ゲームのコントローラー


 はーい、テツガク肯定です。

 最近、『クッキングフィーバー』を遊びながら。
 ゲームの操作性には二種類あると気づきました。

 曖昧な直感的操作。
 明確な直感的操作。

 勝手に私が名づけた呼び方ですが。
 この二種類だと思います。


 なぜ、こんなことを考えたのか。
 それは、昔、友達とした話にあります。

 今どき、コントローラーじゃ遅れてるよ。
 FPSだってマウスには敵わないし。
 ジャイロ操作が一番。

 そんな感じのことを言われた気がします。

 確かに、そうなんだろうと当時から思いましたが。
 そう言われてから、ずっと引っかかっていました。

 えっ、それなら、スマートフォンが一番操作性の高いゲーム機になると思うけど。
 でも、どう考えても、スマホは……遊びにくいな、と。


 そう思っていた、私の想像は『クッキングフィーバー』で確信に変わりました。
 しばらくは、マウスでPC版のこのゲームを遊んでいました。
 マウスは私が言うところ曖昧な直感的操作です。

 スマホ版では全くプレイできなかったこのゲームも。
 大きな画面とマウス操作なら楽しく遊べます。
 ただ、問題がありました。調子が悪くなると必ず操作でつまづくことです。

 ところが、最近、相方のように気づいてしまいました。
 このゲーム、ペンタブでも遊べる、と。
 それで、ペンタブで操作してみました。
 もう、操作性でつまづくことはなくなりました。

 スマホとペンタブ、それらは明確な直感的操作です。


 この二つにどういう違いがあるのかというと。

 マウスの場合、右へ進む時は感覚で右へ進みます。
 これくらいかな、と具合です。
 おそらく、ジャイロ操作もそうだと思います。

 一方、スマホ、ペンタブは右へ進みたいのなら。
 右を押します。真ん中なら真ん中、左なら左。
 画面の中、領域の中で操作します。


 私は曖昧にこんな感じ、と操作するのが。
 信じられないほど苦手なんだと気づきました。
 一方で、理想的な操作性のスマホですが……。
 画面の大きさと、映像と操作が同じという部分が苦手なんだと思います。


 つまり、テレビに映像、コントローラーで明確な直感的操作。
 これが私にとって、最高の環境なんだと。

 えっ、コントローラーは直感的じゃないだろう!?
 そう感じた、あなたは賢いです。
 きっと、そうでしょうね。
 今となっては、直感的な操作なんかできやしないものでしょう。

 ですが、それが現れた時は。
 おそらく、これが一番直感的な近未来的なものだったのでは?
 そう、今は思います。

 足を骨折して、病室で静かにする日々。
 大好きな野球を楽しめなくても。
 ゲーム機があれば、コントローラーのボタンを押してホームランが打てる。
 これほど直感的なものはありません。

 パソコンで不思議なコマンドを打って遊んでいたのが。
 コントローラーのボタン一つで動く。
 スティックを傾ければ、その範囲で動く。
 慣れたら、自分の体の一部のように傾きを支配できる。

 もちろん、マウスだってそうなのでしょうが。
 傾きの角度ではなく、動かす自分の感覚が頼りです。
 自分の感覚は日々違いますから、スティックを傾ける方が私には合っているようです。

 と、まあ、コントローラーへの変態的な愛のようなことを語りましたが。
 その直感的という概念は、かなりいい加減で。
 体の動きで操作できるって、一見、近未来的で直感的な概念でしょうが。
 少し考えてみれば、それって原っぱで野球するのと何が違うの? です。

 ゲームが近未来的だったのは。
 原っぱでやってた野球が、家の中でボタン一つで、似た興奮を誰でも共感できるから。
 それが、家の中で、バットに似たものを振り回して……。
 それなら、ちゃんと野球をした方が……試合後にチームメイトと楽しく食事できたら最高ですし。


 ゲームって幻想だからいいんだと思います。
 ホンモノの野球には敵わないけど、ホンモノにはない面白さがある。
 本当の野球は、曖昧な感覚の世界のようです。
 バットの角度を~なんて言いますが、いざ振る時はエイ、ヤー! の具合で。
 曖昧な感覚でのスポーツです。

 一方、それとは全く違う幻想には。
 こう傾けて、このボタンを押す、という明確な感じが似合うって。
 そんなことを思う私は。
 再び、そういう時代が来るような気がします。
 脳波とかそういうものじゃなくて。
 明確な直感的操作ができるコントローラー。

 傾けて、押して、その結果が画面に現れ、思い通りに支配していく感覚を味わう。
 車のハンドルとペダルのように明確な操作感で。
 バラバラなものが一体化していく、この魅力にとり憑かれている。

 たぶん、私はその一人だと思います。

 あなたにとっての理想のコントローラーは。
 どんなものでしょうか?


 それでは、また次の機会にお会いしましょう。




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