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順調にキャリアを歩んでいた私が、25歳で起業を選択した理由

2回目の投稿となります。株式会社トライハッチ、代表取締役の武藤です。

前回、起業から3年間の振り返りをnoteで書きましたので、今回は、起業した理由を書いていきたいと思います。

新卒入社した会社でスピード昇進

2014年4月、現在マザーズに上場するデジタルマーケティング支援会社に新卒入社しました。

別会社の説明会で、SEOやWeb広告の話を聞き、自分の知らなかったインターネットの世界に魅了され、片っ端からWebベンチャーの選考を進み、1番最初に内定を頂いた会社に入社することを決めました。

体育会系の大学に在籍していましたので、インターネットに疎く、早期から知識や経験を積まないといけないと内定を頂いた後、大学4年生の7月からインターン生として働くようになりました。

正式に新卒入社後、SEOの営業部に配属され、
1年目:新人MVP獲得、主任昇格
2年目:課長代理昇格、MVP獲得
3年目:マネージャー昇格と共に新規事業責任者として、新規事業立ち上げ
4年目:SEO営業部の部長に歴代最年少で昇格。10名のマネジメント、事業運営、サービス企画、全社PLの管理、上期部門賞の獲得
と実力主義のベンチャーではありましたが、数々の社内賞を獲得し続けるほどに圧倒的なパフォーマンスを出していました。

会社員であることのしがらみと退職の決意

新規事業立ち上げから、SEO部門の部長まで、好きなように事業を行わせて頂いていました。

しかし、部門賞獲得後、経営層からインターネットや営業部に関係のない業務を振られることになりました。

詳しいことは書けませんが、
•営業部で行えば工数換算されずにPL上利益が出ているように見える点
•部門長の中でも最年少の私が1番コントロールしやすかった点
•裏で役員が○○していた点
などがあり、何度かエスカレーションを起こしましたが、聞き入れてもらえず、会社員としてやらないといけないことと、自分がやりたいことのギャップに苦しむようになっていきました。

ただ、新卒時代から様々な経験をさせて頂けている環境に感謝しており、会社員として与えられた業務を全うしていました。

ただ、やりたくない仕事•やるべきではない仕事を行うこと自体は耐えられましたが、役員から夜中の2時に業務のことで電話があり、深夜に会社へ戻ったり、営業部なのに、部門内の半数以上が1日Excelとにらめっこするような状態が続き、部門長として、組織のあるべき姿ではないと判断し、役員への3度目のエスカレーションを行いました。

•自部門が対応する業務ではない点
•営業部なのにオフライン施策の管理ばかりで本来の稼働ができない点
•上記理由から部門内でも不満の声が出ている点

上記を伝えた際、「ごちゃごちゃうるせーなお前。お前は能力ねえんだから黙って言われたことやってろよ」と言われ、張っていた糸が切れるのを感じました。

この後、退職を決意したのを覚えています。

次の日には退職の意思を会社に伝えました。社長に何度も説得されたり、新卒時代からお世話になった上司にも説得されたりしました。

結局、1ヶ月考えて気持ちが変わらないか、時間を置いてくれと会社に言われ、1ヶ月ほど退職するかどうかの期間も与えられましたが、一度切れた糸が戻ることはなく、1ヶ月後、正式に退職の意思を伝えました。

その後も転職するならウチで子会社をやればいい、やりやすいようにするから、など有難いお言葉をもらいましたが、一度決めたことは変わらず、引き継ぎ期間も含めて半年後に退職することが決まりました。

転職活動と起業への決意

起業する人の多い会社でしたので、起業に対する憧れはありましたが、結婚して半年も経っていない点、何よりも起業におけるリスクが自分には現実的でないと思い、退職後は転職活動を行っていました。

元々、パートナーの多い部門を統括していたこともあり、有難いお話をいくつも頂きましたが、転職活動が進めば進むほどに転職へ対する不安が大きくなっていきました。

「転職して0から実力を示していく必要があるのであれば起業した方がいいのではないか」

「転職しても同じような状況になる可能性はある」

など、自分がやりたいことをやるためには、転職ではないのではないかと思うようになり、起業を意識するようになりました。

・起業するにはどのぐらいの資金が必要なのか

•どのような手続きや準備をしないといけないのか

・会社名は?場所は自宅?それとも事務所を借りるか

など、いつの間にか起業を見据えた考えと行動をしていました。

背中を押してくれる不動産会社社長

当社が創業できたのは、不動産会社社長のバックアップがあったからです。この方のバックアップがなければ、今、私は路頭に迷うか、別の会社で会社員として働いていたと思います。

当時、週に1回、私がコンサルティングをしていた不動産会社の社長に退職と引き継ぎのことを伝えました。

退職後のことを聞かれ、独立する旨を伝えた際、下記のお言葉を頂きました。

「武藤さんは25歳だっけ?若いから会社興す資金もあまりないでしょ。仕事ぶりも見ているし、Webまわりでお世話になってるから、引き継ぎはいらないですよ。武藤さんが独立した会社に仕事は全部任せるのは勿論、300万円の資金援助もしますよ」

当時、買ったばかりの外車を売り、3年目に買った高級時計も売り、起業の資金を工面していましたが、起業するにあたっての金額としては微々たるものでした。また、当時同世代の倍以上を稼いでいましたが、貯金をあまりしていなかったこともあり、資金援助の話は非常に有難いお話でした。

複数回の打ち合わせを行い、資金援助をして頂く中、全て自分の条件を呑んで頂き、会社を興すことになりました。

2期目で株の割合を自分に戻してもらうこと

経営には口出しをしないでほしいこと

今思うと経営もしたことない若造が!と怒られる生意気な発言でしたが、快く承諾して頂き、不動産会社と併設する税理士事務所、司法書士、提携する弁護士に面倒を見て頂けることになり、2018年1月5日に無事会社を登記することができました。

具体的な数字は記載しませんが、結局、多額の資金援助をして頂き、オフィスの選定や独立祝いと言ってオフィスの内装工事まで、ありとあらゆる援助をしていただき、当社は立ち上がりました。

その後、約束通りに経営権の変更をしていただき、今はIPOを目指す上で監査役として関わって頂いています。

最後に

「何かを成し遂げたい!」「世の中をよくしたい」と起業する人も多い中、私の場合は恥ずかしながら「自分のやりたいことをやるため」に起業しました。

会社経営を行っていく中、今は「ローカルビジネスのデジタルシフトを支援し、業界のスタンダードを創る」という理念をもとに経営していますが、この理念を掲げた理由は次回に書いていきたいと思います。

「行動すれば道が拓ける」という言葉の通り、私は勢いと行動、キーパーソンとの出会いがあり、行動することで起業という道を拓くことができました。

無責任なことは言えませんが、真摯にお客様に向き合っていれば、苦しい時にサポートしてくれたり、何もない状態でも行動を起こすことにより、良い方向に進むこともあります。

これから起業する方は、まずは圧倒的な行動量が重要になりますので、行動すること、足を止めないことを大切にして下さい。何よりも行動することにより、応援してくれる人に出会えることもあります。

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