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42000点の放銃はありえるのか? 順位点について考えてみた

場はMリーグ、オーラストップ目で2着目とは1000点の僅差。仮にトップから落ちる2000点を放縦してしまったとします。順位点含め何点の放銃ですか?42000?それとも、、、

ABEMAコメント欄には”42000点の放銃だよ!役満よりひどいなー”など心に刺さる言葉が飛び交っているかもしれません。

”本当にそれほどの失点なのか?”

状況の整理と矛盾

南3局終了時、40000点持ちとしてみます。そしてオーラスに2000点失点してしまい、38000点の2着終了。順位点を考慮すると18pです。反対に40000点持ちトップ終了時は順位点込で60p。その差が42pなので42000点の放銃に値する。

ざっとこんな感じでしょうか。一見どこもおかしな点はないように感じます。結論から言うと、60pから18pになる放銃の”60pから”という点が矛盾しています。

トップ席の価値

こんな話はどうでしょう。点棒状況は上記のままとします。オーラスに入る直前に急用の電話が鳴り席を外さなきゃいけなくなったとします。

そこで知り合いに席を譲ることになったのですが、”40000点持ちトップ目だから60p相当で譲るよ”と切り出したところ受けてくれません。当然です。オーラス捲られるかもしれませんし100%トップという想定はおかしい。そこで話し合いトップ60%2着40%の想定で合意し、44p相当で席を譲りました。(計算は以下、素点浮き分10000+60%*トップウマ50000+40%*2着ウマ10000)

その後、譲り受けた知り合いが同じように2000点放銃し18pで終了したとします。この時、彼の収支はー26p、点数にして26000点の放銃をしたことになります(44000-18000)。

”ん?26000?42000じゃないのか?”

2つのケースの違い

違いはオーラス直前の点数状況からくる順位点の期待値を正しく判断していたかどうかです。順位率60%40%の所はおおよそで決めましたが、100%トップ想定から計算するのは間違いで、42000点放銃のように失点の過大評価につながってしまいます。

また逆もしかりでトップ目からオーラストップを決めるあがりをした時にも同じことが言えます。上のケース、仮に1000点のあがりをしてトップを決めた場合、それはただの1000点ではなく17000点の価値があるあがりになります(61000-44000)。

忘れてはいけないポイントは、オーラス開始時トップ席の価値は44pであり決して60pではないということです。トップ率100%想定から考えるのは間違いで、その価値は60pより低くなるはずです。

さらに

少し前の話ですが、似たように二着目の方が2000点をあがりトップを逆転した対局で、”今の2000点は42000の価値があるあがりです。”と解説されているのを耳にしました。

確かに表面上はそう見えますが、それだとオーラス前の順位の入れ替わらないあがりをどう評価するのか、順位が入れ替わった瞬間に順位点が表面化するのか、と色々疑問に思ったのでこの記事を書きました。

オーラスの結果は勝負を決めるもので重要ですが、それまでの内面的な順位点の期待値を考えるとオーラスまでの局も同じく重要です。

「トップ目になると、必要以上に放銃を恐れたりしていないか」

「加点より失点を過大評価していないか」

順位点の期待値という観点で考えると、よりラフに強く打てる局面も見えてくるかもしれません。

実際のMリーグのケースで考えた記事もあるので興味がある方はぜひ読んでみてください!


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