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君たちに捧ぐこの手紙 Vol.003「寂しさを感じられる幸せ」


「うた」&「はる」へ



Pura Vida!

今日は夕方からざーっと雨が降りました。
そういえば昨日も同じくらいの時間にざーっと。

雨が続くと晴れてほしくなる。
晴れが続くと雨が降ってほしくなる。

どっちかじゃなくて、どっちも。
きっと、なんでもそうなんだろうね。

さて、かぁか&うた&はるが
東京に帰省して1ヶ月半くらいが経ちました。

いつも
かぁかたちがアップしてくれる写真を見てるけど
みんなが思いっきり遊んでくれて本当に嬉しいね!

ふたりの楽しそうな顔を見るたび
これは負けちゃいられねえぜと張り合ってます。








えー、でも、正直に言います。

みんなと離れて
こんな寂しい気持ちになるとは思わなかった!!

とぉとの人生で一番寂しさを感じています。
こんなに寂しさを感じる人間だとは思いませんでした。

でもね、でもね
強がりでもなんでもなく、こうも思うんだ。

みんなにとって、特別な時間なんだよなって。
だから、目いっぱい楽しもうって。



とぉとは若いとき
大学を中退してブラジルにサッカー留学をしました。

時は、1995年。
まだインターネットがない時代です。

受け入れ先のプロチームの寮に入り
大変ながらもとても楽しく充実した日々でした。

でも数日間のオフになったりすると
寮で生活している選手たちが故郷へ帰り
自分はなんだか取り残された気分がして
たまらなく寂しい気持ちになったものでした。

そんなタイミングでした。

寮の食事を作ってくれてる
おばちゃんが嬉しそうに近づいてきて


「 アリサーカ!日本からだよ! 」


そう言って渡してくれたのは
とぉとのお母さん " トシコ " からの手紙でした。

東京都練馬区の実家を出発して
ブラジル・サンパウロ州タナビの
サッカーチームの寮へとやってきた手紙。

日本語自体に触れることのない日々のなか
いきなり届いた母からの手紙に
楽しみ過ぎてドキドキしてしまいました。

誰もいない食堂で封を開け、まずひと呼吸。

その手紙には
ブラジルへ発つことを決めたとぉとへの想いと共に
こんなことが綴られていました。


「 じつはね
 再婚したいと思ってる人がいるんだ。
 帰国したらぜひ会ってね 」


驚きと嬉しさが一気に込み上げてきました。

というのも
ブラジルへ出発する朝
トシコへの感謝の手紙を家に置いて出たのですが
そこにこんなことを綴っていたからです。


「 もし再婚したいと思ってる人がいたら
 うちらのことは気にしないで再婚してよ 」


このときに
そんな相手がいるなんてまったく知りませんでした。

うちら3兄弟のため
ただ一生懸命に生きてくれていたトシコに
少しでも自分自身の人生も楽しく生きてほしい
そう思って書いたことだったので。

もしかしたら
遠いブラジルという国に行っていなかったら
伝えられなかった想いだったのかもしれません。

ちなみに、その再婚相手が今のじぃじなんだよ。

とぉとのバイブルの一冊
星野道夫さんのエッセイ『旅をする木』の中で
こんな言葉が紹介されていました。


「 いいか、ナオコ
 これが僕の短いアドバイスだよ。
 寒いことが、人の気持ちを暖めるんだ。
 離れていることが、人と人とを近づけるんだ 」


そう、離れているからこそ、近づけることもあるんだ。

だからこそ、とぉとは
今のひとりでの福岡生活の残りの日々も
めっちゃ楽しんでやろうと思ってます。

かぁか&うた&はるが
みんなと楽しんでいるそれ以上に
わーーーって楽しんでやろうと思ってます。

今しかできないことがあるんだからね。
それを見つけられるかどうかは自分次第なんだからね。

みんな楽しさMaxの状態で福岡で会おうね。
そして、福岡での生活をさらに楽しくしていこうね。

会えなくて寂しいと思える人がいるって
なんて幸せな人生なんだろう。ありがとう。

じゃあ、またね。





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