見出し画像

オンライン診療はどこでもドア!?①

この記事を是非お読みください



ここで注目すべきは【医療機関と患者との間の時間・距離要件や、オンライン診療の実施割合の上限については撤廃される。それが公益裁定によって決まった】ということです。。 

診療側と支払い側で意見が対立して 時間・距離要件や実施割合の上限について診療側は撤廃に反対したとのことですが公益裁定によって撤廃が決まりました。


公益裁定やパブコメ

現行の診療報酬というのは高すぎるOR安すぎる!現場の医療の現実にあっていない!と医療者側は感じている場合もあります。それは事実そうかも知れませんし、医療者側の思い込みやワガママかもしれません。 

しかし、パブリックコメントの募集や公益裁定によって医療従事者の手の届かないところで決定されることがある。それも、どちらかと言うと医療者側に不利になる決定が行われることがあるという現実を認識しておく必要があります。 これは保険診療が税金や健康保険組合の保険料などからサポートされているという性質上 医療者側の論理だけでは動かないからです。

患者さんも医療提供側もマクロ視点を

医療従事者側の意識改革だけでなく 患者さんも医療をコンビニのように使うとリソースが不足して 健康保険料の増額や 負担比率の増加ということが行われ、ご自身の受診負担が増えてしまうということも起こりえます。 はしご受診や残薬などの問題も意識していただけると嬉しいですね。

医療者側と患者さん側が協力して負担をへらす努力を共にできれば良いのですが 合成の誤謬問題があります・


患者さん

患者さんの体は一つです、そしてご家族の病気については非常に気になります。ですので できるだけ早く 待ち時間は少なく、でも自分の診療時間は長く レベルの高い先生に診てもらいたいという 合成の誤謬問題があります。その理解がないと社会保障費の増大によって患者さんの自己負担が増えるいう自分に帰ってくるという問題も起こりえます。

医師

医療者側は取れる点数をできるだけ取るトリックを多く身につけ、【単価X頻度】を必要以上に上げるというモラル低下が起こると社会保障費の増大が起こり 結局 診療報酬の低下という自分にもマイナスの影響が起こってきます。

これはいずれもマクロとミクロの視点のバランスを持たないことによって起こる合成の誤謬問題です

【医師の幼稚園<48>経済学の矛盾と医療 】 【経済学】は ・個人、企業とも合理的判断に基づいて行動 ・個人の目標:効用の最大化 ・企業の目標:利潤の最大化 ・完全競争:完全情報 ということが前提になっているが 世の中実際はそうでないの...

Posted by NYAUW on Tuesday, February 16, 2021


そういったマクロ視点で これからの医療の方向性を皆さんで見ていければとNYAUWという活動を始めました。


オンライン診療形態

以前 オンライン診療の変遷予想を書かせていただきました。

その際の題名に アマゾンで買い物する時に 発送元は自宅からの距離では判断しませんよね? と書かせていただきました。

リアル買い物だと距離の問題があって よっぽどマニアックでレアなものでなければ長い距離を移動していくことがありません。

しかしオンラインショッピングだとどんなに店の距離が離れていても一瞬でその店にアクセスできるのです。ですので楽天などは特に店舗で買い物するときに結構地方のお店があるのにお気づきになられると思います。

時間距離がゼロ

オンライン診療も技術的にはオンラインショッピングと同様でどこにでもアクセスできるのですが オンライン診療がうまく行かないときにはリアル診療へのスイッチが必要ということもあって距離条件がありました。これによって 立地条件がオンライン診療にも入っているということになっていました。しかし、これが今回撤廃されたのです。つまり時間距離が全国どこでもゼロになるということです。つまりどこでもドアです


勿論、過渡期にはオンライン診療の比率は低く、まだまだリアル診療が優勢の時代がしばらくは続くと思いますが 変化は連続だとは限りません。 

iPhoneが一気に日本の携帯電話市場を淘汰したように 変化は突然やってくるという前提が必要です。価格の安い 家庭用医療機器の普及や一般の方々のマインドセットを大きく変えるイベント(近年のコロナ禍でリモートワークが一気に進んだような)が起こると 一気に流れが変わる可能性があります。

比率の上限と距離の制限がなくなるということは 理屈上は検査センターを全国に普及させ そのデータを好みの医師に解釈してもらうというモデルも成り立つのです。 ゴールドラッシュでLevi'sが流行ったように 検査センターのデータを患者さん自身のデバイスに移転させ(Bring your own device:BYOD)全国にいる好きな医師に診てもらうというモデルでさえ視野に入れておく必要があります。

いきなりオンライン診療に置き換わるわけではないのですが、方向性として地の利ということの重要性が相対的に低下する大きな歴史の転換点に来たということは認識されたいたほうが良いと思います


時間距離がゼロに


リフィルの解禁とともに

リフィルの解禁が医療機関に大きな影響を与えるかもしれないと以前書かせていただきました。

リフィルもオンライン診療の距離条件撤廃もこれまでの医療機関の成り立ち前提自体を変えてしまう可能性があります。


ヨーロッパ文明における軍事革命の背景軍隊を維持するための【人件費が重かった】ので武器が発達した

ゴールドマンサックスでは2000年には600人のトレーダーが2017年には2人にまで。この背景にあるのは人工知能技術。この技術を呼び込んだのはトレーダーの【人件費が高かった】ことだ 。

イノベーションの多くは人件費の問題のないところをターゲットにしないのである。【医師の人件費は?】リフィル・認定看護師などは【医師の人件費】をターゲットにしていないですか?


このような 杞憂に過ぎない心配かもしれませんが マクロな視点で見ることも大切かな?と、NYAUW!






















よろしければサポートお願いします。 NYAUWの活動は現在マネタイズを考えずに意義のみを追求するフェーズです。 ニッチな分野のやせ我慢プロジェクトですので お気持ちだけでも嬉しいです。