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“自然資源がなければ私たちの生活は成り立たない” えこ / 慶應義塾大学総合政策学部2年 / 東京チーム

THE BLUE CAMPに参加する学生たちを、それぞれがエントリー時に提出した自己紹介およびエッセイとともに紹介します。東京チームは、高校生2名、調理学校生1名、大学生5名(うち1名水産研究)の計8名です。

“自然資源がなければ私たちの生活は成り立たない”

今回紹介するのは 野口絵子 (えこ) です。

彼女は小さい頃から登山をしていた経験から自然環境への感度が高く、”循環”というものに強く関心を持ちます。大学ではお米づくりもしていて、海と陸・食と農から様々な視点をチームに投げかけてくれています。えこは8時間も議論した企画会議でも疲れた顔を見せず、意見を明るく溌剌と出してくれてチームに元気をもたらしてくれています。

応募時 自己紹介

私は幼少期から登山をしており、ヒマラヤやアフリカの山なども登ってきました。ヒマラヤでは登山だけではなく、NPO法人ピーク・エイドの理事として「ヒマラヤにランドセルを届けようプロジェクト」を行い、地元の小学校にランドセルを届けてきました。

他にも、地震支援活動を行なっており、トルコ地震の寝袋支援や、能登半島地震の寝袋支援活動などを行なっています。山を登っている身として、寒い夜がどれほど体力、精神的に辛いものなのかわかるので、少しでも多くの人に安心した夜を迎えて欲しいです。また、ニュージーランドに高校留学をしており、その頃から「世界ふしぎ発見」のミステリーハンターを務めてきました。これまで5回リポーターをしておりアフリカ、南米、オセアニアを旅し、見たもの学んだことが最大限伝わるように表現してきました。

数々の渡航の中で食文化が一番興味あり、現地で様々な料理に挑戦し、文化の違いを吸収しています。帰国後は大学の研究会で、お米作りを行なっており、食と農を通じて大学と地域をつなげる活動を行っています。

応募時 エッセイ 
「海と食の未来について思うこと、取り組みたいこと」

私は大学の研究会でサスティナブルキャンパスプログラムの一つの「食と農」を担当しています。この研究会では、大学周辺でお米づくりを行なっており、農業を通じて地域と大学の繋がりを築いています。この活動を通じて、「食と農」の農の部分は農業や作り手だけではないと感じています。「農」という言葉の中には、広い視野で山、里、川、海の繋がり、循環が含まれていると思います。農業をしながら、土地の豊かさ、水源の保全、生物多様性といった自然資源がなければ私たちの生活は成り立たないことをしみじみと感じます。

また、この2月に国立科学博物館で開催されていた「和食〜日本の自然、人々の知恵〜」に訪れました。日本人でありながら初めて見る野菜、料理、食材としての多様性に触れ、日本食の「奥深さ」が無形文化遺産であることを実感しました。食とは、料理だけではなく積み重ねられている歴史、人々の生活であると思います。しかし、気づかないうちに伝統的な食文化が後退しつつあることに私は危機感を感じています。

特に、能登半島地震をきっかけにその危機感が強まりました。また、私はNPOの活動で支援活動を行っています。震災後から通い続けていますが、春になった今でも、冬の頃の景色と何一つ変わっていません。全壊した家屋、津波によって壊滅した漁港、看板だけが残っている魚介屋さん。街の再建はほど遠い中で、私が懸念していることはこの街に人が帰って来なくなる未来です。この地域に根付いている伝統の中には海という大きな食文化があります。それを継承していく人たちが消えていくことがいかに深刻であるか。けれども、今まで震災を多く経験したことのある私たちはどうにかなるだろうという感覚であるように感じます。地震により海岸線は隆起し、環境が変化したことで、漁港は復旧どころか存続すら危ういです。能登町の漁港では、魚の競り場が3月末で廃止されました。漁師の方の多くは仕事に戻れず収入のない時期が続いています。

漁港再生を待つ間に、能登の海から人が徐々に離れていってしまわないように、目を向けるべきです。人々の生活、文化を私たちの世代で終わらせてはいけません。私はボランティア活動の最中で、再開している飲食店に出向くようにしています。これもまた一つの支援の形であり、常にSNSで情報を発信して多くの人に現状を知ってもらうよう努めています。能登半島を忘れない、これが私たちにできることです。

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