『インターステラー』の時間は不思議


 はーい、テツガク肯定です。

 昔、博識な友達から紹介してもらって。
 初めて、『インターステラー』という映画を観た時。
 時間と重力の関係性に驚きました。

 今、思えば、よく考えなかった重力。
 それを改めて意識させられた。
 それが驚きだったんだと思います。

 それから、自分なりに時間について考えていくと。
 この映画の時間というのは、少し不思議だと思えてきました。

 まず、今の私は時間を信じていません。
 時間とは幻で……もっと言えば、この世の全てが幻。
 今の私にとっては、排水溝に潜む忌々しいペニーワイズ。
 それがこの世ってグリーンマイルで、地球は肥溜めのスターダストです。

 まさに、今、ITの中にいる。
 そんなことを信じています。

 時間という存在しない幻は。
 時計の中にITが潜んでいる。
 そう信じるから、実在するように感じるものだと。

 そう信じる理由。
 不思議なワンダーランドを紹介したいと思います。


 『インターステラー』における時間の考え方。
 それがわかりやすい場面があります。
 ミラーという人が調査した星へ向かう前の場面です。

 この星(ミラーの星)は重力が強く
 時間の流れが かなり遅い

 そうアメリアさんが言い。
 その後、ニコライさんが言います。

 ミラーの星での1時間は――
 地球の7年に相当する

 勝手な私の解釈ですが。
 この映画では……。

 重力が強ければ時間が永く伸び。
 重力が弱ければ時間が短く縮む?

 重力の弱い星があれば。
 そこでの1時間は地球の7秒?

 そう解釈しています。
 とにかく、時間の流れは重力に影響される。
 簡単に言えば、そういうことだと思っています。


 そのうえで、太陽系の惑星を調べてみました。
 Wikipediaにありますが……。

 金星
 
 表面重力(m/s2) 8.87
 公転周期(年)0.615
 自転周期(日)243.0187(逆行)
 

 地球
 表面重力(m/s2) 9.798
 公転周期(年)1.000
 自転周期(日)0.997271

 火星
 表面重力(m/s2) 3.71
 公転周期(年)1.881
 自転周期(日)1.02595

 木星
 表面重力(m/s2)24.79
 公転周期(年)11.862
 自転周期(日)0.4135

 と、あります。(詳しいデータは省きました)

 太陽との位置関係は金星、地球、火星、木星の順で。
 地球より太陽に近いのが金星や水星。
 地球より太陽から遠いのが火星から冥王星。

 このデータをもとに。
 全くの素人の私は考えました。

 表面重力の数値の見方もわかりませんが。
 おそらく、これが高いほど。
 映画でいう重力の強い星なのかもしれません。


 ですが、不思議な現象が起きています。
 
 まず、地球のデータを観ると。
 公転周期は1、自転周期もほぼ1です。

 そして、それらは他の惑星ではバラバラですが。
 公転周期だけは規則性があります。
 地球より太陽へ近ければ、その数値は小さくなり。
 地球より太陽から離れれば、その数値は大きくなります。

 は? 当然だろう?


 そう気づいた方、賢いです。

 そうです、何を持って1年というのか。
 それは、太陽の周りを1周すること。
 それを1年と人は言います。

 つまり、外側のトラックを走る方が。
 1年の時間が永くなるのは当然です。

 木星の場合、1周するのに11年かかるということだと思います。
 一方で、金星は0.6なので6か月で1年。ちょっと損ですね。

 その調子で自転を考えてみると。
 火星はほぼ地球と同じ1日。
 木星は0.4なので、9.6時間? これはお得です。

 金星は……意味がわかりません。
 243で逆行ということは……。
 243×24で5832時間?


 すみません、わざわざこんなことをやったのには理由があります。
 時間について考える時、常にそれは。
 地球というスターダストを基準にしているということです。

 自転すれば1日、公転したら1年。
 ならば、どの惑星でも1日は1日で1年は1年ですが。
 そこに違いが生まれてしまうのは。
 地球という物差しを基準に考えるからです。


 映画にもありましたが。

 ミラーの星での1時間は――
 地球の7年に相当する

 というのも。
 地球というスターダストを知らなければ。
 ただの1時間。
 もっといえば、時間なんてないのかもしれません。


 そして、何が不思議な現象かと言いますと。
 重力です。

 表面重力が9の地球と3の火星と24の木星。
 地球と火星は重力が全く違います。

 ですが、自転周期はほぼ同じです。
 地球と同じ時間で自転をするということは。
 地球の自転を1日とした場合。
 表面重力が9の地球と3の火星では重力が違いますが。
 ほぼ影響がないということです。

