照明や音楽とか、店員の話掛け方とか、コーヒー豆の説明とか、緊張感が嫌に湧いてくるコーヒー時間はありますね。日常のコミュニケーションもコーヒー屋さんのおもてなしも、みんな楽しくいられるその場の雰囲気を作ることはまず大事だねとMelbourneで最初にコーヒーが教えてくれた一課でした。

画像4

言葉の形 

いつも声に出す言葉は、出せない場合はどうな形で気持ちをうまく伝えばいいのかはここで体験しました。一時泊まっていたアパートの近くに新しいコーヒー屋さんを探してみたら、歩く5分であるカフェーの看板を見かけました。

画像24

入ってみたら、映画の中に現れるgrandma's houseみたいな、レトロで、なかなかお気に入りの雰囲気でした。しかし、いつも声かけてくれる店員さんが見かけませんでした。静かでした。メニューをちらっと見ると注文を手話でどうするかを学ぼうという動画のスクリーンもレジにあることに気づきました。台所の方向へ眺めてみると、照れて微笑んでくれる制服を着る方がいました。そこでもう一人の女性と一緒にレジに歩いてきて、その女性が声をかけてくれました。動画のようにチャイラテーを手話で注文してみました。誤解しないように、ちゃんと自分の唇が相手に見えるように小さい声も出しました。

画像25

ここのすぐ隣は耳の不自由な方の専門学校です。先生と生徒たちがやっているカフェーも後の会話から分かりました。食べ物は全部自家製で、毎日のお勧めと日替わり定食は手書きの看板から注文できます。その後で朝食でMuffinも頂いたことがありまして、めっちゃ美味しいです。

画像27

画像24

生徒達の美術作品も店内で展示されています。無言で静かでも何も違和感なく、いつまでもいられる素敵な空間です。

最初手話で注文した自分が向こうに気にかけたように、先生も生徒もきっとどんなお客さんでも気軽に入るように気にかけてくれると思います。普段ははっきりと声に出しても、ちゃんと書いても、気持ちが全く通じないことがよくありますが、ここに通うと、言葉の形に気付けることによって、相手に思いやりを持って、コミュニケーションすることを改めて見直しました。

画像26

画像5

甘えていいよ!

Lots of love keeps falling on me everyday❤️ Melbourneの暮らしを友達に語ると、必ずこのセリフが出ます。仕事もプライベートも強気なものだと思われてきた自分が、甘えていい、頼っていいという人生の一課もこのMelbourne独特の甘いCappuccinoから始まりました。

画像28

ということで、今日は甘えさせてください。もう準備しないと友達との約束に遅れますので、またPart 2に続きを書きます🙂

画像29

感性で生きている自分のことが、傷つきやすいんだよとよく言われます。それが、コーヒーというレンズを持ち始め、暖かくて前向きなコミュニティに近付くことによって、勇気がたくさんもらいました。繊細で鋭い体質を変えるのではなく、それが必要とする、有り難く思ってくれる、また磨いてくれる分野、人々とのお付き合いに活かせば、より自分らしく、楽しく生きていけると思えるようになりました。色々教えてくれたコーヒーへ、感謝の気持ちを込めて、明日の自分への励ましにもなれますように、このノートを書くことにしました。これからもgood coffee, good people、皆さんよろしく〜☕️

PNG图像-F4B4E4555C7B-1



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?