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目の前の言葉が「専門用語」なのかどうか、という判断が必要である、という面倒臭い事実について
バイオメカニクスの基礎の講義は、すでに運動を指導する立場にある人たちの受講が多いので、質問もより実際的で、普段アンテナを高くしている人たちだからこその質問をいただくことがあります。
noteでご自身も連載されている南田さん(プロのゴルフコーチ)から、質問をいただいて、こんなやり取りがありました、という一例を紹介させてください。
質問
人づてに聞いたのですが、「フィードフォワード」「体幹主導」という言葉をご存知ですか。こんな感じで使われているみたいなんですが。
運動に関するフィードフォワードと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、以前予測的姿勢制御の投稿でもお話ししたような、神経系のフィードフォワードシステムのことです。この言葉自体は、工学の分野の「制御」に関わる専門用語で、それを身体システムに当てはめて使われています。
対立用語にはフィードバックがあって、行為の結果をフィードバックして次の行為を修正するのがフィードバック。
それに対して、フィードフォワードは事前の予測とともに実際の行動以前に行動を修飾する意味で使われます。
運動だけではなく、ヒトの身体の生体制御自体にもこう呼べるものは存在していて、例えば、多くのホルモンの放出は血中濃度を感知することによるフィードバックシステムによって稼働していますし(血中濃度が下がる→感知する→ホルモン放出する→血中濃度が上がる→放出が止まる)、つまり、フィードバック・フィードフォワードという言葉は、人間の既存の身体の仕組みが「どのような順番で何をきっかけに作動するようになっているか」をわかりやすく説明してくれる仕組みだということです。
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