寒暖差

暖かい日が続くと、寒い日がやってくる。そして、寒い日が続くと、暖かい日が続いたりする。早朝の耳がちぎれてしまいそうなほど冷える空気は、つらいけど、とても潔い。雨のない晴れた寒い日はさらに潔い。

さて、寒暖差って、天気や空気だけではない。夫婦間の寒暖差について書こうと思う。なぜならそれは、とても簡単。ケンカしたからだ。ついついケンカになってしまう「夫婦」という関係。お互いをわかりきっているという甘え?傲り?

私たち夫婦は、寒暖差がとても大きい。

彼と私は、経験してきた「畑」が違う。私がすごい!彼が優れている!!ということではなくて、接点がない。聞く音楽も、好きなことも、いいと思うことも違う。私が寒くて寒くて仕方がなくても彼は暖かさを感じている。驚くことに灼熱のハワイにいたりするのだ。逆に、私が熱々のスープをさましながら、やけど覚悟で食べているときに彼は、かき氷を食べて頭を抱えていたりする。その「差」がとても面白く、刺激的で時に素晴らしいひらめきとなる場合がほとんどなんだけど。

今まで、彼に本当に思ってることを言ったことがなかった。本音を明かしたことがないのだ。たぶん誰にも。もちろん、親にも。自分の意見は奇抜であると承知しているし、伝えてしまえば、相手をコテンパンにやっつけることになる。自分の意見が正解とか、そんな「自分に」自信なんかない。だから、思ってても言わない。自分はどうなの?って一言が怖いのだ。約10年間そんな生活。普段はお互いに注意しながら、価値観の違いを個性と認めて、仲良く過ごしている。けれどたまに、たまーに失敗する。その失敗が時に大きく心をえぐる。お互いの。

なので、10周年を機に本音トークをしてみた。もちろんお互いの思想が流血した。ひとつわかったのが、時間の流れだった。お互いに流れている時間の速度が全然違うことが分かった。お互いが本音を伝えられたからこそ。時間の速度を変えるのは難しいけど、理解することができる。夫婦間、というより、私と彼の「畑」が生み出す寒暖差は大きいままだけど、でも「+」な寒暖差。

一緒にいるからってすべて共感、共有してほしいわけではない。私は私だし、彼は、彼。もちろん、私たちの子どもだって、ひとりひとり思うことは違う。私とは違う。彼とも違う。寒暖差って大きくても、小さくても、個人が尊い存在でいるための証というか、大切な必要なもの。これに気づけたのなら、ケンカしたのもよかったのかもしれない。

#夫婦 #寒暖差

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