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ALUMNI STORY MI-6株式会社南部 洋志(工学研究科卒) さん

東北大学の出身者や関係者でスタートアップ界隈で活躍されている方、そして官公庁や大手企業などにいるこれから東北大発のスタートアップに関わっていきたいと思われているOBOGの方々をご紹介する「東北大学スタートアップアルムナイ100人カイギ」このイベントで収録された東北大学OBOGの講演内容を「ALUMNI STORY」として記事化してお送り致します。
※東北大学スタートアップアルムナイの詳細についてはコチラをご覧下さい。


自己紹介:お酒が大好きで、座右の銘は「Keep walking」

※こちらの収録は2023年2月に行われたものです
南部洋志です。よろしくお願いします。私は、本日登壇されている阿部さんと同級生で、阿部さんが所属されていたアメフト部HORNETSの隣の隣のブースにあるESSに所属してました。阿部さんが筋トレしている横で、お酒を飲んできたというような、学生生活を送っていました。
僕はお酒を飲むことが結構好きで、座右の銘は「Keep walking」で、ジョニーウォーカーのスローガンを座右の銘にしています。ざっくりとした紹介はここまでで、ここから先で詳しいことをお話しさせていただければと思います。

座右の銘はジョニーウォーカーのスローガンでもある「Keep walking」

大学入学前:長崎県の離島である壱岐島で育ち、高校ではバレーボールのインターハイに出場


私は大学に入るまで、長崎県の壱岐島という離島で育ちました。3歳から高校を卒業するまで、育った形になります。のんびりしたような島だったので、周りから愛情を受けて、 伸び伸びと育ちました。そういう田舎にいながら思ったこととして、やりたいことを決めて頑張れば、結果はついてくるということが、私の人生の中でありました。
例えば、スライドの中に新聞の切り抜きがあるのですが、幼馴染たちと一緒に中学時代からバレーボールをやっていて、高校3年生の時に、長崎で優勝して、インターハイに出場しました。普通、離島の高校が出るということもないし、中学生の頃から強かったのですが、全国の舞台には届かなかった中で、みんなで最後まで頑張ったら行けちゃいました、という、頑張ればできるということは、離島の小さな生活の中でも感じ取ることができました。

高校時代も島の高校で、島の高校の中でも、高校1年生の時は、大学に進学するような人がいない普通のクラスに入っていました。ただ、大学で理系に行って研究してみたいなと思うようになり、そこから勉強することによって、東北大学に行くことができました。1発で結果が上手くいくことはないかもしれないけれど、諦めずに粘れば、 自分が願ったこと、100%じゃないけれども、何かしら結果が付いてくるなあ、と感じた少年時代でした。

長崎県の離島である壱岐島で、愛情を受けながら育った

大学入学後:遊びまくった大学・大学院時代

大学に入ってからは、離島に今まで住んでいたので、色んなものから解放されて、一人暮らしになって、仙台に行くと楽しいことだらけなので、 正直、あまり学校に行かずに遊びまくっていました。そんな中で、私の大学の研究は材料系で、 窒化ガリウムという、青色発光ダイオード(LED)とかに使われる材料の研究開発をしていました。

離島から東北へ、解放されて遊びまくった大学・大学院時代

就職活動時:特に何も考えずに、先生の共同研究先である会社へ

就職も特に考えずに、先生が共同研究しているところを就職先に選びました。大して面接もせずに、教務課の前にある紙に名前を書いたら最後面接ですということで、実は就職活動はちゃんとやっていません。しかも、当時はスタートアップという言葉もよくわからずでした。

現在の仕事内容:日系メーカーから、コンサルを経て、スタートアップへ

社会人になって、最初に入った会社は、RICOHというコピー機の会社です。仙台にある研究所に配属になりました。 ここでは、窒化ガリウムという材料の基板基盤を作っていて、研究者としてやっていたこととしては、本当に大学と同じことだったのですが、ちょうどその頃、日本人の方々がこの分野でノーベル賞を受賞されていて、そのノーベル賞を取った先生のうちの1人が、国のNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトリーダーをされていて、そこにチームとして入りました。

私は、2007年入社だったので、入社直後にリーマンショックが起きました。ちょうどその時からスタートアップに興味を持ち出しまして、スタートアップに興味を持ったきっかけとして、うちの父親が当時、東証一部上場企業の取締役をやっていて、あまりそんなことは知らなかったのですが、たまたまRICOHの秘書室の同期が「南部くんのお父さんってこういう名前の人?」と聞いてきて、日経新聞に役員になったかなんかで名前が載ってたらしく、父がサラリーマンとしてこんなポジションにいるんだっていうことを知りました。
もちろん仕事は知っていたのですが、そういう役割まで行っていたということはあまり知らなくて、単純にすごいなあと思いました。父親は当時50歳ぐらいだったのですが、50代で上場企業の取締役になるんだったら、じゃあ自分は40代ぐらいでならないといけないんじゃないか?みたいなことを思った時に、普通にRICOHにいたら無理だなと思って、そうなった時に、スタートアップというものがあるんだと知って、興味を持ち出したというところが、スタートアップを知るきっかけでした。

