飲酒

大学で講義を受けて
校舎を飛び出すともう真っ暗。

そんなときは友人たちと駒場東大前に飲みに行きたいが
クラスメイトのほとんどが未成年だ。

ああ、どうして君たちは未成年なんだ!

そういうわけでお酒を飲む機会がとんと減った。

しかし、8月も終わりになると
1浪たちが誕生日を迎えてクラス内の20歳が増えてくる。

もう5人もいる。

夏休みだし、滅多に会わないから
予定を合わせてぼくの家で飲むことにした。

地方巡業でもらってきた黒龍や天美、クラフトビールを飲んでもらおう。

食事も用意して、お酒にあててもらおう。

冷蔵庫は勝手に開けて好きに飲んでいいし
テラスに出てもいいし
上げ膳据え膳で楽しんでもらおう。


3時間という短い時間だったけれど
十分に話せた。

1浪までの道のり
学校内の異性に向ける眼差し
中国情勢、気候変動
3年生から進む学部について
彼らの知見がきっとぼくの役に立つだろう。


参加者4人で日本酒を16合も開けて
ビールも4本空にして
気づいたら家中の酒がなかった。

困った。

明日から飲むものがない。

またこつこついい酒を見つけて買い溜めなければならない。後半は味わいなど感じなかっただろう。


ひとりは家に帰ったときには酔い潰れて
その友人から酩酊状態を写した写真が送られてきたし
もう一人はさつまいも色の財布を無くしたらしい。


ぼくもみんなが帰ってすぐ意識を失い
10時間も寝てしまった。


あの素敵な日本酒を舌が痺れた状態で飲むなんて
不合理だ

角とかジムビームとか黒霧島で十分だった。
大学生なんて酔えればなんでもいいのだ。

次はちゃんと準備して、みんなを待ち構えるつもりだ。

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