12泊13日の東インド・ウエストベンガル~いまどきムスリムA氏の実家の食卓2
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ベジ豪華版。でも夜は。
翌日(ウエストベンガル上陸3日目)のお昼、Rさんが目を細めながら釜戸に向っていました。現在の外気温41℃。Iphoneを見ると今日の予想最高気温は42℃で「熱波警報」なる言葉が書かれています。
この辺りのイスラム系のお家はみんなそうらしいのですが、家の中のキッチンとは別に離れに釜戸があるらしく、熱波化?が著しい昨今はその離れのみならず、離れへ行くまでの数mを歩くだけでも暑いのだそうです。そこで一昨年A氏が同じ家の中にこの釜戸室をこしらえたのだと。
Rさんに聞くと、これがとても快適で、この釜戸の前こそが自分の居場所だと言いました。僕は煤で目を開けるのがやっとの状況ですが。
今料理しているのは「カグヂャチョチョリと言ってドライカレーのようなもの。サブジと似てると言う人がいるけど少し違う」とA氏。
オクラを長さ3センチほど縦4等分に、ドラムスティックを長さ10センチほど縦半分に切ります。そして鍋にマスタードオイルを入れ、パンチポロン、フレッシュチリのカット、たっぷりのタマネギの薄切り、ジンジャー・ガーリックのペーストを入れ、小魚ひとつまみ、ターメリック少々、塩を加えてよく混ぜます。しばらく炒めたら上面をぺんぺんと平たくして、え?そのまま放置。
そしてRさんはキッチンへ行ってしまいました。釜戸の火の原料は裏庭の枯れ木や葉。焦げないのかと心配な僕の額に汗が吹き出します。
しばらくしてRさんは戻ってきました。そして鍋を火からおろし、次はジャックフルーツのカレーを作ります。ジャックフルーツやドラムスティックはあちこちに生息していてA氏のお宅の庭にも何本もありました。が庭のそれは成長し過ぎてしまいおいしくないそうで。今回は双方共市場で買ってきたものです。
ジャックフルーツは3,4センチのぶつ切り、他にナスは短冊切り、ジャガイモをぶつ切り、そしてタマネギはみじん切り。まずナスとジャガイモを炒め、一度取り出し、次はジャックフルーツを炒め、これもまた取り出しておきます。
鍋にマスタードオイルを入れ、ベイリーフとクミンを入れ、ガーリック、ジンジャー、煮ておいたダルを加えて沸いたらターメリックとトウガラシ、塩を入れる。仕上げに炒めておいた野菜を入れて出来上がり。「これをキッチャルと言います」(A氏)
さらにイエロームングとレッドレンティルのシンプルなダルスープ。そしてギマという植物の葉とジャガイモの炒め物(ギマチョチョリ)。これは初期の風邪や咳に効くと言い伝えられるものです。一昨日からお二人の愛息Aラーム君がどうやら風邪っぽいとのことでこの一品が加わりました。
昨日のウエルカムビーフに対し、今日は豪華版ベジ。あ、そうそう、ここで言っておかなければいけないのは、東インド、少なくともウエストベンガル州で魚食はノンベジ扱いではない、という概念なのだそうです。魚を食べるがタマネギやニンニクを食べなければベジと言える、という考え方もあるとか。
インドのベジの形態はすごく複雑で、大別すると4種類あると言われ、それがピュアベジ、ラクトベジ、オボベジ、フィッシュベジ。前者からニンニクやタマネギ、イモなど根菜すら食べないスタイル、次が乳製品はとるスタイル、そして卵はオーケーのスタイル、最後が魚はOKのスタイル。
これは宗教を通じて戒律があったり、家伝だったり、好みだったり、そのスタイルの理由も様々なようです。ま、難しいことはまたの機会にするとしましょう。
夜はA氏のおかあさんとお姉さんのお宅にお邪魔して、甘いミルクと麺のパエシュ(パヤサムとも言う)と茹で卵とデーツをご馳走になり、それで火がついたのかA氏が「今日は週一度の市場フェス!もう家のごはん食べなくていいから市場のおいしいmpんを楽しみましょう」と言って連れて行ってくれて、べらぼうにおいしいタンドリーチキンを食べ、その後、A氏いきつけの店でカティロールを食べ、二人とも腹パンパン。
ロールについては動画を作りましたのでよろしければご覧ください。タンドリーチキンも撮影しているので近日中にアップデートします。
家に帰り、なんだか気まずい感じ。Rさん、絶対なんか作っていたはず。僕はゆっくりとベッドに入りましたとさ。
ほな。
つづく
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