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あなたは 「与える人」と「奪う人」 の どっち?

Are you a giver or a taker?

by Adam Grant

アダム・グラント(Adam Grant)の
「与える人」と「奪う人」
 あなたはどっち?

Are you a giver or a taker? 
というTEDスピーチです。

あなたは
ギバー
テイカー
マッチャー

のどれに当てはまりそうですか?

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パラノイア(疑心暗鬼)がはびこる

パラノイアの発生元は「テイカー」(奪う人)です
他人とのやりとりにおいて利己的な人です。

「何をしてもらおうか」という意識の人です。
反対が「ギバー」(与える人)です

普段他人とやりとりするときの意識が
「何をしてあげようか」な人です

誰しも「与える」ときと「奪う」ときがあり
大体の人を大体においてどう扱うかという標準が
その人のスタイルです。

テイカーは誰もがナルシストなわけではなく
燃え尽きてばかりでうんざりしたギバーだったりもします

「サイコパス」(精神病質者)と呼ばれるテイカーもいます

この両極端な特性の人々がどれだけいるのか
興味を惹かれ世界の文化をまたぎ
色々な業界の3万人以上を対象に
調査を行った結果
大体の人はど真ん中に位置すると
判明しました

「ギブ」と「テイク」の間です

「マッチャー」という損得のバランスをとるスタイルです

「ギブ」と「テイク」の均等なバランスを保ちたがる代償型の人です

つまり「何かしてくれたら私も何かしてあげる」という人です

生き方としては無難そうですよね

でもそれって最も効果的でかつ生産的な生き方なのでしょうか?

その答えはかなり絶対的な「たぶん」です

様々な調査をしてきた結果、意外にもそれぞれの職業において
最低の成績を出していたのはギバーでした

仕事が一番遅かったエンジニアは見返り以上の頼まれごとをこなしていた人でした

他人がするべき仕事で手一杯過ぎて時間も力も尽きてしまい自分の仕事が終わらなかったのです

医学部で最も成績が悪かったのは次のような文への共感度が最も高かった生徒です

「人のために何かしてあげたい」

裏返せば信頼すべき医者とは

誰かを助ける意欲を一切持たずに医療を志した人だということになります

営業でも同じく売り上げが最低だったのは最も氣前のいい営業マンでした

そこでギバー指数が非常に高かった営業マンに実際に連絡を取って聞いてみました

なぜそんなに営業が下手・・・
「氣前が良すぎると売り上げに影響するのでは?」

帰ってきた答えはこうでした
「お客さんが本当に大切なのでうちの粗悪品は絶対に売りたくないんです」

ギバーはしばしば自己を犠牲にしてしまう一方で
組織に改善を起こす人でもあるのです

証拠になる事実はたっぷりあります

非常にたくさんの研究が「与える」行為のチームや組織の中での発生頻度を調べており人々が助け合い知識を共有し合い面倒を見合う頻度が高い組織ほど測定可能なあらゆる指標において優れていました

利益率 顧客満足度 従業員の定着率は高く
営業費削減に繋がってさえいたのです

でもギバーは多大な時間を費やして他人を手伝い
チームの改善に尽力し
結果自分の仕事は思うようにいかないわけです

そこでギバーが活躍できる環境を作るのに必要な要素とは何か
お話ししたいと思います

成績ビリがギバーなら
トップは誰なのでしょうか?

ご安心ください。
テイカーではありません。

テイカーは大体の職種においてすぐ伸びますがすぐ落ちます
マッチャーに足元をすくわれるのです

マッチャーは公正な世界を信じ「目には目を」がモットーなのでテイカーに出会うとその人を存分に懲らしめることが自分の使命であるかのように思ってしまうからです。

そうやって裁きが下るわけです

大体の人はマッチャーなのでテイカーには結局ツケが回ってくることになります

「因果応報」というわけです

ですから論理的に考えると成績トップはマッチャーになるはずです

それが違うのです

私が観察してきたどの職種でもどの組織でも
首位にいたのもなんとギバーでした

何百人という営業マンの売上の記録を集めたデータをご覧ください
ギバーの成績は両極端ですね
売上最下層の人々のほとんどを占めながらトップの層もギバーです

エンジニアの生産性も同じパターンになり
医学生の成績でも同じでした

最上位も最下位もギバーばかりだったのです

私が知る限りの成功指標
どれを見ても同じでした

ここで疑問が生じます

もっと多くのギバーが成功する社会はどうしたら作れるのでしょうか

その方法
企業だけでなく非営利団体や学校や行政機関でも使えるコツをお話しします

決定的に重要な
1つ目の条件は

その組織にとって最も貴重な存在がギバーであり
でも氣をつけないと燃え尽きてしまうと認識することです

特に守らなければいけない存在なのです

これについては『フォーチューン』誌が選んだ世界一の人脈を持つ人物から大いに学びました
アダムリフキンという男性です。

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いくつも事業を起こして大きな成功を収め莫大な時間を人助けに費やしています

