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プログラマーと作家 : 2022-09-05..11 のふりかえり

プログラマーと作家

プログラミングと小説執筆を比較していこうと思う。小説創作のトレーニングについて考えたのがきっかけ。プログラミングやソフトウェア開発との対比で考えてみることにした。私にとっては、それがいちばん分かりやすいし、比較しやすいし、類似性を見つけやすいと思ったから。

素振り

プログラマーが「素振りをする」という言い方をする。目の前の仕事には不要だけれど、将来のために知らない技術や方法論を学び、使ってみるような行為を指す。ただ、ただ野球の素振りとはちょっと違うと思う。

プログラマーの素振りは、チュートリアルをやってみて、ドキュメントを詳しくみて、ガイドが載っててそれを試したりする。あるいは、それから自分が想定した課題に、その技術を当てはめてみる。たいていうまくいかない。メンタルモデルがずれているから、考えていることとテクノロジーが1対1で対応しない。だからドキュメントを読み直し、リファレンスを読み、実際にためし、必要ならソースコードを読み、またトライする。

すると何ができるようになるか。仕事で必要になったとき、そのテクノロジーの利用を、短時間でまっとうに評価できる。どのように使えるか、使えないかが、ある程度分かっているからだ。

だから野球の素振りよりも、もう少し広く深いトレーニングだと思う。野球やったことないけど。同じコースに投げてもらって・マシーンに投げさせて打ってみるとか、ピンポイントで筋トレやファンクショナルトレーニングをするとか、打法のビデオを見るとかのコンビネーションに近いと思う。

もうひとつ。プログラミングと小説の執筆が似ていると思うのは、比較的やり直しがきくことがある。初手のしくじりが負けや失敗を決定するわけではない、という意味で、生演奏や格闘技の試合とは異なる。ただし、初手の間違いに気づかずに続けると、プログラムも小説もあとでひどいことになる。

SF創作講座 実作

ビートを書き始めたのだけど、なんかしっくりこない。いちど、シークエンスレベルまで戻って、やり直し。さらに遅れる。

一旦実作は忘れる。梗概にフォーカスすることにする。

SF創作講座梗概と感想会

構成を見直し。感想会用にまとめるのは、土曜日に2時間くらいと見積もっていたけど、結局 5時間かかった。は?

感想会は邸さんがリードしてくれた。ありがとう。

いつもストレートに話が進みすぎるところを、今回は少しだけひねる構成にした。そこは効果があったと受け取られたと思う。

一方で設定を盛りすぎている感があるので、そのあたりで、読みにくさや必然性のくずれにつながっているような気がする。

 評価領域と評価軸

感想会では、基本的に「私はこのように読み、理解しました、このような印象をもちました」と伝えるようにしている。提案やアドバイスはできるだけしない。 「ストレートに話が進むので先が読める。たとえば、ここでひねると、それがなくなるかも」くらいに留めるようにしている。たまにしくじるけど。

イリザリーの「みんなではじめるデザイン批評」で紹介されていた考え方をベースにしている。

とはいえ、自分も提出者側なので、自分が気をつけているポイントで見てしまう。ソフトウェア開発でも、どのような観点でレビューするか、は重要だ。何を課題にしているのか、どう解決したのか、それは課題を解決するのか、と。

梗概を読むとき、あるいは自分で書いたものを見直すとき、

領域  : 設定、構成、表現

軸 : 意外性、必然性

で評価している。その評価が大森望と一致すると、なおいい。

設定は、(1) どのような世界・社会で、(2) 誰が何をするか。このふたつを明確に分けて考えるようになったのは、この間の藤井太洋の会で。これまでは、もうちょいべつの分け方をしていた。

意外性は、新規性だったり、組み合わせの新しさだったり、逆に敢えての古さだっったり。必然性は「その世界ならそういうことが起こるよね」「その人ならそうするよね」という納得感を生み出す要素。意外性に全振りすると不条理っぽくなるだろうし、必然性に全ふりするとドラマがないようなスケッチっぽくなる。と、考えている。

構成は、起承転結とか三幕八場とかのできごとの流れや順序。これも意外性と必然性でみる。承や二幕の前半にかけては必然性でひっぱるとか。転や、二幕の終わりに、意外性のある展開があったりすると、エンタメとしては盛り上がるんだと思う。起承転転結みたいにひねったりとか。意外性と必然性のバランスによって、物語が効果的に進むと仮定している。

梗概では表現はわかり易さが100%で考えている。

COCOA

濃厚接触通知が来た。PCR検査の結果は陰性だった。ふぅ。

ゲンロンSF創作講座における成長の測り方

梗概が選出されないのはとてもつらい。四期のとき、私は一度も選出されず、ほんと途中で挫けそうになった。そのときは大森望にポジティブに言及される、できるだけ前のほうで言及されるを目標にした。N氏(仮名)のアドバイスによる。

  • ゲスト講師は毎回変わる。つまり評価軸が変わる。フィードバックを次回作に取り入れても、活かせたかどうかを確認できない。

  • とはいえ、傾向として前のほうで言及されるようになれば、選出に近づく。

という状況がある。なので、選出だけでは、実力を測れない。いやまあ毎回選出されてたら、実力あるだろうけど。

マラソンやトライアスロンみたいなエンデュランス系の種目と同じで、トップ三位以外は負けみたいな構図になる。さらにマラソンと違って、講座ではスコアが公開されないし、されたとしても、ゲスト講師の評価軸が毎回変わる。つまり、マラソンでいうところの「タイム」が分からない。

なので成長を測れる代表値として、大森スコアと、前のほうで言及される、を見てる。でも20番目と21番目の差に一喜一憂しない。そんなのは誤差だ。40番手くらいから、30番目くらいになって、みたいな解像度で見るのが適切だと思う。

とはいえ、他の人もうまくなるので、あくまで相対的なもの。成長していても、順位は変わらないことはある。だから大森さんのコメントの内容に注意を払っている。

まとめ

原稿を書け。

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