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それは梅雨空に気付かされたような

 土砂降りの雨を打ち付けたかと思えば、過ぎゆく雲々の隙間から束の間の晴天が顔を覗かせて、再び雨雲が梅雨のシャワーを垂れ流していく。そんな気まぐれな文月の空模様が「大人しくお家で過ごしましょうね」とバブみ母性溢れる声で優しく諭す先生みたい思えてならないのは、今の情勢下もあいまって例年以上に家に引き篭もってPCゲーム(主に恋愛ADVゲーム)する時間が多くなったからかもしれない。年上のお姉さん、いいよね、甘えたい……。

 しかしこうも家でゲームをする時間が増えると、恋愛ADVに限らず、FPSやアクションゲーム等々色んなジャンルのPCゲームにも手を出したい。とはいえ、今使っている家庭用のノートPCではスペック的にも厳しい(普通のグラフィックボードしか搭載されていないので)。
 そこで最近頂いた給付金と職場から頂いたボーナスを利用して、デスクトップのゲーミングPCを新調しようと考えているのだが、購入する前に一つの大きな壁が立ちはだかっている事に気が付いた――そう、置き場所の問題だ。
 
 はっきり言ってしまうと、僕は整理整頓が苦手な人間だったりする。
 よくTVで取り上げられる汚部屋とまではいかないけれども、本は本で読んだらその場に積み上げたり、服は服で(洗濯したら畳んで)特定の場所に固めたりと、中途半端な整理整頓の結果、そこそこ部屋が散らかってしまっているのだ。
 そして今のノートPCを置いている勤続25年の学習机もご多分に漏れず、小説執筆の資料や辞典、読書の本やらで埋め尽くされており、とてもディスプレイやキーボード等含めた一式を置ける状態ではない。
 
 そんなワケで、少しずつではあるが自室の整理整頓を進めている。スペースの確保という一点で見れば、机だけの整頓で別に問題はないのだけど、机からどかした書籍類の移動先まで考えると、結局部屋全体の掃除まで拡がってしまったのだ。
 本棚から溢れかえっている、大学時代に読んだ文庫本やゲームの数々を処分していく。読み返したい或いはプレイし直したい衝動にも一瞬駆られてしまうが、すぐに頭を振って段ボールに詰め込んでガムテープで閉じる。
 勿体ない事をしているという気持ちも湧いて来るけど、そこで躊躇していたらいつまで経っても宙ぶらりんのままだ。

 かつて読んだ河合隼雄さんの本に「逃げるときめたからには、もの惜しみをしないことが肝心である」と記されていたが、この「逃げる」を「捨てる」に置き換えてみたらあら不思議、今の僕にうってつけの箴言に早変わり。「しかし、そのときは相当に何かの利益を棄てる必要がある」と続く文章を胸に、「絶対にもの惜しみしない」心がけを身に着けようとしている今日この頃である。

本日の写真:シガーシティ インベイジョン トロピカルペールエール

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