【クラウド総合病院⑦ 患者さんはXX市医師会の先生や YY大学の医局の先生に診てもらいたい?】

これまで①ー⑥まで書いてきて 患者さんの満足度や医師のサービス採用基準が 様々な【期待値】であると個人的に思うと書かせて頂きました。


本来は患者さん第一ですが オンライン診療の採用決定者は 患者さんではなくて 医療機関です。 
オンライン診療において医師の不安は「出来ることが限られている中で 理解のない患者さんがモンスター化したらどうしよう?」「患者さんがオンラインだけで完結したい場合 いつものリアルな他科のクリニックでなくどのオンライン診療先を紹介したらいいのか?」「オンライン診療が問題はあるけど 採用しないことで取り残されたらどうしよう」このような様々な葛藤の中で揺れ動いているのです。

医師として、Proとして仕事するというのは「自分のハードやソフトの中でできるだけのことをして、患者さんの期待値を満たす または期待値を超える」ということです。クリニックに対する患者さんの期待値は一般論でいうと大学病院よりも低いと思います。

期待値とはどんな専門家ということも関係してくると思います。厚労省もしているように専門医を「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼 される標準的な医療を提供できる医師」と定義。(「神の手を持つ医師」や「スーパードクター」を意味するものではない。)と記載があります


すべてのレベルの疾患が大病院に集まると 大病院の医療は崩壊します そういった意味で【かかりつけ医】で標準的な医療を提供してもらい、自科の疾患でないとなった際には他科の標準的な医療を提供できるクリニック医師を紹介する。またはその疾患がかかりつけ医の専門でその標準的な医療を超える場合に大病院を紹介してもらうという、 航空機運行のHub and Spoke方式を差配するのがかかりつけ医の役割だと考えます。 つまり これまで以上に紹介行動の意味が重くなっていくのだと思います。しかし、この紹介行動に関するクリニック院長の【ため息】を抽象化すると「一院ではどうしようもない」ということです。

電話以外に問い合わせ先のないWEB PAGE・たくさんの専門らしきものが書いてあっても真の専門性が見えないWEB PAGE・そもそもWEB PAGEのないクリニックなど日本には30万の医師 そして10万人の開業医師がいます。特に大都市圏では同科でも多くのクリニックが近隣にある状況にも関わらず紹介先がわからないというのがため息です。そこをつないでいるのが医師会や医局だったりします。 しかしこれは医療従事者側からの区分けであって 患者さんは「XX市医師会の先生にかかりたい」とか「YY大学の医局の先生にかかりたい」というわけではないのです。、


「良い先生なら市区町村や出身医局なんて関係ない。」ということです。 そして 良い基準が患者さんと医師側で異なるということもあります。

医師側も原理原則だけで患者さんに伝えると問題も発生したり 患者さんを不安にさせたりします。 このあたりは 様々なご意見が有ると思いますが やはり最終的に患者さんの治療のために
① 不安にさせてでも【正しいこと】を伝えていく【北風方式】でいくのか、
② まずは患者さんの治療に対するモチベーションを高める易しめの【太陽方式】で行くのかスタンスの違いだと思います。 

しかし、診療における【正しいこと】の定義も難しくて、 生体という個体差・ばらつきの多いものは 【数学的な正しさ】とは異なる【より好ましい】というくらいの論文データも多いのは先生方ならご存知だと思います。

「でも、実際 私の患者さんは同じ医師会の先生や自分の出身医局の先生に診てもらって満足していただいている」という先生も多いかと思います。実際 私もそうです。しかし、例えばたくさん内科のある医師会だとして どの内科でもよいわけではないと思います 先生によって 専門が違ったり 人間関係であったり 様々な要素の組み合わせで選んでいるわけです 医師会や医局が同じだと接触機会が多いためにそういったものが見えやすいために結果そうなっているだけです。 

これからのオンライン診療の未来においては その先生や患者さんがどこにいるかは最終的な処置や手術が必要になるまで関係ないという世界がやってくるかもしれません。 つまり、【適切な専門性と人間性】があれば良いという。 勿論 こんな世界観に今すぐになるわけではありません。 しかし、インターネットやSNSやスマホがこの10年で世界を一変させたように その方向に向かうという前提で意思決定を少しずつ意識して行っていくのが良いかと。 そういったときに オンライン診療の紹介先という特別な紹介先が有るわけでは有りません。 【適切な専門性と人間性】というのはリアルな診療でも求められている資質だからです

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