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健康経営を目指す企業担当者様(総務?)シリーズ⑪(後医は名医)

先日⑩の記事では<患者さんを紹介しなくてはならない状況を患者さんは医師のダメさと捉えることが多く、医師も自分の不甲斐なさを感じながらも患者さんのために紹介行動を行っている>と書かせて頂きました。

医師は専門性が高ければどこにでも紹介しているでしょうか? 様々なクリニックのWEBサイトをご覧いただけると 時々提携医療機関などの情報を載せておられるクリニックもあるかと思います。そこに記載されている医療機関の多くは、そのクリニックの院長の出身医局の大学病院、勤務経験のある基幹病院や医局の医師が派遣されている基幹病院などが多いことがおわかりになると思います(そこまでは一般の方はおわかりにならないかもしれませんが そうなっていることが多いです)

つまり、もしも同じ専門性をもつ紹介できる医療機関があった場合には 全く繋がりが無い医療機関よりも少しでも繋がりのある医療機関を選んで紹介する傾向があるということです。これはなぜでしょうか?

後医は名医

患者さんの診療を医療機関を移っても滞りなく行うためには 医療従事者と患者さんの人間関係も非常に大切なのです。 「何を言われた・何をされた」以上に「誰に言われた・誰にされた」ということが大切な場面も多いのです。

実際に2021年9月13日に公表されたばかりの<受療行動調査>では

この病院を選んだ理由があると回答した者について、選んだ理由をみると、外来 、入院ともに「医師による紹介 」が最も高い となっております。

つまり、いくらクリニックの医師がその患者さんのことを最後までケアできなくても やはりプロである医師の紹介情報は非常に大切なわけです。

そして 紹介元医師は自分がケアできないという不利な状況を恥を偲んでさらさなくてはならないわけです(そこまで卑屈になっているわけでは有りませんが。患者さんのために必要だと思って紹介しているのですが)


<ONE STEP...

Posted by NYAUW on Friday, November 15, 2019

上のFACEBOOKの記事に以前書かせて頂きましたが患者を紹介される被紹介者である後医(一般的には大病院)は複数の理由で有利です。

・前医(一般的には開業医)での試行錯誤の結果を知ることができる、

・生体の自然治癒過程

・専門性を持つ(ハードも病院が提供してくれる)

など「後医は名医」という言葉があるように前医は不利な立場にあります。いわば、後医は後出しジャンケンをいているようなものです。

しかし、そのような現在は後医の立場にある医師も、他科の医師への紹介に関しては前医にもなります。 そして、将来開業した際には前医になる高い可能性を持っているのです。

繰り返しになりますが、決してこれは馴れ合いを意味するものではありません。

患者さんは(疾患レベルや患者さんの個性にもよりますが)ドライな医学的な知識や経験を有している医師だけを欲しているわけではないのです。

話をもとに戻すと 患者さんは医師からの紹介で受療行動を起こすことが多い。そして前医は不利な状況である。しかし、後医がその不利な状況を理解してくれて患者さんに伝えてくれるような紹介先が望ましい。

患者さんを不安にさせず前医も安心してまかせられ、患者さんも自分の主治医について悪く言われない専門性の高い後医に診てもらえると、治療効率にとっても望ましい。 これは決して医療レベルが低くても紹介するということではなく 専門性があるのが大前提で、関係性のできた医師が望まれる つまり同じ医局や人間関係のできた医師に紹介する傾向になるという説明になるかと思います

地域医療だけでは成り立たない時代が

これまではクリニックというのは地域医療を担うことが主でした。しかし、初診でオンライン診療が推進される現代において 地域医療だけの領域にとどまる時代は終わったと思います。

交通機関やインターネットによる時間距離の短縮によって診療圏を広げていく中で これまでの市区町村医師会の中や近隣の基幹病院にだけで患者さんを紹介するだけでは患者さんの要望に応えられなくなっていると考えます。

続きは次号

気になった健康経営を目指す企業担当者様(総務?)ご連絡お待ちしています!(井手 武 tokyoeyeasagaya@hotmail.com)




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