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You speak sports now.

 ドラマは語学の勉強にうってつけだ。特に小中学校や家庭が舞台になっているものを見るようにしている。大人が外で話す言葉には触れる機会があるが、子供が日常のなかで身につける語彙や言い回しは普段の生活では出会いづらい。ネットフリックスやフールーで日夜ドラマを見て幼少期を英語圏で過ごさなかったために生じた欠落を補完している。
 最近はYoung Sheldonにはまっている。1日に何話もbinge-watch(まとめ見)することも珍しくない。有名なシチュエーションコメディBig Bang Theoryのスピンオフで、主人公シェルドンの幼年時代を描く。日常生活で使う表現が満載でとても勉強になる。一回20分というのもいい。ちょっとした空き時間に気軽に取り組める。今日も興味深い表現に出会った。

Really? You speak sports now?”

"Young Sheldon," Season 3, Episode 15

シェルドンの祖母カーニーがバーで友人と談笑していたところ、たまたま居合わせた元ボーイフレンドのジョンが会話に加わる。ジョンがスポーツの話題を持ち出したときにカーニーが言ったのが引用の言葉。いままでスポーツに関心があるそぶりなど見せなかったジョンの発言に対する驚きを表している。「スポーツついて話す」ならtalk about sportsやspeak of sportsという方が普通だが、ここでは前置詞がなくspeakの直後に名詞sportsが置かれている。不思議に思ってネイティブスピーカーの友人に聞いてみた。
 Speak sportsというのは耳慣れない表現で、ある種のスラング、あるいはジョークだという。John speaks French(ジョンはフランス語を話します)のように言語を目的語にとるspeakの他動詞用法の形を借りて、sportsを言語に擬した表現ではないかとのことだ。sportsは固有の語彙や言い回しがあるから、一つの言語みたいなものだということなのだろう。面白い言い方だ。

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