見出し画像

014/100「ドライカレー(スパイスカフェ)」#カレーレシピ100チャレンジ🍛

スパイスカレーのレシピ本買ったけど、全部は作らない、眺めるだけのレシピがある。何ならいつも作る自作スパイスカレーにブレイクスルーが欲しいため、この際100皿作るチャレンジ企画。

――――――――――――――

今回は世界一周後に店舗を開業した、伊藤一城さんのスパイスカフェより、ドライカレーを調理。

レシピ入手先は複数ありそうだ。
公式オンラインショップ(スパイスとレシピがセットで買える)
●Dancyu(2020年8月号、2013年6月号)
●伊藤氏の書籍「SPICE CAFEのスパイス料理―日々のおかずと、とっておきカレー

調理工程は以下で、根気強く水分を飛ばし続けることになる。そのため、出来上がり時点では、水分がほとんど飛んでいる
1.野菜類をミキサーにかける
2.それを水分を飛ばしながら炒める
3.さらに焦げ茶色になるまで炒める(1時間以上)
4.肉とスパイスを加えて炒める(30分)
簡単に解説するとこのような流れで、2は水蒸気との戦い(熱い)、3と4は焦げとの戦いだった。

自分はIHで、なべ底の薄いステンレス鍋にて調理したのだが、見事に焦がしてしまった。(大きめの鍋がそれしか無く…。)
環境にもよるだろうが、「あ、無理だこれ」と思ったら、火力を弱めるのも一考。

上記事にて、鍋について考察してみたので、何か参考になれば。

――――――――――――――

出来上がり

画像1

深く炒め続けた香味野菜は、味のベースになる。キャラメルを通り越してココナッツにも近い、深い香りと甘味、焙煎による苦味が混在する。

画像3

↓10万年後(2時間弱)

画像4

ちなみにクミン不使用。それでもカレーとして十分成立していた。スパイス使いの可能性を探るのにも役立つと思う。

だが、ネガティブな面もある。
スパイスにはクローブとブラックペッパーを多めに使う。そのため、かなり辛く、苦味が多いのだ。
また、油を多めに使うため、もたれるかもしれない。

だが、これは逆に言えば尖った料理とも言える。このまま食べるにはつらくとも、手を加えれることで魅力を引き出すことが可能なのだ。

「おいしい、おいしいが…、スプーンが…進まねえ…」となってしまった。

――――――――――――――

アレンジ

まず、ドライカレーの特徴だ。
●肉の旨味
●焙煎香味野菜の深い香りに甘味
●胡椒の辛味成分(ピぺリン)多め
●クローブの苦味成分(オイゲノールなど)多め、焙煎香味野菜の苦味
●極限の脱水調理
油分多め

そこで今回以下のように手を加えた。

野菜の旨味で構成したカレーとあいがけにすることで、更に旨味を上げる。
構成する野菜は、大阪のGharさんで提供されている、ラムキーマカレーと同じもの(パプリカ、ズッキーニ、オクラ)にした。
重くしないため、生姜のみ、すりおろしを使用。

画像5

(写真元:食べログ

●水分のなさが辛味を一層感じやすくさせるのだろうと思い、非加熱のトマトを乗せることにした。
乳製品も良さそうだが、生クリームは油分が余計なので、無脂肪ヨーグルトあたりがいいだろう。

●使用スパイスは、マスタードシード、クミン、フェンネルをホールとして、パウダーにはマスタード、フェヌグリークを使用。

基本的にクローブなどに含まれるオイゲノールは入れない。似た香りを重ねると印象が薄れるからだ。
よって、クローブ、シナモン、ローリエ、バジル、ナツメグ、オールスパイスなどは使用しないことにした。
香りは爽やかさを狙ってフェンネル少々、食欲増進にマスタードシード、整腸のためにフェヌグリークやクミンなどを。だいたい好みとインスピレーションで。

●さらに爽やかさのため、ミントを乗せた。これが口内のリセットに役立つ。
さらに余っていたのでディルも乗せる。甘味と爽やかさが混在したディルは、このカレーに非常にマッチしているように思えた。元々ディルは肉料理と相性が良いようだし。
(ディルはフェンネルと似た特性なので、どちらかを使えば良いかもしれない…が、個人的にはディルがオススメだ。)

僕の考えた最強のドライカレー

画像2

結果がこちら。いくらでも食べ進められるカレーが出来上がった。
旨味の相乗効果、辛味の緩和、香りの向上、酸味により味がしまるなど、非常に良い感じ。

手間をかけたくない場合は、角切りトマトハーブや、無脂肪ヨーグルトだけでいいだろう。

また、うどんにのせてカレーうどんにしても美味しくなった。あ、カレードリア、パスタもいいかも。
とにかく扱いやすいため、何にでもアレンジ可能だろう。

――――――――――――――

学び

さて、今回のような褐色化、どのように活用するべきか。メリットとしては、とてつもない存在感が得られることだ。デメリットは存在感が強すぎて、そのまま食べ進めるのが困難になりかねないこと。

ウイスキーはストレートで飲むのも良いが、トゥワイスアップ(原酒:水=1:1)のように、水を混ぜることで風味の全体が理解できるようになる。

今回のアレンジのように、野菜類で薄めるのも一つの手だろう。何か思わぬ組合せが、魅力を引き立てるかもしれない。

なんにせよ、じっくり時間をかけて香味野菜を炒めた先にあるもの。その一端を垣間見ることができた。

そういえば、弱火でじっくり2時間炒めると、イタリアのソフリットのように甘味を引きだせるだろう。調理過程においても、好みに合わせたアレンジが出来そうだ。

合掌。ごちそうさま。

――――――――――――――

スパイスカフェ

公式アカウント:公式サイト
住所:東京都墨田区文花1-6-10(Googleマップ
定休日:月・火曜日
営業時間:11:30〜15:00 (14:00 L.O.) 水・木・金のみ予約不可
18:00〜23:00 (20:30 L.O.) 予約制ディナーコースのみ

――――――――――――――

■レシピ候補たち
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1AB8VBNvV0SS1lCu_V0tgWenaZm_GQzibCh78QXiTX_A/edit?usp=sharing
『関西のスパイスカレーのつくりかた2(LLCインセクツ)』を中心に。
■レギュレーション
・副菜類も作るが、基本カウント外
・期限はとくに無し。
・飽きたらフレンチ、イタリアン、中華、自家製ラーメンに逃げる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?