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君たちに捧ぐこの手紙 vol.002 「自分の小ささ」

「うた」&「はる」へ


Pura Vida!

今日はとてもとても暑く
予報では33℃になるらしいです。

7%の不安と、93%の楽しみ。

寒いのは嫌だけど
暑さに対してはなぜだか
ワクワクしてしまう自分がいます。

何だかんだで、夏が一番好きだと思います。

で、夏のような天気の影響なのか
今はSpotifyの「90年代黄金期レゲエ」を
聴きながら、この手紙を書いています。

アスワド、ダイアナ・キング
インナーサークル、C.J.ルイスなどの
懐かしい曲を聴いては、テンション爆上がり!

これらの曲は
1年間の幻の大学生時代によく聴いていました。
( とぉとの最終学歴は「拓殖大学中退」)

サッカー部のカッコよくて大好きな先輩が
寮の中でいつも爆音で流していて。

そこから
レゲエという音楽自体にも惹かれていきました。

でも今振り返ってみたら
レゲエそのものに惹かれたということ以上に
その憧れの先輩が聴いていた音楽だからカッコいい
と思い込んでいたのかもしれません。

まぁ、どちらにしても「出会い」でした。

だからなのか
この「90年代黄金期レゲエ」を聴いていると
拓殖大学サッカー部でのあれこれを思い出すのです。

38%の甘酸っぱい気持ちと、62%の苦しい気持ち。

その複雑な気持ちが湧き上がってきては
窓の外の景色をぼーっと眺めてしまいます。

19歳だったとぉとは
チームメイトたちのサッカーへの姿勢に
納得がいかないとずっとイライラしていました。

なんでサッカーを中心に考えて生活していないの?

その苛立ちが積もりに積もっていき
1年が経って大学に退学届を出しに行きました。

あっさりと受理されてお終い。

この1年間すべてが
紙一枚で終わてしまった気がして
たまらなく虚しかったことを覚えています。

そして、寮生活の荷物をまとめて
迎えに来てくれた幼なじみのかーくんの車に載せ
最後に、寮のすべての部屋に挨拶に行きました。

意を決して。

正直、怖かった。本当に怖かった。
この仲間たちを裏切ってしまうと思ってたから。
何を言われても、無視されてもしょうがない。

でも。

そんな仲間じゃありませんでした。

みんな、これまでの感謝を伝えてくれ
これから始まるブラジル挑戦を心から応援してくれ。

で、最後の最後に
一番行きたくなかった先輩の部屋へ。

その人はずっと
自分のことを面倒くさくいじり倒してきて
全然向き合ってくれない感じがしていて
今回もどうせバカにされて終わりなんだろうなと。

ドキドキしながら部屋に入りました。
すると、先輩は震える声で


「 あり(とぉとのこと)辞めちゃうんだ…
 ずっといると思ってたからなんて言ったらいいか…
 そんなこと考えてたなんて全然知らなかった…
 お前の気持ちを考えてあげられなかったことが
 本当に悔しいし、本当にごめんな…
 マジで応援してるから…頑張れよ…
 今までの1年間、本当に本当にありがとうな… 」


と言って涙を流しました。
とぉとも泣いてしまいました。

ああ、ダメだ…
これを書いているたった今も泣いてしまいそうだ…

よし、気を取り直して。

その先輩と握手をして別れ
かーくんの車に乗って、激しく思ったんだ。

自分はなんて勝手なやつなんだ…
周りのことばかりに目を向けてイライラして
自分のことをまったく見れていなかった。

そのイライラした想いを
言葉に変えて誰にも伝えることもせずに
状況が変わってくれることを期待してただけ。

心の弱さと、人間としての小ささ。

自分のことを真剣に考えてくれて
涙を流してくれる人までいる
そんなステキな場所にいたことを
とぉとはまったく気づいていませんでした。

しかもそれから20年近く経って
とぉとが働いていたサッカーカフェに
その先輩や同級生は遊びにも来てくれたんだ。

感謝しかないよ、本当に。

大学を中退したことは後悔していません。
あの時の自分なりに一生懸命考えて出した結論だから。

でもだからこそ
あの時の自分にこれだけは言ってあげたいです。


「 まず自分の心を開いて。その勇気をもって 」


うた、はる
今のように心を開き続けてずっと生きていってね。
その心に惹かれて、人は必ず集まってきてくれる。

窓を開けたら
虫が入ってくることもあるかもしれないけど
とびきり心地いい風だって入ってきます。

それなのに
窓を閉めっぱなしになんかしてたらもったいない。

窓を開けよう。心を開こう。風を浴びよう。
そんな人生がいいなと、とぉとは思います。

しかし、こんなご機嫌なレゲエを聴いて
泣きそうになるなんて思ってなかったなぁ…

じゃあ、またね。



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