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埼玉を横断する①

秩父鉄道を使い、埼玉の北を横断しよう!

埼玉を横断するシリーズ。第1回は秩父鉄道にて北部を横断します。
次回の第2回は、東武アーバンパークラインと川越線。
最終回は武蔵野線です。横三列に鉄道を使って埼玉を東から西へなぞるシリーズです。
秩父鉄道。埼玉の北部を横断する鉄道です。埼玉と東京を潤す荒川沿いにつくられました。
江戸時代から転生してきた人には、秩父往還に沿ってつくられた鉄道といえば分かるでしょうか。そう、甲州へ峠越えするときによく使ったよね!熊谷から寄居を経て秩父往還まっつぐに、あの大宮の町が今の秩父だよ。大滝から栃本関を超えると右手に甲武信ケ岳、左手に雲取山、過酷な山道でしたよね。

忍(行田)→熊谷→寄居→大宮(秩父のことで、さいたま市の大宮ではない)→三国山方面が秩父往還です。

…それはさておき、東側のスタート地点に向かいましょう。東武線の羽生という、群馬の手前の駅で乗り換えることができます。


羽生から出発!

羽生は、羽生水郷公園とその中にある「さいたま水族館(荒川の淡水魚だけを集めた稀有な水族館)」、地元のおいしい野菜など特産物を売っている「道の駅はにゅう」などのスポットがあります。

撮影してなかったため、WIKIから羽生駅
秩父鉄道「羽生」駅。東武線と乗り換えます。
秩父鉄道の旅を、地元を描いた漫画でお楽しみください。
羽生市郷土資料館は図書館と併設しており小さいながらも、地元を描いた「田舎教師」と田山花袋の展示があります。(羽生市のHPより)
田舎教師は羽生が舞台で、昔の羽生のようすが展示にて見られます(筆者撮影)。

行田市

羽生を出てしばらくすると、次は行田市駅。
「のぼうの城」という作品でおなじみの忍城はすぐ近く、行田市郷土資料館も併設してあります。徒歩25分ですが「さきたま古墳群」は歴史の教科書で有名な稲荷山古墳、そして「埼玉」の語源になった「前玉(さきたま)」「埼玉」の地名も見られます。
上越・北陸新幹線や上野東京ライン・高崎線の行田駅からは徒歩は遠ざかるがバスが出てるかな。

WIKIより行田市駅。

田んぼアートや蓮を楽しめる古代蓮の里公園には行けませんでしたが、さきたま古墳群、そして忍城と足袋で有名な行田市街の様子をちょっとだけ紹介しましょう。
まずは古墳群に向かいます。近くの和菓子屋では「うまい、うますぎる」で有名な十万石まんじゅう、甘くないアンコモチの「塩あんびん」。
「観光物産さきたまテラス」では日本で稲作始まったばかりの「古代米」のカレーに、埼玉おなじみ行田に本社の森乳業がある「わたぼく」の濃厚ミルクのソフトクリーム、ひょっとして行田のB級グルメのゼリーフライはいただけるかな。

さきたま=埼玉です。埼玉発祥の地なんですね。

さて、あらかじめ言っておきますがNOグルメです。筆者のお腹があまり空いていませんでしたから仕方ありませんね。プロ意識なくてすいません。
代わりに素敵な古墳をお見せいたします。

教科書で有名な鉄剣。
古墳の中に入りましょう。
古墳は昔の権力者のお墓。
鉄剣の文字によると、稲荷山古墳はワカタケル大王(雄略天皇)の家来であった地元豪族ヲワケの墓だったと思われます。
古墳の上に登ることができますので、ぜひみなさんもヤッホーをかましてみてください!

忍城の中に郷土資料館があり、城や行田市の歴史、足袋づくりについて勉強できます。撮影禁止のために写真は控えます。

熊谷市

行田市を過ぎると、熊谷駅。
熊谷は日本最高気温を出した内陸の「日本一暑い町」や平家物語で有名な「熊谷直実」公の土地だけでなく、生糸の生産でも有名。
片倉工業は、長野の諏訪から始まった製糸業者の片倉財閥にはじまり「シルクエンペラー」といわれた2代目片倉兼太郎で事業拡大、昭和14年には日本初の官営工場・富岡製糸場を吸収合併。その拠点の熊谷工場の様子です。
片倉シルク記念館、ただし、最寄りは熊谷駅より秩父鉄道「上熊谷」駅が近いでしょう。

戦前の、熊谷から東京を俯瞰した地図。
さあ、秩父に向かいますよ!

