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絶景×DJ Kaoru Inoue | 江の島シーキャンドル

8月27日、アーティストのKaoru Inoueさんを迎え、江の島のランドマークでもある灯台「シーキャンドル」の最上階デッキで撮影を行ってきました。

出演者を決めるにあたり、江ノ島電鉄株式会社の方に何人かの名前を挙げたところ、「Kaoru Inoueさんには、以前からイベントなどでお世話になっている」とそれとないオファーを頂いたので、江の島で長年Kaoru Inoueさんも出演されるイベント「Freedom Sunset」を開催されてきたShibaさんこと柴田雄一郎さんにご相談して、マネージメントを通じてご快諾をいただきました。

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当日はあいにく雨の予報で、ちょうど機材の準備が終わる頃に三浦半島と江の島の間に雨雲が現れこちらに向かってきましたが、雲の下に海まで雨の柱がくっきりと見える様な通り雨で、デッキをしばらく濡らしただけで、数分後には南西の空にキレイな虹をかけてくれました。

江の島の歴史について

江の島は神奈川県藤沢市にある陸繋島、砂州の形成によって陸続きとなった島で、沖から寄せる波が島を回り込んで弱まり、砂を運び穏やかな海を作っています。
島の周囲は波に削られた高い崖で囲まれており、また侵食によってできた岩屋(洞窟)もあり、古来は修行の場として利用されていました。飛鳥時代には役行者(えんのぎょうじゃ)とも呼ばれる役小角(えんのおづぬ)や、平安時代には空海・円仁、鎌倉時代には良信(慈悲上人)や一遍など歴史上の人物たちが修行をしたと伝えられています。また、鎌倉を開いた源頼朝が鳥居を奉納したことで、代々の将軍や武家には戦勝神として人気があり参拝されたと謂れています。

古くから景勝地として知られ、江戸時代には神社参拝を建前として訪れる庶民の行楽地として、参拝者を泊める宿坊も軒を連ね、今でいう観光地として栄えたそうです。その後明治時代に入ると、風光明媚で宿泊施設も揃った江の島には沢山の外国人も訪れる様になり、アイルランド人貿易商サムエル・コッキングは、寺の菜園を買い取り別荘と庭園を造営、後に熱帯植物園としたそうで、これが現在の「江の島サムエルコッキンング苑」の由来です。

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現在の奥津宮

そんな江の島神社の主な御祭神は、奥津宮に多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)、中津宮に市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)、辺津宮に田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)、天照大神が須佐之男命と誓約したときに生まれた神様で、宗方三女神としても知られる三姉妹の女神です。全ての「道」を司る最高神とされ、古くから航海の安全などを祈願する神様として崇敬されてきました。

神仏習合により仏教の守護神のひとりである弁才天女としても信仰される様になりましたが、その弁才天も元はヒンドゥー教の女神サラスヴァティー、聖なる河とその化身として崇められる神さまです。
元々は水の神ですが、その後芸術や学問といった「知」を司る女神とみなされる様になったため、同様に江島弁財天も江戸時代後期には芸術の神様としても祀られました。日本では「才→財」と書き換えることで、財宝神としての性格も持ち合わせています。

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お参りするスタッフ

ちなみに芸術や学問の神と言われますが、細かく言えば音楽神、学芸神という意味だそうで、この撮影にも相性が良いはずと思い、撮影中にお参りしておきました。

江の島の再興と「Freedom Sunset」

日本初の民間灯台として1951年に設置された初代灯台ですがその後老朽化しており、1980年代〜90年代の好景気には日本人の観光先も近場から遠くへと移ったため、一時期江の島観光は下火となっていたそうです。2002年に江ノ島電鉄開業100周年を記念して現在の灯台「シーキャンドル」が着工され、同年12月31日に周年記念事業のフィナーレとして初点灯されました。

翌年4月に観光用の展望台が開業、イベントを中心にブランディングを行いたい...という江ノ島電鉄の意向を受けて、Shibaさんによる「Freedom Sunset」(現在の「Sunset Lounge」)が初開催され、その後18年という長く続くイベントとなります。

当時、相談を受けたShibaさんはその少し前にスペインのイビサ島を訪れており、その島自体が音楽で盛り上がっている様子にインスピレーションを受け、日本でも同じ様な地域を巻き込んだイベントが出来ないかと考えていたそうです。そこで、ハワイやバリの音楽といった、太平洋やアジアのエッセンスも取り入れ独自の世界観を創りあげていきました。

さらに、古くは修行の場として使われたパワースポットであり、江戸時代には芸能の神様として庶民の巡礼地にもなった江の島に敬意を払い、神様への「奉納」としてイベントを行うことに意義を見出します。「Freedom Sunset」の中で、阿波踊りやエイサー、サンバなどを取り込んだのも奉納のイメージであるそうです。

2代目灯台「シーキャンドル」が開業したこの年の江の島観光客(サムエル・コッキング苑への入場者)数が約17万人、それが2019年には50万人というのですから、(他にも色々なイベントが開催されているとは云うものの)江の島における音楽イベントのパイオニアとしての「Freedom Sunset」の功績は非常に大きかったといえます。
最後にShibaさんが、江の島では何かに「守られている様な感覚を受ける」と言われていたのが印象的でした。

まとめ

その様な訳で、今回の撮影が色々な方のご縁で実現したのも、雨の予報にも関わらずキレイな虹まで見せてくれたのも、江の島の神様が喜んでくれた証しかもしれないと僕らは勝手に思っています。THAT IS GOOD 第二弾「 絶景×DJ Kaoru Inoue | 江の島 」観るだけでご利益があるかもしれませんから、ぜひ皆さんも楽しんでください!

著:THAT IS GOOD 編集部 中村

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