見出し画像

なぜ「本業を通じた社会貢献」を行うときに、事業を法人化した方がいいのか?

先日、私がアドバイザーを務めている経営者の会の会員さんから「当会の目的である「本業を通じた社会貢献」を行うときに、いま個人事業で行っている事業を法人化した方がいいのでしょうか?」というご相談を受けました。

その時は、「個人事業でも白色申告と青色申告でもメリット・デメリットがありますし、私は法人化した方が個人と法人とで公私を分けられるのでどちらかと言えば法人化した方がいいと思うのですが、どれを選ぶかどうかはご自身でお決めになればいいと思います。」と答えました。

しかし、考えれば考えるほど、やはり、「本業を通じた社会貢献」を行うには、法人化した方がいいと思うに至りました。

なぜ、法人化した方がいいのか。

私が法人の顧問として社員研修をする場合には、会社の財務について、以下のような説明をします。

まず、「なぜ、会社は、売り上げを最大に、経費を最小にしなくてはならないのでしょうか。」と社員さんたちに問います。

答えは「「粗利」(あらり)を極大化するため。」です。

「粗利」(売上-経費)は
・給料
・内部留保(銀行への返済を含む)
・配当
にしか回りません。また、そのうち、「配当」は、ほとんどの中小企業が出していません。

つまり
粗利=給料+内部留保
です。

次に、私は「内部留保」の意味を説明します。
「中小企業にとって、内部留保が必要な理由は、内部留保が厚くなければ、(コロナ禍の時によく分かったように)何かあって売り上げが上がらないときに、給料が払えなくなるからです。だから、内部留保は「将来の給料」と言えます。」

つまり、中小企業の場合、「粗利」(売り上げ-経費)は、
粗利=(今年の)給料+(将来の)給料
になるわけです。

だから、中小企業は安定して現在も将来も給料がきちんと安定して払えるようになるために、高収益化していかなくてはなりません。

さて、高収益化についてです。

いつも説明していることですが、あたらめて書きますと、企業は3つのプロセスで高収益化します。

①経営理念を立てる。
②理念を社員と共有し、社員に仕事の意義を実感してもらい、仕事を「自分ごと」にしてもらう。
③一枚岩の企業となるので、仕事の意味が変わり、仕事の価値が変わり、値決めを変えられるようになる。
だから、高収益化する。

このように、企業はこの3つの段階を経て高収益化・長寿命安定化していきます。
そこに思いを馳せたときに、自分の思考の甘さに気づきました。

個人事業のままでいつまでもやっていると、社員さんにとっては「うちの会社の儲けは全て社長の儲け。もっとも、うちの「会社」は会社ではなく個人事業だからしかたないのだけど」ということになってしまいかねない、と思うにいたりました。

仕事が自分ごとにならない。一枚岩の企業体にならない。仕事の意味が変わらないので、値決めも変えられない。だから、高収益化に進めない。

だから、「本業を通じた社会貢献」を行い、それを永続的に続けていくためには、どうしても法人化が必要になります。

私は「お金のしくみ」解説者を自称してYouTubeでも発信しています。でも、今回の経験でも「お金のしくみ」を具体的な経営へ落とし込みんでいくことについては、未だ未だやり切れていないと実感しました。

今後も、日々、精進して参ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?