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ジェンダーロールを飛び降りたい症候群4

当方、職場では中性的な女性という枠でリーダー職しております。
ジェンダーロール…いわゆる性的役割から飛び降りたいって気持ちは、別にミソジニーと関係ない。と思っているのだが、これがなかなか伝わらない。
そんな私が仕事中に気づいたこと。

 職場でアラフォー社員君に真面目な顔で聞かれたことがある。
「かむいんさんて自分独身なのに年末年始の繁忙期とか家庭のあるパートさんたちの休みを優先してあげるの何故ですか?」
 これを聞かれた時、おや?っと思ったんですよね。
「私は一人暮らしだから適当でいいけど、毎日毎食家族の分の健康的な料理作って掃除洗濯してから仕事に来たら絶対倒れると思う。親戚が集まる年末年始や連休ならなおさらでしょ。家事した後に出勤して夜勤してるパートさんたちは凄いんだよ…!
 と力説したら社員君自身も「パートさんすげぇな…」って再認識してたんだけど、この話の根底にあるのは「主婦のパートさんは忙しい時に限って仕事休もうとする! ずるい!」という無意識のミソジニーだと私は思う。
「そういや、かむいんさんてパートさんに優しくても男に厳しい訳でも無いっすね。いや、以前の職場とかめっちゃ男にキツイ女性が多かったので…」
 ここらへん社員君の今までの経験からくるものなのだが、どうも「男に優しい女性は女性に厳しい」「女性に優しい女性は男にはやたら厳しい」という極端な刷り込みが完了しており、そこから外れてる私という存在が不思議で仕方ないといった感じである。
「うーん? 自分ではこれぐらいが普通だと思うんだけど。仕事仲間なんだし、わざわざ敵味方に分けるほうが面倒くさくない?
「そういうもんですか?」
「そうそう、敵はなるだけ少ないほうが仕事もスムーズに進むでしょ。あ、でも新管理職がやらかした時は流石に怒る」
「それは俺でも怒りますw」
「むしろ、最近は社員君が先に怒ってくれるから私は「慌てなくて大丈夫ですから、ちゃんと確認して報告くださいね」ぐらいしか言ってないw」

 私としては、男と女の中間でいたいということは、中立の視点で生活することであって、どちらかの敵に回ることではないのですよ。

 職場の男リーダー(アラフォー)の若い男子への当たりがキツくて気になるとパートさんたちから苦言があり、やんわり注意しても伝わらずどうしたもんかと思ってたところ、会社の規範教育で「パワハラ、モラハラ、セクハラは法律で禁止されました」と言う話があった後は「それパワハラになっちゃうよ〜」で伝わるの、めっちゃ楽! すごい楽!
 規範教育受けてる時は、こんな当たり前の事を改めて…とか思ったんだけど、その「当たり前の事」「改めて」がめっちゃ大事なんだなって思いました。
 いわゆる昭和的なノリの男リーダーには全く悪気が無いのもわかるんだけど、自分の子どもと同じくらいの男の子たちが理不尽に怒鳴られてるのを見せられるパートさんたちは気が気じゃなかっただろうし。やはりこれからの時代は年重の方からの意識アップデートが必要なのかもしれない。

 規範教育にはセクハラの話もありました。パートさんの素朴な疑問。
「この会社、セクハラとかあるんですかね?」
「新潟では無いと思いますけど、以前関東の方で若いバイト女子に「今日も胸が大きいね!」とセクハラして左遷された管理職は居ましたね」
「うわ……そういう人も居たんだ……」
「でも、ちゃんと会社で対処してくれるんですね」
「バイトの子がもう辞めたいってトイレで泣いてました!と本部長にセクハラ報告上げたら「アイツ馬鹿じゃないのか!?」って凄い怒ってくれて、それからすぐの辞令発動でしたね。これで駄目ならエリア統括に報告上げるところでした」

 春に入った新しいパートさんもだいぶ仕事に慣れてきました。
「気になる事があれば遠慮なく聞いてくれて大丈夫ですからね。あと、何か…社員や管理監督職に言いづらい事があった時は、こっそり私に言って貰えれば」
 それを聞きつけたパートさんたち。
「そうそう、困った時はかむいんさんに相談するのが一番! 仕事も色々知ってるし、どんなトラブルでも丸く納めてくれるからね!
「関西から来たセンター長が社員を怒鳴る声が怖いねって話をしてたら、ミーティングの時にセンター長に直接「新潟のパートさんたちは関西弁に慣れてませんので大声はびっくりしちゃうんです。もう少しだけボリューム下げていただけませんか?」って言ってくれて凄く嬉しかった!」
「あれは流石に私じゃないと言えないかと思って」
「それ……大丈夫だったんですか?」
「大丈夫、大丈夫。ただの「お願い」で悪口言ったわけじゃないから。センター長もちゃんとわかってくれましたよ」
「あれ以来、センター長あんまり怒鳴らなくなったもんね!」

 職場の休憩時間、後輩君からこっそり相談を受ける。
「僕、ヒゲが濃くて仕事前に剃っても仕事中に青くなっちゃうんですが、女性からみたらこういうの気持ち悪いですかね……?」
「後輩君は清潔感あるし、臭くないし、気持ち悪くは無いと思うよ?」
「でも、青いのが気になってしまって…」
「多分、後輩君はもともと色白だから剃り跡が目立つだけだと思う。色黒だと目立たないんだけど、あんまり日焼けしないタイプでしょ?」
「赤くなるだけでほとんど焼けないですね…」
「それはもう体質だからねぇ…。どうしても気になるなら思い切ってヒゲを伸ばしてしまうのも手だし、剃り跡隠しにメンズ用のBBクリームとか塗る方法もあるよ。最近はコンビニでも売ってるからね」
「ヒゲ伸ばしちゃうんですか…!?」
「青く見えるのは皮膚の下のヒゲが透けて見えるからで、伸ばすと肌が隠れて青く見えないんだよ。でも、青じょりはそこまで気にしなくて大丈夫、パートさんたちも気持ち悪いとか思ってないよ。それは私が保証する!
「ちょっと安心しました…」

 後日、やはり悩み顔の後輩君から相談を受ける。
「僕……緊張してしまって女の人とうまく話せないんです……」
「いやそれ、かむいんさんに言っちゃうのかよ」
私が答える前に社員君が突っ込んだ。
「かむいんさんの場合ちょっと緊張はするんですが、同時に安心もするというか……」
「ああ、わかるわかるw 私の区分は女の人というよりオタク仲間が先に来てるんだよね。私と話せるなら多分大丈夫だから安心して。あと、うちの職場のパートさんたちみんな優しいから少しずつ慣れていけばいいよ」
ちょっとホッとした感じの後輩君をみながら、社員君が呟く。
「なんつーか…かむいんさんて不思議な人ですよね。サバサバ系女子ともちょっと違うし」
「アレじゃろ? 社員君が言うサバサバ系女子ってキツイことでも遠慮なくズバズバ言うやつじゃろ?」
「ああ、それです…」
「まあ、そういう人も居るには居るけどね。若い子ならともかく、40代でそれやったらただの嫌な人になるからさ……」
 少し遅れて休憩に来た同僚君曰く。
「かむいんさんはサバサバと言うより、あっさり優しい感じなんですよね」
「和風だしかな?」

 これからも、あっさり和風だし風味で歳取って行きたいと思います!

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