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たのしい地方創生

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地域活性化の業界で働く筆者の、日常のささい気づきを、まじめ風味でお届け。
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#読書

#64 『読まないと書けない』

2024年5月某日 大型連休明けの通勤電車は、スマホに視線を落とす企業戦士に溢れている。誰しもが現実世界への帰還をためらい、画面に表示されれる「旅行の思い出」でも復習しているのだろうか。今日もがんばりましょう。 … さて、連休などがあると、身の回りを整理したり、読めていなかった積読を斜め読みしたりして、「心の余白」を思い出すことが多い。お盆や年末年始など、一定のサイクルで「間をもつ」機会がカレンダーから自動供給されることなどは、サラリーマンの特権であると言えるかもしれな

#54 『積ん読』と『トランザクティブ・メモリー』

2024年4月某日 自身の読書体験を振り返ってみると、20代のころは新書・ビジネス書の類をよく斜め読みしていたことを思い出す。その後、社会人大学院での研究生活では、難解な経済・経営の学術書と格闘するようになり、自身の読書の幅が広がったように思う。そして、最近は、むしろエッセイとかtwitter文学みたいな、情緒に寄り添って文章を丁寧に辿る読書を楽しんでいる。 … さて、様々な道を辿りながら読書体験の幅が広がりを見せたことで、「読みたい」と思える本が増えた。このことは、教

#46 『現在』と『将来』の意識配分

2024年3月某日 ここ最近、日経平均は随分高値で推移している。40,000円台などという水準が本当の存在したのかと、いまだに違和感を拭えない。筆者が社会人になりたての頃の日経平均は7,000〜8,000円台の水準にあったことを思い出すと、景気のサイクルというのは本当にあることを思い知らされる。 … さて、景気にはサイクルがあるので、良いときもあれば、悪いときもある。その循環を見越して、皆ライフプランなどを立てて、貯金やら投資したりするのである。 先日、大学院時代の友

#42 『無知』と『無恥』

2024年3月某日 通勤電車で受験だの就活などのキーワードが聞こえる度に、「あれ、自分は何年前だっけ」などと頭の中で数えている。だんだんと数えきれなくなっている状況に、老いを感じざるを得ない。 … さて、(必ずしも年をとることと相関しないが)いろいろと経験を積んだり、勉強したりすると、自分を客観的に認識しやすくなる。知識や関係性の情報量が増えることで、「情報の集合」の中にいる自分の、相対的な位置が理解しやすくなることは、感覚的にも理解しやすい。相対化というやつだ。その結

#41 『本屋』と『本業』

2024年3月某日 息つく暇もない年度末、体調などを崩さないように乗り切りたいものである。忙しない状況だと、趣味である読書の時間が減ってしまい、本の手触りが恋しくなる。 … さて、全国的に書店が減少していることは周知の事実であるが、その背景にある要因としては「出版不況」が挙げられることが多い。すなわち、「紙の本が売れないから、その小売店も厳しい」という単純な話である。一方、本が読まれていないかと言われるとそうではない。実際、ビジネス賢者のみなさんは揃って読書習慣の重要性

#35 『本屋』

2024年1月某日 昔から「古本屋」に憧れがある。街の中に佇む「古書店」みたいな雰囲気のお店である。あのような雰囲気のお店の店主をしながら、地域に溶けるように暮らすライフスタイルは、とても洗練されたものだと思う。そんなことから、最近「本屋」をつくりたいと思うことが多い。動機の背景には、地方における本屋事情の課題もある。 さて、全国には1万強の本屋が存在すると言われている。ただし、方向感としては減少トレンドにあり、地方においては本屋が1つもない行政区も多く存在しているという