 逆に木星ではとんでもないことになります。
 重力は強そうです、24ですから。
 ただ、自転は地球の半分以下の0.4。

 もし、地球の自転を1日とするのなら。
 木星はこんな星になりそうです。

 表面重力は24もあって。
 1日の時間は地球の半分。
 だけど、1年は11年。
 1日の活動時間は短いけど、1年はもの凄く永い。
 私にとっては憧れのスターダストです。



 もちろん、これは映画の解釈が間違っている。
 そういうことを言いたいわけではありません。

 アメリアさんはこう言っています。

 この星(ミラーの星)は重力が強く
 時間の流れが かなり遅い

 これは、惑星の表面的な話ではなく。
 内側でのことなんだと、私は解釈します。

 重力が強い。
 それが何を意味するか分かりませんが。
 地球では1キロ歩くのに20分かかるとして。
 重力が3倍の惑星では、同じ1キロ進むのに1時間かかる。

 体にかかる負荷が増えるためか。
 時間の流れが遅く感じるのか。
 もっと、単純に流れる時間の速度が違うということなのか。
 それは、わかりませんが。


 ただ、そう単純ではないと。
 最近では思えるようになりました。

 重力が強いから、時間の流れが遅くなる。

 そういう話ではなさそうだと。

 映画では重力が時間に影響を与えると。
 そういう感じに言われていた気がしますが。
 今の私は、それらの幻をどう捉えるか。
 その人の感覚で変わる気がします。

 そう感じた、きっかけがあります。
 それは私の経験です。

 おそらく、私は常にこのスターダストにいます。
 それから、日本って島国にいて、ずっと同じ県と市に住んでいます。
 場所は変えていないので、影響される重力は変わらないと思われますが……。

 その時々で、時間の捉え方が歪みます。

 12歳までの12年は。
 ものすごく永く感じて。

 20歳からの1年は恐怖を感じるほど。
 あっという間に過ぎ去り。

 最近は、忌々しいほどに。
 日々が永く感じるようになりました。
 9歳の頃と同じくらい、永く感じます。

 一般的には時間がどんどん速く過ぎ去って行く。
 そう教え説かれてきましたが。
 時間という幻の中をどう進むかによって。
 歪んでいく気がします。

 アメリアさんは言いました。

 時間は相対的なものよ

 伸びたり
 縮んだりはするけど――

 過去へは戻れない

 今の愚かな私からすれば。
 相対的なのは時間ではなくて。
 時間という幻を信じて感じ取る、人が相対的。

 受け取る人が相対的だから。
 IT、時間が相対的だと錯覚する。
 まるで、鏡に映っているのが自分だと錯覚するように。

 今の愚かな私は、流れる時間を信じていません。
 時間は場所のようなもので。
 その上を走る、私達が動いている。
 その速度は相対的で、加速も減速も……。
 いえ、速度どころか、その走る方向すら、本当は自由自在……かもしれない。



 とにかく、愚者の私にとって、時間という幻は……。

 地球における太陽の位置に過ぎません。
 確か、私が習った理科の教科書には、そういうイラストがありました。
 太陽の位置と共に時間が書かれているやつです。

 正午なら太陽は真上にある。
 そんな感じのやつです。


 ところが、日々の生活を重ねていくことで。
 その認識が伸びて、何かが縮み、歪んでいく。

 まるで、伝言ゲームです。
 人、日、何かを重ねるにつれ。
 何かが縮み、何かが伸び、そして歪んでいく。

 今の私からすれば。
 重力は重さではなく、重ねる力。
 言葉の通りですが。

 それについては、また別の機会で。



 永くなりましたが。
 この映画を観た時、もの凄く感動しましたが。
 同時に、何かがもの凄く遠回りさせられている気がしました。

 科学、いえ、人の賢さというのは……。
 愚者の私からすれば。
 わかりきったことを信じず疑い。
 とんでもない、遠回りをする足枷のようなもの。

 そんな気がしてきました。

 きっと、人は、もっとわかりやすくて直感的。
 主観的に燃える感情的な力を誰もが持っていて。
 それが伝染していくホラー現象。

 生きとし生けるものは。
 信じた未知を進む。

 オカルト、超常現象といわれる概念。
 そっちの方が身近な事実で。
 それを否定する科学の方が……遠い物語。
 だけど、そのITを信じているから、そのITが確かなペニーワイズに感じる。

 時間が相対的だというけど。
 全てを相対的にしているのは……それを感じ取る人。
 
 その気になれば、この黒光宇宙をインテグラに変えて。
 白影夢中へ、堂々と凱旋。

 信じて忘れるか、信じて諦めるか。

 飛べ愚者、イカロスに続け!

 愚かな私には不思議でなりません。
 なぜ、賢くITを信じるのか。

 過去へは戻れない。
 流れる時間はどうにもできない。

 そう自分の無力さを突きつける。
 不思議な時間を。
 なぜ、そこまで信じられるのか。

 あまりに賢過ぎて、ついていけません。



 

 それでは、また次の機会にお会いしましょう。











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