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先週、プリントされたフィルム写真を持って、写真のお披露目会をした。8月と9月にフィルムカメラでマニュアル機能を使って写真を撮ってくるWSの続きだ。

ワークショップのはじめに、2ヶ月フィルムカメラで撮ってみてどうだったのか。感想を話す時間があった。そこで自分が撮った写真の情報をうっかり言ってしまった。写真はあとで誰が撮ったものかわからないように主催者の方が回収する予定だった。

他の皆さんの感想を聞いていると「カメラが重くて肩が痛くなる」「かばんにはいらない」など、カメラの大きさや重さで持ち運ぶのが億劫になったそう。わたしも大学時代に買ったデジカメNikonD5500はかさばるので持ち運ばなくなった。

「なんで写真を撮っているのか」問いにぶち当たった人もいた。どうしてその問いが浮上したのか気になった。

わたしは通り過ぎてしまう心の機微をあったものとして残しておきたいのと、写真が精神状態を測る機械、日記みたいなものになっている。気分が落ちていると心が動かなくなり、明らかに撮る枚数が減る。いつか「なんで写真を撮るのか」問う日が来るのだろうか。

「2ヶ月で36枚なんてすぐ撮り終わる」と思っていたけれど、GRに慣れているせいなのか、出かけた先にフィルムを持ち歩いても、GRで撮ってフィルムでは撮らないこともあった。

フィルムを現像してデータを見たら、思ったよりも情緒的な感じがのっかり過ぎて、感情が剥き出しすぎないか?と思った。色が濃いからそう感じたのかもしれない。別のフィルムだと感じないのか試してみたい。鑑賞会では「昭和っぽさがある」と言われ確かにと思って笑った。

8名の写真を観て回ると、お子さん、友人、旦那さん、職場の人、街中、などなど。フィルムだと撮る枚数が限られているから、より好きなものが顕著に現れている。写真を撮る距離感で、撮った相手と親しいのか、そうでないのか鑑賞者には伝わる。意外とスナップのような写真を撮る人が少ないのには驚いた。

WSは肩書きや社会的属性の紹介はせずに行われた。WSに参加した理由以外、皆さんのことはほぼ知らない状態だ。肩書きで人を判断しない上でとても心地の良い時間だったのと同時に、もう少し相手のことを事前に知りたいなとも思った。

フィルムを撮って現像するだけで、フィルム代含め3000円〜4000円もするからおそろしい。貴族の遊びだ。たくさんは撮れないけど、一本のフィルムを時間をかけて撮り続けてみるのもいいなと思った。

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