見出し画像

〔#056〕 松下幸之助 翁の想いに触れる(4)

 昨年より、東京五輪に関する汚職事件が世間を騒がせているが、ここで事件
のことを批判するつもりはない。
 昨今、日本を代表する大手企業による不祥事が後を絶たない。売上や利益を
不健全に追求した結果ともいえる。
 こんな時だからこそ、松下幸之助先生の『企業は社会の公器』という言葉に
耳を傾けることが必要だと感じる。

企業は社会の公器

 一般に企業の目的は利益の追求にあると言われる。たしかに利益は健全な事業運営を行う上で欠かすことができない。しかし、それ自体が究極の目的かというと、そうではない。根本はその事業を通じて共同生活の向上をはかることであって、その根本の使命を遂行していく上で利益がたいせつになってくるのである。
 そういう意味で、事業経営は本質的には私の事ではなく、公事であり、企業は社会の公器なのである。だから、たとえ個人企業であろうと、私の立場で考えるのではなく、常に共同生活にプラスになるかマイナスになるかという観点からものを考え、判断しなければならないと思う。

出典『実践経営哲学』

 読み返してみると、企業だけではなく、私たち個人も真剣に耳を傾けること
も大切だと言える。不祥事を起こした企業や個人を批判したり、叱責する前に、松下幸之助先生の上述のお言葉を噛みしめて、自らも律することが大切ですね。
 『企業は社会の公器』に想いを馳せ、『理念と利益』を矛盾なく追求することが重要なんだよ、と教えて頂いていると感じます。

 本日もお読み頂きありがとうございます。皆さまに何らかの気づき、学びが
得られたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?