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たのしい地方創生

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地域活性化の業界で働く筆者の、日常のささい気づきを、まじめ風味でお届け。
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2023年4月の記事一覧

#16 『ワカモノ』の加齢臭

2023年4月某日 山口周氏の『劣化するオッサン社会の処方箋(光文社新書)』を読んだ。ざっくりと理解した話はこうだ。従来、年配者は若年者よりも充実した経験と知識を保有しているから、情報蓄積媒体という点で優れていた。だから敬うことが美徳とされた。しかし、最近は環境変化のスピードが早くなってきたり、情報のコモディティ化が進み、年配者が相対的に多く保有していた『経験』や『情報』の価値の陳腐化が進んでいる。ゆえに、年配者だから無条件で『優れているとは言えない』ということである。その

#15 二極化する『経験豊富なシニア』

2023年4月某日 最近、地方のビジネス界で『荒ぶる先輩(シニア)』に悩む声が散見される。具体的には、会議体などで、ファクトに基づかない『経験』『感想』『持論』を一方的に述べ続け、場を制圧してしまうといった不具合が生じている。『今どきのワカモノ』はやさしいから、『傾聴』を基本姿勢としていることも、彼らのマウントエンジンを加速させるのだろう。みなさんお疲れ様です。 さて、少々毒づいた書き出しになっているが、実は、筆者は人生の先輩(シニア)を大変リスペクトしている。過去には、

#14 『地方』というファッション

2023年4月某日 最近、『地方創生』や『地域活性化』みたいな営みは、コモディティ化しているのではないかと感じる。決して、当事者としてニヒリズムに陥っているわけではない。おそらく、地方創生やまちづくりに関する営みが、ほんの少しだけ、ファッションとしての『おしゃれさ』を纏いつつある状況に、戸惑っているのだと思う。 筆者は、リーマンショック直後に就職活動し、紆余曲折を経て、現在では地域経済を調べたり、まちづくり事業の企画をしたりすることを仕事にしている。今でこそ、『地域活性化

#13 地域ブランドの『単位』

2023年4月某日 新型コロナウイルスによる混乱も少しずつ落ち着きを見せ、町に人が随分戻ってきた。特に、外国人旅行客を見かける頻度が明らかに増え、観光産業の復活と攻めのフェーズへの転換に期待が膨らむ。 さて、そんな中、観光庁が全国11のエリアを『モデル観光地』に認定(2023年3月)している。具体的なねらいは以下とされる。 筆者のざっくりとした要約で恐縮だが、つまるところ、1回の旅行で沢山のお金を使う人々に対して『深く刺さる』コンテンツや宿泊施設を整備することで、超ハイ