マリーンズ史上最高のシーズンは今後も2005年である可能性が高い

 「少年野球の盗塁禁止」なんて話が話題に上がってるが、とりあえずここではスルーする。まずは12球団個々のテーマで語り切りたい。


 で、今回は俺が今ファンをやってるロッテについて。

 2005年はこのサイトで宣言してる範囲で一番新しい年…いや、2000年代後半だから1年オーバーかな。

 まあこの年は俺が子供のころは変わることはないと思っていたものがゴロっと変わった、球界再編元年だったところ。まあそれがもう15、6年前かと思うとぞっとはする。このシーズン、マリーンズは大ブームを巻き起こしたと言っていいだろう。ロッテファンの熱量(特にライトスタンドを丸々埋めるビッグフラッグは今考えてもヤバい)と声量と統一感がセパ交流戦によって12球団に浸透。甲子園球場での試合で敵地ファンがホームを吞み込む迫力はもちろん、ビジターファンをとことん冷遇するマツダスタジアムですら制圧する応援は今も代名詞として君臨している。

 さてこのシーズン、交流戦や日本シリーズはもちろん、同じく始まったアジアシリーズ、ついでに二軍もリーグ戦・選手権も制する「シーズン六冠」を成した伝説の1年ではあるが、一軍のリーグ戦自体は2位に終わっている。当時のプレーオフは今と違って、プレーオフ王者がリーグ優勝扱いとなったので31年ぶりの優勝として歴史に残った。ただ、それゆえにシーズン1位でのリーグ優勝からは未だ遠ざかっている状態であるし、それが達成されるシーズンはいつか来るだろう。

 ただ、それでも2005年を超えるシーズンになることはおそらくそうそう来ないだろう。

 あの時の陣容はボビー・バレンタイン監督という稀代のカリスマ指揮官がチームを率い、投手陣ではサブマリンの渡辺俊介を筆頭に、清水直行、小林宏之、小野晋吾、新人・久保康友、助っ人サウスポー・ダン・セラフィニの先発6本柱に阪神のJFKに対抗して「YFK」とされた薮田康彦・藤田宗一・小林雅英の鉄壁リリーフ陣。里崎智也・橋本将のツープラトン正捕手に福浦和也、サブロー、小坂誠といった中堅選手にはつらつとしたニューヒーロー西岡剛と今江敏晃、マット・フランコ、ベニー・アグバヤニ、李承燁の大砲助っ人トリオ…攻守ともに完璧に近い陣容だったわけだが、このメンバーに加えてあの18連敗を含め「弱いころのマリーンズ」で看板を張っていた面々がこの優勝に間に合ったことが何よりの感動を残している。

 この年限りで引退したミスター・ロッテ初芝清、「魂のエース」と称され腕を振るい続け、長期離脱からの復活を果たしたジョニーこと黒木知宏、90年代のロッテの看板エースとして何度も開幕投手を務めた小宮山悟、初芝とともに打線の軸と担い続けた堀幸一に、熱血プレーが印象的な諸積兼司…彼らが31年ぶりという滅多に回ってこないチャンスに立ち会えたわけだ。若手、中堅、ベテランのバランスが、これ以上ないぐらいに整っていた。特に初芝の引退と黒木の復活が間に合ったのはロッテファンとしては感動的だろう。惜しむらくは日本シリーズがあっけなさすぎて、出番が限られてしまったことぐらいか。

 多分、いつかシーズン1位でリーグ優勝できる日は来る。だけど、この2005年を上回る感動を得られる日は、それ以上になかなか来ない。これはいつまでも言い続けたい。

 

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