リフキンの秘密は「5分間の親切」です

マザーテレサやガンジーを真似なくてもギバーにはなれる

「他人の人生に大きな価値を与えるちょっとした方法を見つけさえすればいい」だそうです

例えば知り合うと良さそうな人同士の間を取り持つといったシンプルなことでもいいし知識を共有したり率直な意見を言ってあげたり次のように本当に基本的なことを宣言するだけでもいいのです

「よしこれから働きが周りに認知されていないような人を賞賛できるかどうかやってみよう」

この「5分間の親切」はギバーが対人関係で境界線を引き自分自身を守るのに必要不可欠です

大事な点 
2つ目

ギバーが活躍できる環境作りには人に頼ることが当たり前であるという下地がまず必要です

誰もが頻繁に助けを求める文化です

「どんな人間関係でも常に与える側にならざるをえないと?」

成功しているギバーは自分が「受け取る」側になってもいいのだと認識しています

組織を経営していればこれを促すことも可能です

人にものを頼みやすい環境を与えればいいのです

何人かで一緒に病院を観察したところ
ある階では看護師たち同士の助け合いが頻繁に起こり他の階ではほとんどありませんでした

助け合いが自然に起こりそれが当たり前である階でひときわ目立ったのは同じ科の他の看護師を援護するためだけにいる看護師が一人だけいたことでした

そんな環境にある看護師の声です
「人に頼るのは恥ずかしいことでも弱さでもなく実際推奨されているんです」

助け合いはただ単にギバーの成功や幸福を守るためだけではなくギバーのように振る舞う人々を増やすためにも非常に重要です

データによると
組織で起こる「与える」行為全体の75%から90%がお願いから始まるからです

大抵の人はこれができません

理由は無能だと思われるのが嫌だとか誰に頼めばいいかわからない
負担をかけたくないなどですが
誰も助けを求めない組織では誰のために何ができるかさえわかれば喜んで力を貸したいというたくさんのギバーたちが不満を抱えることになります

でもギバーが活躍する環境を作るのに最も大事なことは何かといえば誰をチームに迎えるかをよく考えて決めることです

私は当初生産的な与え合いの文化を築きたければギバーを揃えればいいのだと考えました
しかし意外にも実はそれは間違いだったのです
一人のテイカーがいると一人のギバーがもたらす好影響の2倍から3倍の悪影響が生じることがわかりました

例えば腐ったリンゴひとつで樽全体がダメになりますがいい卵が一つあっても箱全体の卵が良くなったりはしません

今のは自分でも意味不明ですが(笑)

なんとなくつかめたでしょうか?

とにかくテイカーを一人でもチームに入れるだけでギバーたちは出し惜しみを始めます
「周りはキツネ野郎やタヌキ野郎ばかりだから力を尽くすだけ損だ」と

でもギバーを一人チームに入れても急に親切の連鎖が始まることはありません
それより大抵は
「やったねこの人に全部任せちゃおう」となります

効果的な採用活動やチーム作りにおいて大切なのはギバーを登用することではなくテイカーを排除することなのです

うまくやればギバーとマッチャーだけが残ります
搾取が起こらないのでギバーは安心して親切さを発揮します

マッチャーのいいところは周りに合わせるという性質です
では手遅れになる前にテイカーをあぶり出すには?