ただ当時は、リーマンショックの真っ只中だったので、第二新卒市場は全くクローズしていて、まずは研究者から違う部門に行くことがいいんじゃないかということで、震災の後に、RICOHの中の新規事業の戦略部門に異動しました。そこでウェブ会議システムやプロジェクター等の事業戦略や技術戦略を策定する部署に異動しました。
数年経験を積んだ後にスタートアップに行こうと思って 面接を受けたのですが、ひたすら落ちまくりました。その当時はスタートアップは、そんなにBizDevの人はあまり採用していなくて、大体マッキンゼーの人を採用しますというような状況だったので、なかなか日系のメーカーから、スタートアップのBizDevというのは難しいような状況で、何をすればいいかと考えて、コンサルティングファームに行けばいいやとなり、コンサルティングファームに行きました。

コンサルティングファームでは、2社経験しまして、Kearney(A.T.カーニー株式会社)と、GLOBISでもコンサル部門で経験をして、ここでビジネスパーソンとして、今まで身につけていなかったようなベーススキルを強化したり、プロフェッショナルとは何かみたいなことを、すごく学ぶことができました。その数年は、すごくハードワークをして、自分のスキルがベースアップできたなという実感があったので、この先は本当にスタートアップに挑戦しようというところで、当時10人未満だったコンサルティングファームのスタートアップに転職しました。

Kearneyと、GLOBISのコンサル部門を経験

ここのコンサルティングファームは、今は電通に買収されていて、300人ぐらいいるのですが、そこの会社の新規事業を立ち上げろとミッションを与えられていました。そこで、新規事業を立ち上げて、子会社の社長に就任して、外部から2億円の資金を調達しました。アクセラも結構採用されたのですが、事業はうまく進捗せずに、会社を解散させることになりました。普通の子会社では経験できないことも経験して、当時はすごく大変だったのですが、今になって思うと、生きてるから、まあどうにかなるなということもありますが、この時と同じ経験をしたいかと思うとしたくはないと思います(笑) ただ、失敗した経験が、今の会社にすごく生きていると思います。

スタートアップのコンサルティングファームの子会社の社長に就任

いまは、MI-6(エムアイシックス)という会社にいて、MI-6は何をしているかというと、材料の研究開発にデータサイエンスを活用して、例えば、これまでになかったような新規材料を見つけたりとか、研究開発の期間を短縮するというような、サービスを提供しています。
MI-6には3年前の4月に、6人目7人目8人目ぐらいのタイミングで、役員ではなくて平社員としてジョインしました。ちなみに今は40人いるフェーズになりました。やったこととしては、SaaS事業をゼロから立ち上げたような形で、事業開発もやりましたし、プロダクトマネージャーをマネジメントするようなチームにもいました。 入社して1年でSaaS事業の事業部長になって、1.5年で執行役員になっています。

スライドに貼ってあるように、日本の名だたる企業に導入してもらえているような状況になっています。一応この分野では、規模としても一番大きくなってきたのかなと思いますし、会社自体も売り上げは順調にある程度成長していって、ちょうどこれを記事化する頃には、シリーズAの調達をプレスリリースをするような形で(2023年5月10日にリリース済)、今あまり市況は良くないのですが、いいベンチャーキャピタルと既存投資家からもフォローしていただいているというような形になります。いま私自身は、SaaS事業からちょっと外れて、経営企画とマーケティングを管掌しており、新しいことにもチャレンジをしているような形です。

現在は、マテリアルズインフォマティクスのスタートアップで執行役員を務める

今後貢献していきたいこと:素材産業全体を伸ばしていきたい!

最後に、スタートアップで今後挑戦したいこと、今後貢献したいこととしては、あまり個人的なことの野望というよりかは、単純に今、自分がやってるビジネスの業界、日本は素材産業がめちゃくちゃ強いので、その事業をすごく伸ばしていきたいなと思っています。

あとはこれまでもそうだったのですが、自分の役割を限定せずに、各フェーズによって新しい変化というものを楽しんでいきたいなと思います。いま能力がなかったとしても、ある程度スタンスが正しければ、能力って後からついてくるんじゃないかな、というのは、これまでの経験の中で感じています。そしてこれが一番 大切だなと思うのですが、正しい野心を持った人材でいたい、ということで、たまに自分の成功が一番みたいな人がいると思いますが、スタートアップでうまくいくためには、会社の勝利をまず第一優先にして、その上で副産物として自分の成功を目指すというところがあるかなと思っています。
いま、外部環境は必ずしも追い風ではなくて、逆風の時期というのもあるかもしれないのですが、スタートアップが粘り続けるということも非常に重要だと思うので、どういう変化があったとしても、しっかりと粘り続けたいなと思っています。

最後は、もう僕も40歳になったので、これまでお世話になった人たちにしっかりと貢献していきたいです。これは、東北大学にしても、スタートアップにしても、素材業界にもしっかりと貢献していくような、40代になりたいなと思っています。以上になります。ありがとうございました。

スタートアップでは、正しい野心をもった人材であることが重要

事務局より:南部さんは現在株式会社スカイディスクにご転職され次のチャレンジをされています。現在の南部さんの活動はぜひX(Twitter)をチェックしてください。

南部さんのX(Twitter)のリンクはコチラ

[東北大学スタートアップアルムナイ-コミュニティについて]

「東北大学スタートアップアルムナイ」コミュニティは、ハッカズーク社提供の「https://official-alumni.com/」を活用し、有志が運営しております。

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