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早起き/設置された海/陶器の犬


2022年2月19日 土曜日

6時10分に起きた。早く起きると一日が長くなるからすきだ。でも、あまり早起きをしすぎても、それが元で疲れてしまっては本末転倒なので、(という言い訳をしながら、)「おはよ」「はやおき!」とだけLINEして二度寝した。次は7時28分に起きて、「おはよう シーズン2(二度寝)」と送ったら「だと思った〜」と返ってきてしまった。

『ユージーン・スタジオ 新しい海』のポスター

『ユージーン・スタジオ 新しい海』を見に、東京都現代美術館で待ち合わせ。《海庭》という作品がすきだった。前にも後ろにも左右にも鏡があって、床に張られた水が永遠に続いていた。

《海庭》の展示のようす

こんな屋内に、大量の水が、永遠に続いていて、色んな人が通り過ぎていくことが不思議に思えて、ずっと眺めていたくなった。美術館では普段の生活で目にできないものを見るのがすき。脳が気持ちいい。それに、快適な温度・湿度が保たれているから心地いい。森美術館で見た《景体》を思い出したりもした。あれもすごくよかったな。

キービジュアルにも使われている《ゴールドレイン》もすきだった。暗闇の中、金箔と銀箔の細かい粒子がスポットライトの光を受けながら目の前で落ちてゆく。落ちてくる粒子の量には波がある。量が多くなればなるほど「ブワ〜ォ」と広がって、光を受ける面も多くなる。キラキラと乱反射して、小さな無数の光の柱が僕の目に伸びてきて美しかった。

あとから彼が「あれ水中?」と聞いてきたのが不思議だった。彼にはあれが水槽の中で起きていることのように見えたらしい。もし水中だったら、粒子は水の抵抗を受けてもう少しゆっくり落ちたり、散らばってしまったりするだろうし、水槽のガラスが鏡になって、スポットライトから拡散した光を受けた顔を映してしまうんじゃないかと思う。(そうではなかったから水中だとは思わなかった。)僕には空中に見えたのに、彼には水中に見えたのが不思議だった。

スパイラルに絵を受け取りに行った。1月に開催されていた大河紀さんの個展『狼煙す絵画』で買った絵。天照大神と太陽神ラーが描かれている『君が星になるまで ミイラ共に幕開け』という作品で、「星になるまで、あるいはミイラになってしまうまでも頑張らないといけないとき、周りが暗闇だらけのときでも、自ら闇を破って太陽を掲げていこう」的なメッセージが込められているらしい。勇気づけられたので自分のものにしたいと思って買った。自宅をパワースポットに。あやかりたい。

大河紀さんの『君が星になるまで ミイラ共に幕開け』
お札みたいな安心感がある。

スパイラルの帰りに国連大学前のファーマーズマーケットに寄った。端っこの方で骨董市がやっていたので物色したら、出会ってしまった。

陶器の犬

一目惚れだった。カトラリーレストなのだろう。1934-42年頃のドイツのものらしい。彼はこの犬に全く魅力を感じていないみたいだった。物の好みが合わないのを、お互いに最近よく感じている。彼には「"1930年代のドイツ製"なんて、嘘かもよ」と言われたけど「これが2022年の日本製でも買ったよ」と応えたら、彼は安心した。彼からすれば、この犬(と真偽不明のストーリー)に3000円は高すぎたそうだ。僕は単純にこの犬の形が、白くてつやつやしてひんやりした陶器の質感が、とても好みだった。「一生そばに置いておくし、もし手放そうと思ったとしても8000円くらいで売るつもりだ。なぜなら3000円にしてはかわいすぎるから」と念押しておいた。実際、家に帰った後も、この犬を手に入れたことがうれしくて、この犬がとにかくかわいくて、幸せな気持ちになった。

かわいい
ドイツから来たらしい。犬種はなんだろう。

夜はお菓子を作って持ってきてくれた友達と中華を食べに行った。友達は、誰がどう見ても否定しようのないくらい、いわゆる「天然」キャラなのに、真面目に否定していておもしろい。詳細は省く(ので読者のみなさんにはおもしろさが伝わらない)が、「とりま大使館」と「お〜いお茶」が今日のキーワードだった。彼も爆笑していて、とてもいい会だった。その後は家に帰って、友達からもらったお菓子を冷蔵庫に入れて寝た。明日の朝二人で食べるのだ。

愛され系「まちの中華屋さん」

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