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資産運用について考える 新NISA積立編

新NISAで一番人気の投資信託は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(通称オルカン)、次いで「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のようです。喜ばしいことです。ともに三菱UFJアセットマネジメントが運用している投資信託で、コスト(信託報酬)の低さに定評があります。他の運用会社でもオルカンの信託報酬の値下げ競争をした結果、S&P500より信託報酬が安くなりました。アメリカ株のみのS&P500より管理する銘柄数や通貨が多く新興国も含んでいますので、オルカンの方が明らかに運用及び管理の手間がかかります。いわば、オルカンは新NISAの資金を惹きつけるための販売会社、運用会社の特売品です。

オルカンで引きつけ、他の稼げる商品をついでに売りたい業者は、オルカンより儲かりそうにみえるファンドや株式の推奨をしています。
アクティブに運用するファンドマネジャーの方やビジネスで成功した著名人はオルカン投資のリスクや日本株の超成長株の魅力を伝えています。

オルカンはある意味、つまらない運用です。アメリカ株が好調の時はS&P500のパフォーマンス(運用成果)に劣ります。日本株が急騰してもオルカンの値上がりはあっても小さい。全世界平均のパフォーマンスなので、いつも上位にどこかの国の株式ファンドがいます。逆に下位にもどこかの国のファンドがいます。常に、より魅力的なファンドがありますので、様々な誘惑を受けます。誘惑に負け、一般投資家が慌てて乗り換えるころにはブームが去っているかもしれません。

私の心配は、ブームに乗ってオルカン投資をした方々が株式市場の荒波に振り落とされることです。オルカンの6割以上を占めるアメリカ株が割高と言う人も多く、最近の値上がりのほとんどが円安の効果です。短期的には値下がりリスクが高いかもしれませんが、長期的に世界経済の成長を信じられる方にとって急落時は追加投資のチャンスです。

積立投資をしている方は値上がりを素直に喜び、値下がりを安く買えるチャンスと考え、下落の恐怖や余計な誘惑に負けず継続されることを願っています。

2024年1月1日に逝去された経済評論家の山崎元さんは、「運用の三原則は長期、分散、低コスト」であり、「運用資金は全額、低コストの『全世界株式のインデックスファンド』に投資する。運用資金に回せるお金が増えたら同じものに追加投資する。お金が必要な事態が生じたら、必要なだけ部分解約してお金を使う。」と語っています。結果、持ち続け長期投資となります。お金が必要なときだけ、必要な分を現金化するだけで、「安いときに買って、高いときに売る」ではないのです。

私より少し若い山崎元さんの訃報はショックでした。今後も繰り返し、信念を伝えてほしかった。

最後に、私の資産運用ですが、新NISA積立はオルカン。ポイントを稼ぐために、eMAXIS Slimではありません。課税される特定口座の投資信託はeMAXIS SlimのS&P500がメイン。株式投資は個別日本株と海外ETF、債券は変動利付国債。不動産にも興味があるので、J-REITという不動産投資信託も保有。
過去、投資ではいろいろ失敗をしています。これらは特定の銘柄を推奨するものではありません。

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