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『社長のおごり自販機』がうちの事務所にも欲しい件

先日、クライアントである某大手企業様に打合せに伺い、帰り際に妙なものを見つけました。
パッと見はなんの変哲もない清涼飲料の自動販売機なのですが、まず定位置であろうオフィスの壁際ではなく、ど真ん中に鎮座しています。そして、上方になにやら見慣れぬ告知板が掲げられているのです。

告知板には、『社長のおごり自販機』の文字…

『社長のおごり』というからには、福利厚生の一環として従業員に対して飲料を無償提供し、飲み放題にしているのかな?という事は容易に想像つきますね。
ところが、同僚が別の人と話し込んでいる間、しばらく自販機を観察しているとどうやらそんな単純なものではないらしい。

自販機に向かって歩いてくるのは必ず2人1組で、2人が首から提げた社員証(IDカード)を同時に自販機にかざして商品ボタンを押せば、あ~ら不思議!
2人それぞれが選んだ飲料が、取出口から出てくるのでした。

あら?
社員証に決済機能でも付加してるのかな?とも思いましたが、やはり無償のようです。

『いいでしょ、これ(笑)』とクライアントの偉いさんが言うので、
『カードをタッチしたら、幾らでも出てくるんですか?』と尋ねると、
『やってみますか?』ということで、私のGUEST CARDとその方の社員証を同時に機械にピッとかざして、『さぁ、好きなボタンどうぞ!』と言われて、『え~っ、決めてへん!』とアタフタしていると、選んでもいないのに『天然水(ミネラルウォーター)』のPETがゴロンっと出てきました。

『かざしてから10秒以内に何か押さないと、お任せになっちゃうんですよ』

その仕組みというかルールに興味があったので、簡単に教えていただくことに。
まず、大前提として無償で飲めるのは、各人1日1回まで。
つまり、先ほどのクライアントの偉いさんはたった今、私とその権利を行使したので、今日はもう誰とタッチしても無償では飲めません。
次に、同じペアが無償で飲めるのは週に1回限り。
即ち、私が翌日もこのクライアント企業を訪ねてきたとしても、この偉いさんとの今週の権利はもう失効しているので、別の方にお願いしなければ使えないというわけです。

ということは、非常にあさましい考えではありますが、月曜日から金曜日まで毎日毎日無償ただの飲料にありつこうと思えば、日替わりで『パートナー』を探して、2人一緒に自販機まで足を運ぶ必要があると…

結局、この『社長のおどり』自販機の狙いは何か?というと、コロナ禍を経て出社機会が減ったりそれでなくてもメールのやりとりだけで希薄になりがちな同僚との人間関係を、少しでも円滑なものにできたら、という開発者の気持ちがあるようです。

2人で同時にタッチするには、相手を休憩に誘い自販機まで連れ出さねばならない。
2人組にしか権利がないので、3人組だと余った1人は周囲を見渡しなんとかして『ペア』を見つけ出して声を掛けねばならない。
そんな些細な動きさえもがハードル高いと思えるくらい、現代社会というかオフィスでも人間関係はドライになってきているんでしょうね。
また、『10秒以内に選ばなければお任せになってしまう』というのもゲーム性があって、結果として会話が弾むということでした。

電子社員証がない企業には『社長のおごりカード』も用意されているらしい…(笑)

私はといえば、無料で飲めるなら誰かを誘って連れ出すくらいは苦でもありませんが、声を掛けた相手が、『ごめんなさい、僕もう午前中に部長と権利使っちゃったんで今日はできないんですよ~』なんて言われた日にゃ、それはそれでまた落ち込むんでしょうね(苦笑)

因みに上記のルール、例えば1人1日1回とか、同じペアは週1回とか、あとその自販機自体の1日の無料総数の上限とか、その辺は設置企業の利用人数や福利厚生予算に応じてかなり自由に設定できるとのことでした。
ある企業では、10秒以内にボタンを押さなかった場合には何も出てこずにその日の権利を失うという『残酷な』ルールを設定して、ゲーム性を高めているとのことでした。

あぁ、うちの協会事務所にも設置して欲しいなぁ…
でも事務所には派遣さん含めて7人しか居ないし、設置自体が無理そうだな(笑)
そもそも、おごってくれる『社長サン』が居ないもんなぁ…

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