『「おもしろい」のゲームデザイン』を読んでみて
この本、非常に面白かった。
タイトルから想像されるようなゲームデザインの単なるハウツー本ではなく、まず「おもしろい」という感情を科学的に説明するところから始まるように、ゲーム作りの土台となる考え方が終始説かれており、時代に左右されない普遍的な学びが詰まっている。
その「おもしろい」の説明が興味深かったので、少しご紹介したい。
「おもしろい」という感情はなぜ生まれるのか
ゲームを遊んでいて、何気なく感じている「おもしろい」という感情。これは人類という種が生き残っていくために脳にプログラムされたご褒美機能なのだという。
どういうことかというと、前提として、ゲームとは複雑な現実世界を抽象化や形式化、数値化したものであって、これを遊ぶというのは、現実世界のシミュレーションをしているのと同じ意味をもつ。そして、このシミュレーションを上手くこなすことは、現実世界でのサバイバル術を身につけることを意味するため、こうして「生きていくことがより上手になった」ことに対して、脳からご褒美として「おもしろい」という感情が与えられるという。
ゲームでは常に新しさが求められ、プレイヤーは見たこともない世界での冒険や現実ではあり得ない体験にワクワクさせられるものだが、なぜそうしたものの提供が必要なのか、この本を読んではっきりと理解できた。
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