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令和五年十二月一日 第八回『稽古風景』於・落語協会二階

誰も覚えてないでしょうけども、第七回『稽古風景』のぶつくさで書いた通り、
今回は会の雰囲気作りに挑戦しました。
毎回金曜の夜開催で仕事終わりの人も多いので、落ち着けるように蛍光灯は全部消して、客席は薄暗くして暖色の高座灯りだけ残し、会場中はジャズを流してみました。
今まで味気ない会でしたが実にムーディー。
落ち着き過ぎて笑えなくなるなんてこともなかったし特に手間もかからないので、今後はこれでいこうかな。

◎くしゃみ講釈
『土産噺』で上手くいかなかった講釈をちゃんとやりました。
そしたら今度は、ちゃんとできていた部分を色々間違えました。

全体的に『今度は間違えないように』を強く思いすぎて小さくまとまった気がします。
間違えてもいいから自由に喋る方が人間味があっていい気がしました。
この辺は聴く方も好みが分かれそうですね。
まぁ、もっと稽古しないと。

◎書き置き違い(書置違い)
本当は【ふたなり】という演目です。
【ふたなり】とそのままSNSに書くと、広告が変なものになったり変なアカウントにフォローされたりするので、発信しやすいように配慮して、私は別題の【書き置き違い】でやってます。(【書置違い】が正しいかも)

それにしても陰惨な噺。
志ん生師匠のはそんな風に聴こえないんですけどね。(フニャフニャしてるから?)
古い言葉やくすぐりがなんとなく暗さに繋がる気がするので、色々言葉を削ったり要素を足したりして陰惨さを薄めてみました。
もっと現代的なやりとりを入れるとより薄まる気がします。

思い付きで弄り過ぎて、言葉が出なかったり間が変になったり。

◎味噌豆
あらすじだけ入ってればほぼアドリブでもいけるんじゃないか、という【味噌豆】。
1年ぶりにやってみました。
自由に言葉を足しつつも、教えてくれた師匠のこだわりと大事な点を残しながらやりました。
5〜6分の噺なので、なんとか10分にしたい。
枕や小噺で延ばさないのが理想的。

◎死神
最近よくやる【死神】。
初めての場所だとか落語を聴きなれてない人が多い時はこれですね。
今回はあまり復習せずにやってみました。

呪文でふざける事もなく正統派で真っ直ぐやっていたんですが、ついサゲで出しちゃいましたよね。
【くしゃみ講釈】のとんがらしを炙る男を。
やっている最中に「サゲもくしゃみかー」なんて考えていたら、どうしても我慢できなくなってしまいました。
破壊衝動のような。

やる度に何か掴めそうな気がしてます。

死神は瞬きしないイメージがあって、しないように心がけてますが、この時期だからなのか目が乾きます。

しかし寿命を入れ替えるという……これ主人公の男も可哀想ですが、入れ替えられて寿命が伸びた大店の主人も可哀想ですよね。
平均寿命がそんなに高くない時代に自分だけが100歳を超えても生きているなんてことになるかもしれません。

噺がムーディーな会場の雰囲気と合っていて良かった気がします。


さて、今年から始まった稽古風景ですが、来年からリニューアルしようと思ってます。
もっと自由にやります。
次回は1/12。
タイトルは未定です。
ぶつくさ。

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