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短編篇

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#私の作品紹介

『チキンファクトリー』

 俺の手はもう限界だった。周囲は外国人だらけで寒くおまけに酒の飲み過ぎでイライラしていた…

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6年前

『旅のもつれ』

 旅の途中にとあるバーに立ち寄った。カウンターのまえのスツールに腰掛けると、バーマンはあ…

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6年前

『小旅行の思い出』

 眉間に皺を寄せながらキーボードを叩いていた。今度こそ最高傑作が出来上がるような予感がし…

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6年前
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『ある先生について』

俺がこの店に勤め始めるずっと以前からの常連客でみんなから先生と呼ばれている女がいる。 彼…

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6年前
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『幸運な一日』

 俺の働いている店の従業員の大半はなんらかの薬物をやっている。俺もなんどとなく勧められた…

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6年前
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『出所後の悲劇』

背中に陽光を感じながら玄関の前でしばらく佇んでいた。ドアを開け中に入った。 「だれ?」ガ…

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6年前
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『空港での愉快な出会い』

今日の俺は客としてバーにいた。そういうこともある。窓の外には滑走路が広がっていた。俺はカウンターに腰掛けバーマンに話し掛けた。バーマンは俺の存在を認めないことにしている。空港のバーのバーマンは、列車の売り子と同じでどいつもこいつも俺を嫌っているようだ。こういうやつにはタテつくよりテーブル席に移動するほうが懸命だと思いそっちに移った。 高級スーツに身を包んだ悪党がテーブル席に腰を落ち着け退屈そうに酒を飲みフライトまでの時間を潰していた。俺は席につくと店の入口に目を向けた。新入

『長年の準備の果てに』

 俺が刑務所にいたときの同部屋の相棒は、何度も他の囚人と揉め事を起こし、頭が狂ってる奴ら…

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6年前
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『絶望からのひと騒動』

俺は店の向かい側で中古のクーパーを停め、500円のチリ産のワインを飲みながら煙草を吸ってい…

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6年前
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『きみたちの優しさ』

オレは歯を磨くように入念に夢を飲み込むと、 擦り込めるだけの天然塩を歯茎に擦り込み、アキ…

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3年前

『彷徨える牙を抜かれた狼たち 』

午後5時のチャイムがなる。新しいシステムが導入されてからコンピューターの電源が午後5時に…

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3年前
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『ベッドの上でディランは詩う』

学生たちは先週以上に気難しかった、僕は学生たちに仰天させられた。 中庭では大柄の警官が朝…

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4年前
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『空港の門衛たち』

異国のガールフレンドに会うために久々に空港に行った。チェックインカウンターのババアたちと…

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5年前
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『屋台がもたらした欲望』

子供の小学校の入学式で懐かしい人物に出会った。俺がまだバックパックを背負って海外を彷徨っていたときしばらくの間一緒に過ごした女だった。たしか、名前はエリだった。 俺たちはバンコクで知り合い観光にも行かずに現地人や白人の遊び人、娼婦、ヒッピー崩れの日本人の男女たちとさまざま快楽に浸り遊び暮らしていた。ある金持ちに紹介してもらったアパートメントに俺たちは3ヶ月ほどいた。これまで1週間ほどはいろんな女と過ごしてきたことはあったが3ヶ月というのは異様に長かった。どうしてそれほど一緒