見出し画像

ポルトガルでソフトウェアエンジニアになるまで 第2章 自己紹介&海外就職の動機

ポルトガルでソフトウェアエンジニアをやっているTettoです。今日は、私がどんな人間なのか。そして、なぜ海外でエンジニアをやりたいと思ったのかを書いていきます。


私のプロフィール

海外転職を試みたときの、私のエンジニアとしての経歴を簡単にまとめます。

  • 39歳。エンジニア歴14年。文系学部卒。

  • プログラミングは中学生頃から趣味でしていた。

  • 得意な言語はTypeScript, Golang, Flutter。

  • 新卒でITコンサルティング会社(1000人規模)に入社しフロントエンジニアとして業務アプリケーションの設計・開発を5年。

  • その後、数名のシードスタートアップに転職。フルスタックエンジニアとして6年、CTOを3年、自社モバイルアプリ・サービス開発の経験を積む。

  • その後、フリーランスエンジニアとなる。

  • 英語:イギリスに1年間留学。帰国後すぐに受けたTOEICは920(かなり昔)。全て日系企業だっため、仕事で英語を使う場面は少なく、スピーキング、リスニングは苦手。

お伝えしたいのは、私はエンジニアとして際立った経歴やスキルを持っているわけではないという点です。技術スキルも、英語スキルもそこそこだと思っています。CTO経験は普通じゃないだろと思われるかもしれませんが、シードスタートアップのCTOは、小さな開発チームのリーダーに近く、ソフトウェア開発の基本と、システム全体の理解が出来ていて、コミュニケーションができれば誰でもなれます。そういうスタートアップにたまたま自分がいただけ、という認識です。(ちなみに、複数の会社でCTO経験がある方は、技術スキルも優秀な方が多いと思います)

また、TOEIC 920点もすごくありません。日本企業においては意味があるかもしれませんが、920点は換算するとCEFR B2〜C1レベルであり、多くのヨーロッパ企業が求める「最低英語レベル」をぎりぎり満たす程度です。そして、スピーキングやリスニングにおいては、TOEICの点数は全く参考にならないと私の経験から自信を持って言えます。少なくとも、自分は高度なトピックについて準備なしでは全くスムーズに話せないし、リスニングにおいては例えシンプルな内容でも苦労しっぱなしです。

なぜ海外のソフトウェアエンジニアになりたいと思ったのか

日本でしか働けなくなることへの危機感

コロナパンデミックにより、リモートワークが一気に普及しました。地理的な制約に捉われず、働けるようになったことはエンジニアにとって朗報といえるでしょう。私も、自分の好きなカフェ、いつもと違う場所で気分を変えながら働けるこのスタイルがとても気に入っています。

一方で、これはエンジニアの競争激化を意味します。あなたが応募したいと思うリモートワーク案件には、世界中から応募が殺到するようになるからです。今まで「会社の近くに住んでいるから」「日本人だから」雇われていたポジションに「会社の近くには住んでおらず」、「日本人でも無い」けど、「とても優秀な隣国のエンジニア(そして日本人よりも単価は安いかも)」が応募してくるかもしれません。

そういう世界中のエンジニアにあなたは勝てる自信がありますか?

そして

日本で好きな仕事につけないとき、あなたは、日本"以外"で仕事を探せますか?

これに気づいたとき、私は37歳で、とても焦りを感じました。自分が世界のエンジニアと戦える自信も、海外でエンジニアとしての仕事に就ける自信も全く無かったからです。

「エンジニアスキルも英語スキルもそこそこ」
「海外での仕事経験もない」
「そもそも、どうやって海外のエンジニアの仕事を探すべきかもわからない」

こんな状況では、年齢を重ねるにつれて、海外でも日本でも好きな仕事に就くのが明らかに難しくなると思いました。逆に、海外でのエンジニア経験を積んでおけば、将来日本での仕事が難しくなっても、世界中から仕事を探すことができるとも思いました。それは人生の幸福度を上げてくれるに違いない。そう思ったのです。

ソフトウェアエンジニアとしての成長への期待

海外エンジニアは、ハイパフォーマンスで、残業をせず、業務時間内にきっちりと仕事を仕上げてくるというイメージがありました。また欧米では、コンピューターサイエンスのバックグラウンドを持っていることも普通であると聞きます。そういうチームで働くことで、ソフトウェアエンジニアとしての技術スキル向上と成長につながるのではないかと感じました。

またインターナショナルなエンジニアチームでは、英語は公用語です。そういうチームで日常的に英語で仕事をすれば、自分の苦手とするリスニングやスピーキング能力の大幅な向上が期待できるはずです。また英語の環境で働いたという経験値は、どんな一般的な英語スコアよりも雄弁に「あなたは英語でエンジニアと仕事をする能力がある」と示してくれます。

総合的に、海外で働くことでソフトウェアエンジニアとしての技術・英語スキルを大きく上げることにつながると思いました。

 デジタルノマドビザの出現

2021年ごろより、多くの国が「デジタルノマドビザ」をはじめました。これは、一定の収入を国外から得ていれば、その国への長期滞在が認められるビザのことです。この記事によれば2024/3/11時点で、日本やポルトガルを含む61の国が デジタルノマドビザ(or それに相当するビザ)を出しているそうです。

海外に長期で住みつつ仕事をするには、ビザが必要です。従来は、その国の企業から雇用してもらったり(雇用ビザ)、自分で起業する必要(企業家ビザ)がありました。さらに、ビザを出してもらうにも、何年も待つ必要があったり(例: アメリカのH-1Bビザ)、その国の大学を卒業していないと難しい(ニュージーランド)など、移住を諦めざるを得ないハードルが多かったのです。

デジタルノマドビザは、基本的には、収入要件を満たすだけで気になる国に住み働くことができます。ワーキングホリデービザと異なり30歳までといった年齢制限もありません。さらに、 デジタルノマドビザを一定年更新すると永住権につながる国もあります。例えばポルトガルの デジタルノマドビザは、5年更新すると永住権や市民権の申請ができます。

私の場合、当初想定していたデジタルノマドビザではなく、雇用ビザで移住をすることになりそうです(今まさに申請手続き中です)。とはいえ、ポルトガルのデジタルノマドビザがなければそもそも移住をイメージすることも無かったと思うので、とても大事な決断要素だったことは間違いありません。

今回は、私のプロフィール、そしてなぜ海外でのエンジニア就職を決断したのかについて書きました。

次回は、転職活動を始めるまでの準備について書いていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?