『空港での愉快な出会い』
今日の俺は客としてバーにいた。そういうこともある。窓の外には滑走路が広がっていた。俺はカウンターに腰掛けバーマンに話し掛けた。バーマンは俺の存在を認めないことにしている。空港のバーのバーマンは、列車の売り子と同じでどいつもこいつも俺を嫌っているようだ。こういうやつにはタテつくよりテーブル席に移動するほうが懸命だと思いそっちに移った。
高級スーツに身を包んだ悪党がテーブル席に腰を落ち着け退屈そうに酒を飲みフライトまでの時間を潰していた。俺は席につくと店の入口に目を向けた。新入