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財布と記憶と人生

4月、23歳の誕生日祝い。
母からもらった、"妹と色違いのお財布"を卒業。

両親がランドセルを買ってくれたお店で、今度は自分で自分のお財布を買った。

ランドセルに足が生えたかのようなあの頃からもう16年が経って、今ではいっちょまえに自分のお給料でイイお財布を買っている。

どんな風合いのお財布になるのだろう。
使い込んでいくこれからが楽しみな一方で、自分が一体どんな歳の取り方をしていくのかという将来が気になっている。

未来が過去の積み重ねだと言うのなら、それを体現するようなお財布になるのだろう。

購入先のお店はお財布の修理も請け負っている。
だからいつか修理が必要になったときは、必要な部分だけを直していきながら、大切に長く使いたい。

自分の人生も、付けてしまった傷は消せなくても、修正しながら、大切に長く生きたい。

とまぁ財布に込める想いは人それぞれで、財布と人生を掛けて考える人がここに一人いる。

一方その頃、私より一足早くお揃いのお財布を卒業した妹は、一目惚れしたお財布をいつの間にか颯爽と使いこなしている。
その一目惚れしたお財布を誕生日プレゼントとして買ってあげたときの妹の喜んだ顔といったら、忘れられない。

こうして私は財布を見るたびに「モノと記憶は繋がっているのかもしれない」と感じてしまう。

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