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吉岡幸雄のページ

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染司よしおか5代目 吉岡幸雄ののこした言葉をまとめています
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記事一覧

「吉岡幸雄の色百話 男達の色彩」  発売となりました。

染織史家・染司よしおか5代目 吉岡幸雄の遺作ともいうべき、 色に関する百話随想。 「吉岡幸…

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英国V&A博物館 吉岡幸雄作品展 「In Search of Forgotten Colours  失われた色を…

2017年、イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)からの依頼で吉岡幸雄が製作した…

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柳の文様

今回は、柳の文様に注目してみよう。いまの季節、新緑があざやかで、柳葉も身をふるったように…

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常夏(とこなつ)

暑い京都の夏をどのようにすごすか。これは現代だけではなく、千年以上も前の都人もそうだった…

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朱華(はねず)の色

私の染工房の庭にザクロの花が咲いている。新緑の小さな葉のかさなりのなかに、鮮やかな黄味の…

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水色(みずいろ)

清らかな流れに出会って、美味しい鮎をたべたい、と思うような季節になってきた。 水色という…

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紅花の摘み取り

(2011年7月12日 吉岡幸雄 染司よしおか工房だより より) 今年も紅花がたくさん咲きました。三重県伊賀市の榮井功さんの畑で、7月7日、12日に花摘みをしました。 摘み取られた花は太陽の光を浴びて、黄色から鮮やかな赤に変わっていきます。 (左)紅花の畑 (右)美しく咲いた紅花 (左)紅花を干す様子(右)干した紅花

【過去の展覧会】日本の色 吉岡幸雄の世界 〜カッシーナ・源氏物語との出会い〜

2014年9月10日〜9月15日、京都タカシマヤ大インテリア展にて、吉岡幸雄が再現した源氏物語の衣…

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朝顔(あさがお)

もうすぐ7月、朝早く起きると朝顔の花が開いていて、その姿を見ると日々の暑さで辛い身体も、…

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桔梗(ききょう)

この原稿を書いているのは7月13日、早いところではもう桔梗の花が咲いている。今年の季の移ろ…

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支子色(くちなしいろ)

夏のはじめに白い花をつけてあたりに芳香を放っていた支子は、秋の終わりから冬のはじめにかけ…

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夕顔の色

奈良の知人の邸へ、夕顔の花が咲くのを見にいったことがある。まだ立秋まではひと月ほどある七…

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朱色(しゅいろ)

秋の正倉院展が近づいてきて、胸がときめいている。というのも私の染織の仕事のお手本が飛鳥・…

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煤竹色(すすたけいろ)

夕闇がせまるころになると、だんだんと冷え込みがつよくなって、火が恋しくなる季節になってきた。 ひと昔前まで、田舎の家に行くと、囲炉裏が切ってあって、そこに薪と炭火があかあかと燃えていて、自在カギがつるされ、白い煙がゆっくりと天井にのぼってゆく風景があった。 その煙のとどく先の棚には竹が何本も置いてあって、長い歳月によってそれらの竹は燻されて美しい赤茶色になって、いかにも落ち着いた佇まいを見せるのである。 「煤竹色」というのは、まさにこの燻された竹の色のことで、煤竹茶とも