おまえは『雷電』でダニー・トレホ戦車と戦って真の男になる
よくきたな。てふのフェイリンだ。ケツイをクリアしてからおれのシューティング熱は長らく冷めてしまっていたが、この『雷電』はおれの闘志に再び火を付けた。なぜ雷電が?それはすなわち雷電がメキシコに他ならなかったからだ。この真実に気付いたおれは急いでこの記事を書き上げ、スマッホンゲームに侵食された現代社会を目覚めさせる必要があった。
全人類は雷電をしっている
まずおまえは雷電と聞いて何を思い浮かべる?いきなり聞かれても三度笠を被ったオッサンとかサイボーグNINJAが出てくるのは無理もない。
つぎにおまえは「ふつうのシューティング」と聞いてなにを思い浮かべる?今度はピコピコした背景に戦闘機が飛んでエイリアンとかメカをZAPする画面を想像したはずだ。
これは世界中の共通認識であり、雷電はそのイメージに100%コミットしているということが完全に証明されている。つまり雷電は人類のDNAに刻まれたシューティング概念そのものだ。奇をてらっただけの腰抜けインディーシューティングとは格が違う。
「シューティングってFORTNITEのこと?」「トーホウなら知ってるよ」というやつはいますぐプレステ4かスイッチで雷電を買え。
戦車はぜんぶダニー・トレホ
雷電に出てくる敵はすべて赤い宝石が埋め込まれている。赤い宝石・・・・蛇の目・・・・・つまり奴らはタルサドゥームの手下だということがわかるはずだ。そしておまえは戦闘機ひとつでタルサドゥームの軍勢に喧嘩を売り、やつらをみなごろしにすれば真の男になれる・・・・・簡単な話だ。
プレイをはじめておまえはすぐに戦車と戦闘機がいることが分かる。そしておまえはこう思った。「あ!マリオのクリボーとノコノコだ!」
あほか。今すぐその認識を改めなければおまえはメキシコを生き残れない。
特に戦車はヤバい。戦車はとても訓練されたアサシンで、牛小屋やら背後やらから飛び出てきて正確無比にナイフを投げつけてくる。すなわちそれは全ステージにわたってたくさんのクローン・トレホ・トルーパーを相手にすることを意味する。DODONPACHIのポップコーンみたいな戦車と一緒にしている奴は全員メキシコのサボテンに刺さって死んだ。
生き残る道はただ一つ。とにかく出現位置を暗記しろ。ブチョの手下が経営するバーからサボテンの陰まで全部だ。「そんなの覚えてたら頭がばくはつするよ」とおまえは思う。だが案外覚えやすかったりする。とりあえず道路や建物があったらダニー・トレホが隠れていると思え。
そこで知ったような奴は「フムフム、つまり雷電は暗記ゲー、パターンゲーなんですね」というが、そういう奴は全員ダニー・トレホに刺されてしんだ。おまえはあくまでブチョの手下の溜まり場に目星を付けただけであって、実際に戦うときは臨機応変に戦え。パターンにこだわる頭でっかちは死ぬ。バンデラスもブチョのサルーンを探すときはグーグルマッピの案内だけで満足せず実際の戦いは己の手で切り開いていただろ。おまえもそうするのだ。そのヒリヒリした緊張感こそが戦闘をR・E・A・Lなものにし、おまえはこのゲームのメキシコを感じることになる。
防弾チョッキなしでメキシコを歩くな
おまえは果敢にタルサドゥームの軍勢に何度も立ち向かい、そのたびに「自機がおそい」「判定が大きすぎる」「アイテムがとれないよ」と泣きながらダニー・トレホのナイフに刺される。そして画面は暗転し、手前まで引き戻される・・・・・おまえはこう思った。「そんな!いままでの努力が無駄じゃないか!」
ミスして頭がビジー状態のおまえがそう思うのも仕方ない。だがこれはSEIBU KAIHATSUからの愛情だ。母LIONが我が子を崖から落とすように。practice everyday・・・・・もしその場復活にこだわるならためしに海外版をやってみろ。おまえは復活シークエンスでたちまちダニー・トレホたちに囲まれてころされてしまう。そしておまえは戻り復活が愛情だということを知ることになる。
このゲームをクリアするには愚直な努力だけが近道だ。だけどおまえはE-SPORTS選手ではなく日々のルーティーンをこなさないといけない現代人なので、雷電に悠長に付き合っている時間はない。ならば救済措置をつかえ。
科学技術が発達してから生まれたプレステ4とスイッチ版では様々な救済機能が付いている。まず開幕ランクの固定と2P側プレイ固定のオプションをつかえばダニー・トレホのナイフがだいぶ遅くなる。これは必須だ。原理は自分で調べろ。ついでに残機もMAXまで増やし、難易度もEASYにさげておけ。そして途中セーブを駆使し、やられたら何度でもやりなおせ。
どうせおまえのことだから「それじゃあゲーム本来の味が味わえないのでは?」と思うだろう。あほか。おまえに今一番必要なのはSUCCESS経験だ。SUCSESS経験はドーパミンを分泌させるし次回のプレイでよりよいVISIONを浮かべられるようなるというのは脳科学で完全に証明されている。
「EASY MODEは小学生まで」というのはタルサドゥームの手下どもの言葉なので無視しろ。よちよち歩きのおまえにはこれでもまだ足りないくらいだ。
そうでもしなければおまえは今頃このメキシコシューティングに嫌気が刺し、ユーチューブのザッピングをはじめ、100連ガチャの腰抜けスマッホンゲームにうつつを抜かす。そうこうしている内にプレステ6がリリースされ、雷電のことなどすっかり忘れる。たとえエムトゥーが再移植しようとおまえの記憶に雷電が戻ることは永遠にない。END OF MEXICO・・・・・
そうならないためにも使えるものは全部使ってタルサドゥームをたおせ。タルサドゥームをたおせばうれしい。回数をこなせばやがてセーブの回数もへり、自然とうまくなり、タルサドゥームをもっところせるのでうれしくなる。つまりはpractice everyday・・・・・
雷電はメキシコ盆栽
シューティングというジャンルはシンプルになりやすいが、裏を返せば盆栽めいて非常にミニマルな侘び寂びのジャンルだ。中でも雷電はシューティングが持つ侘び寂びに特化したタイトル、シューティング・・・あるいはゲーム本来の喜びである「撃つ・避ける」をプリミティブに味わうことができる。
ボンサイ・イクォール・ライデン。ライデン・イクォール・メキシコ・・・・・
今後ハリウッドを超えるゲームが大挙しようとダニー・トレホ戦車と戦うメキシコ盆栽のR・E・A・Lさは永遠に色褪せない。そしてクリアまでの道はメキシコのように険しい。もしおまえがこのゲームをノーコンテニュークリアできたら・・・・そのときはコロナビールで祝杯を挙げろ。
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