大急ぎで家を出る習慣は長続きしています

鳥取から引っ越したあと、村の中で1回引っ越しをします。

1個目の家に住んでいた2年間くらいの話をします。細長いアパートでした。小学校から見て下流に4kmの川沿いだったことを覚えています。

この村には水平が存在せず、斜面で構成されているため一般的な田畑がありません。かろうじて、過酷な環境で育つ茶畑があるぐらいです。どこまでも続く杉の木と、どこからか流れ続ける水、山に囲まれた環境のせいで、いつも霧がかかっていて、カラっと晴れた日というのはなかったように思います。

それでも毎朝、鳥たちは軽快に鳴き、空気は潤いを含みながらも澄み切っています。

反対に、学校に行きたくない私の気分は曇りきっています。重い頭が重力に逆らうと、ご飯と味噌汁と海苔と梅干し、熱い緑茶が口に入ってきます。ランドセルに戦隊モノの筆箱と教科書と体操服を入れ、大急ぎで家を出ます(大急ぎで家を出る習慣は長続きしています)。心とは逆に、結んだお守りは無邪気に飛び跳ねています。

不機嫌を携え、自動操縦でスクールバスに乗り込むとミッションは達成です。荒めの運転で(カーブが多く、あまり舗装されてない道路のせいだったのでしょう)、いつもの運転手さんに運ばれます。この運転手さんは子どもたちと話すことがなかったので、別世界の運転に特化した種族だと勝手に思っていました。

15分の休み時間のドッヂボールのために、45分の授業を繰り返す1日のはじまりです。

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