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元日本代表サッカー選手に浄化されてしまった。

あの “ 本山雅志 ” が糸島にやって来た。

鹿島アントラーズで365試合出場し
日本代表のAマッチにも28試合に出場
現在は「鹿島アントラーズ」の
アカデミースカウトを務める本山雅志さんが
エリア伊都」に遊びに来てくれました。

日本代表が
W杯初出場を果たした1998年フランス大会の
翌年に開催されたU-20W杯。

背番号10を背負った本山さんを中心に
日本代表は逞しく勝ち抜いていき
日本サッカー界にとって
世界大会初となる決勝戦に進出。

現バルセロナ監督シャビが牽引した
(異次元な上手さでビックリ…)
スペインには敗れたものの準優勝を果たし
先日現役引退を発表した小野伸二選手と共に
大会のベストイレブンにも選出されたのでした。

今回は
エリア伊都の活動に興味を持ってくださり参加。

いきなりワールドユースにまつわる
こんな興味深いお話を聴かせてくれました。



「 ワールドユース本大会が行われる
 ナイジェリアを想定して
 隣国であるブルキナファソで
 直前合宿が行われたのですが
 これがなかなかスゴイ環境だったんです 」



「 例えば、練習後に部屋のシャワーで
 練習着を洗おうとしたら泥水が出てきたんです。
 “ これさ、洗わない方が綺麗じゃない? ”
 となって洗わずにそのまま干したんですけど
 とんでもなく臭くなってしまって…(笑)」



「 日本では味わえないようなそんな経験を
 ブルキナファソでたくさんすることができたので
 より経済水準の高い
 ナイジェリアでは全然余裕でしたね 」



当時の代表監督トルシエは
このブルキナファソでの合宿について
インタビューの中でこんな意図があったと。



『 アフリカで
 もっとも経済水準が低い国で
 現地のものしか食べさせなかった食事。
 数時間かけて悪路を行くバス移動。
 冷房も効かず、寝室の中を一晩中
 蚊が飛び交うホテル。
 茶色い水しかでない水道。
 サッカーボールは貴重品で
 ユース代表選手ですら
 古いスパイクを大事に履いている。
 そしてそんな環境で
 彼らはサッカーをしている。
 移動の途中ではワニ園に立ち寄り
 皇帝や国家元首への敬意訪問も行なった。
 ホテルのバーでは選手たちが
 楽器を奏でながらダンスも踊った。
 さらに大会期間中のナイジェリアでは
 孤児院も訪問した。
 選手たちを精神的に逞しく
 タフにさせるうえで合宿の効果は絶大だった。
 2か月後のナイジェリアの厳しい環境にも
 彼らはまったく動じなかったのだから。
 ブルキナファソよりずっと過ごしやすいと
 むしろリラックスしているほどで
 稲本はじめ幾人かの選手たちは
 にわかに日本贔屓となった
 地元のサポーターたちと
 試合後一緒に楽しそうにダンスを踊っていた 』



これ、すっごくわかる。

日本とのギャップが激しかった
ブラジルでの不便極まりない環境を体験した後
日本の様々な環境を受け入れられるようになった
という自分自身の体験があったので。

環境に適応していくという
動物ならではの能力が磨かれていったんですよね。

自分もnoteに書いたことがあります。



『 おそらく今の日本は世界で一番
 不便が少なく便利に囲まれている国なので
 便利を取りに行ったとしても
 子どもの経験値にはならないんじゃないかなと。

 逆に日本では味わえない不便なことを
 たくさん経験していけたなら
 日本に帰ってきたときの
 その子の目はきっと前よりも輝いているはず 』



エリア伊都に遊びに来てくれた本山さんは
保育園児→小学生→中学生と
全ての活動に参加してくれただけでなく
全ての選手たちと
一緒にプレーまでしてくれました。

中学生の練習会場に着いたときには
かなりお疲れだったのですが
ゲームに混ざってほしいことを提案すると
こんな素敵な回答が。


「 サッカーやらせてもらっていいんですか? 」


プレーしていても
サッカー大好きな感じが溢れ出しているし
子どもたちにはポジティブな声がけで関わってくれ
スタッフ・保護者にはとびきりフランクな姿勢で
自らどんどんと話しかけてもくれて。

「キャプテン翼」の翼くんみたいでした。

そう、小野伸二選手もそんな存在ですよね。
2人のプレーの相性が良かったのも納得。




つい最近の
「footballista」のインタビューで
本山さんが同世代の選手たちについて
こんなことを話していました。



『 みんなのプレーも
 サッカーへの取り組みも個性的でした。
 10代から知っていて
 40歳になってもまだ
 サッカーが上手くなると心から信じている。
 お互いがどんな状況でも刺激し合って
 自分もサッカー選手として
 まだまだ成長できるんじゃないかって
 ずっと思わせてくれた存在です。
 何が才能と呼べるものだったんだろう
 って、子どもたちを見ながら振り返るんです。
 彼らはみんなサッカーに対して
 本当に素直でした。個性は強いし
 そりゃもうとんでもない負けず嫌い。
 でもサッカーが上手くなれるんだったら
 何だってやってみる、聞いてみる、取り入れる。
 そういう素直さは共通していました。
 スカウトになってみて
 それは素質だったんだと改めて気付かされた。
 だから素直な選手かどうかは見ています』




サッカーが上手くなれるんだったら
何だってやってみる、聞いてみる、取り入れる。



そんな無垢な心ほど強いものはないですよね。



自分はそういう心で
これまでサッカーをやってきたのだろうか?



今はそういう心で
サッカーに関われているのだろうか?



本山さんを見ていたら
そんな問いが自然と湧き出していました。

若いときと比べたら
だいぶ良くなってきてはいるけれど
周りからの見られ方を気にしていたり
何の必要もないプライドが邪魔をしてきて
心のままに行動できない自分がまだいる。

そんな自分は、やっぱり嫌なんですよね。

何かで読んだ格闘家・高阪剛さんのこのお話しも
本山さんの無垢な心と
通じるものがあるなと思います。



『 モーリス・スミスって格闘家が
 キックの練習をしているのを彼の生徒が見て

 「モーリス、そんな蹴りじゃだめだ!」

 と言っていたんです。そしたらモーリスは

 「ちょっと教えてくんない?」

 って教わっていた。
 そのことを、あとで聞いてみたら

 「いや、俺はあいつに

  昨日教えたばっかりだから
  あいつの頭んなか
  ものすごい今、ピュアなんだ


 「ああいうピュアなやつの意見を
  大事にしなきゃいけないんだ」

  って。それを聞いたときに

 「俺、アメリカに行こう」って決めたんです。

  こういうとこで一回生活しないと
  わかんねえよと思って 』



生きてる間に
こういうモーリスのような境地に
達してみたいもんです。

ジュニアユース練習が終わった後
中学生に「グラウンド整備をしようか」と話すと
本山さんが真っ先に「よし、やろう、やろう」と
自ら先頭に立って、グラウンド整備を
子どもたちとワイワイ談笑しながら。

ご自身のパーソナリティを全開にして
まずは自分が思いっきり楽しみながら
みんながハッピーになるよう関わってくれる。

その人間性に感化されて
気づいたら、心が浄化されていました。

なんか、本当にスゴかったなぁ…




最後に。

11/19に本山雅志さんの引退試合が
カシマサッカースタジアムで行われるのですが
その紹介ページ内のスペシャルムービー必見です。

本山さんらしいエピソードが語られていて
思わず笑ってしまいました…(笑)



本山さん、本当にありがとうございました!!



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