実のところ私たちはテイカーを見抜くのがかなり苦手で特に初対面ではうまくいきません

ある性格特性に氣を取られてしまうのです
「人当たり」というものです
様々な文化において性格の大きな要素の一つです
人当たりのいい人は温かく友好的
好感度大で礼儀正しいタイプです

カナダでは国の新しいスローガンの募集がありました
次の空欄を埋めるというものです

「カナダ人なら◯◯◯」

作り話ではなく

「カナダ人なら臨機応変」だったのです

会場の中で非常に人当たりがいいか微妙にカナダ人的だという人はすぐに意味がわかるはずです

周りを喜ばせようとして常に人に合わせている自分を

何か一つに喩えるなんて無理な話です

人当たりの悪い人はそんな努力はせず批判的で懐疑的で一筋縄ではいきませんし周りの人より非常に高い確率で弁護士を目指します

今のは冗談ではなく実証済みの経験的事実です

さて私はずっと人当たりのいい人がギバーで人当たりの悪い人がテイカーだと思い込んでいましたがデータを集積して唖然としました

これらの特性には全く何の相関性もなかったのです

実のところ人当たりの良さ・悪さは
表向きの姿だからです

接していて氣持ちがいいかどうかです

一方ギブやテイクは内的な動機という性質が強くその人の価値観や他人に対する意図が現れます

人を正確に見極める方法を本氣で知りたいなら会場のコンサル業の方はどなたも手がムズムズしているはずです

2X2の分割表を描くんです

         GIVER     TAKER

AGREEABLE 

DISAGREEABLE
 

「人当たりのいいギバー」は簡単に見分けられます
全てにイエスと言うのですから
「ネッド・フランダース」

         GIVER     TAKER

AGREEABLE    ◯

DISAGREEABLE


人当たりの悪いテイカーもすぐに見つかります

ただ微妙な呼びかたになるかもしれません

「ダース・シディアス」

         GIVER     TAKER

AGREEABLE    ◯

DISAGREEABLE           ◯


残り2つは忘れられがちですが一つは「人当たりの悪いギバー」です

表面上は無愛想で扱いにくいのですが
内面では本当に他者の幸せを考えています
「グレゴリー・ハウス」

         GIVER     TAKER

AGREEABLE    ◯

DISAGREEABLE   ◯       ◯

エンジニアに言わせれば
「人当たりの悪いギバーってユーザーインターフェイスはひどいけどOSとしては傑作みたいな?」

これでわかりますかね

人当たりの悪いギバーは組織で最も過小評価されている人々です
誰も聞きたくないけど誰もが聞く必要のある批判的な意見をあえて言う人だからです
そんな人々をもっと上手に評価するべきです

こんなことを言って早々と見限るべきではありません

「この人感じ悪いから自己中なテイカーにちがいない」

私たちが忘れがちなもう1種類が致命的な
「人当たりのいいテイカー」
いわゆる詐欺師タイプです

表向きはいい顔をするけど裏ではひどい仕打ちをする人です
「ステューウィー・グリフィン」

         GIVER     TAKER

AGREEABLE    ◯       ◯

DISAGREEABLE   ◯       ◯

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こういう人を面接で見抜く私のお氣に入りの方法はある質問をすることです

「自分のおかげでキャリアが劇的に向上したと思う人を4人あげてください」

テイカーは4つの名前を挙げますが
そのどれもが本人よりも影響力のある人の名前なのです

テイカーは上の人には媚び
下を虐げることに長けているからです

ギバーは自分よりも地位が下の人の名前を挙げることが多いです

あまり影響力のない人や役には立たない人の名前です

現実を言えばその人の人となりはレストランの従業員やタクシーの運転手への接し方を見ていればよくわかります

こうしてうまいこと組織からテイカーを駆逐して安心して周りに助けを求められる環境を整えギバーが燃え尽きてしまうのを防止した人の力になりつつも自分自身の目標を野心的に追及してもいい文化を作ることができれば成功とは何かという考え方も変えられるのです

競争を勝ち抜くことが全てではなく貢献そのもののほうが大事なのだと皆氣づき始めるでしょう

私は最も意義ある成功の形とは
他者の成功を手伝うことだと考えています

この考え方を広められればパラノイアをひっくり返すことも可能です

名前もあるんです

「プロノイア」と言います

プロノイアとは妄想の一種でその人の幸福を周りの人が企てているとか自分がいないところでものすごく評判になっているという思い込みです

ギバーの素晴らしい部分はこれが妄想ではなく現実であるということです

ギバーこそが成功するような世界を創っていくのにみなさんの力を借りることができたら嬉しいです

ありがとうございました


 

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魔法の教室認定講師として日々実践することから感じる心模様を思うまま綴るとともに「魔法の教室を受講されるみんなが豊かに」というゴールを目標に発信させていただいています。