熊谷駅から徒歩しばらくだと、荒川沿いの桜堤が名所です。
あいにく、桜は散った後で夜の風景ですが。
それ以外も、熊谷市は「うどん消費量日本一の埼玉県」の中でも小麦の生産が県内一位。広い定義がある武蔵野うどんの中でも、駅内に「熊谷うどん」を手軽に食べさせてくれる店があります。熊谷駅に戻り、うどんを食べましょう。

駅前にある熊谷直実公の銅像。源氏側の武将で一ノ谷の戦いの折、笛の達人である少年・平敦盛を討った。しかし、少年を討ったことを反省し、のちに出家する。
アニメ「平家物語」。大事な笛を取り戻しに来た時、平敦盛は源氏側の熊谷直実と鉢合わせに。
一ノ谷の砂浜で敗走しようとするのを「まさなうも敵にうしろを見せさせ給ふものかな」(卑怯にも敵に後ろをお見せになるのか)と呼び止め、一騎打ちへ。
直実が馬乗りになり首を斬ろうとすると、自分の息子と同じ少年だと知る。
敦盛は「名乗らずとも首を取つて人に問へ。見知らふずるぞ(私が名乗らなくても、首を取って誰かに尋ねてみよ。きっと知っている者がいるであろう)」と言い、その堂々とした姿に感動する。
逃がそうとするが自分の仲間が駆けつけたため、この少年の命はどの道つきることを悟り、自分が首をはね、一生供養することを誓う。
敦盛は後に幸若舞となり、織田信長が愛し、桶狭間の戦いの出陣に歌ったとされる。
暖かく甘じょっぱくて旨い御出汁に、ツルッツルの麺も小麦の味が濃厚。
茄子とキノコに卵を落とす。

寄居周辺

深谷市から大里郡寄居町を経て、秩父市に入ります。おっとその前に。
小前田駅から徒歩しばらくに、道の駅あらかわ、そして埼玉県立川の博物館があるので寄っていきます。
(実は一見、羽生から旅してそうに見えますが、いろんな日に取材した写真を組み合わせてつくった「ナンチャッテ旅行記」です。
本当は、東武東上線鉢形駅より玉淀大橋を超えて川の博物館に至りました。
鉢形駅からの方が近いですよ。)

この巨大風車が川の博物館のシンボル
目玉はコレ。僕が愛する荒川の全景をジオラマにしたものが屋外に展示されています。
荒川ロックゲートと江東デルタはちょっと前の記事にまとめてますので。Δ(デルタ)!!
熊谷は中流て感じですね。
現在地の川の博物館周辺です。玉淀大橋手前が東武東上線鉢形駅、奥が秩父鉄道小前田駅。
これからお見せする長瀞駅周辺です。
西武秩父駅周辺。
三峰口。
大滝を通ると、やがて荒川の上流は甲武信ケ岳へ。
もちろん、屋内も見学済みですがまたの機会に。これは、川の流量が低下したときに木材を川で輸送するための「鉄砲堰」。

川の博物館を出て、グルメやお買い物を楽しむときは、近くの道の駅へ。
道の駅はなぞの。まだ深谷市ですので、ネギなどが目立ちますね。
深谷と言えば、渋沢栄一と御当地キャラの「ふっかちゃん」ですが、ふっかちゃんミュージアムが建物内にあります。可愛さに酔いしれてグッズをたくさん購入すると良いでしょう。

ネギのピクルスを購入。

秩父鉄道に戻ります。小前田駅へ。「次は、おまえだ!」の車内アナウンスを聞きたかったのですが、動画撮影できませんでした。

さて、秩父鉄道と八高線、そして東武東上線のターミナルである寄居駅。
秩父鉄道を横断しますから、そのまま通過します。

長瀞へ

上長瀞駅から長瀞駅へ向かう道すがら、埼玉県立自然の博物館を目指します。ここには、埼玉県の最北西部の秩父の、太古の自然や生物が展示されています。謎の珍獣・パレオパラドキシアや、巨大なサメ・メガロドンなど珍しい動物たちの痕跡が見れます。

以前、「パレパラたんに会いに」という記事にて詳しく描いているため、手短に。
こんな荒川の上流、秩父山地の奥地にサメが。紅葉とシャーク!
エントランスにシャーク!
メガロどんが「こんにちわごわす!」。
謎の珍獣・パレパラたんです。のたうち回るおっさんのようです。
これは歩くおじさんノッソノソ!
ちょい奥は泳ぐおじさんガボガボガボ…
さらに奥は食べるおじさんムッサムサ~♪
おまえはだれだ!パレパラよ。

いろんな岩石を楽しめますが、地質学の学識がないため、ポカンです。
ただ、秩父でとれた緑泥片岩は、中世にて関東各地(東京各地に千葉までいろんな資料館や博物館で見れます)で見つかった、墓のような卒塔婆のような板碑として見つかります。
昔から、木材や岩石やいろんな物資を荒川の水運で運んだものでした。

有名な岩畳。長瀞駅前はいろんな御土産屋や料理屋が並び、特に鮎が美味です。
長瀞渓流下り
鮎料理はもうここ。
田楽です。
郷土資料館へ。出た後に建物を撮影したため「業務終了」状態です。
やっぱうどん。飯能の名栗や秩父でも、ふというどんがあるが、隣の山梨のほうとうの影響もあるだろう。また、群馬の方で有名な幅広の「ひもかわ」うどんは名栗でもよく食べられる。
秩父と飯能から一山超えると奥多摩と青梅だが、この辺りもうどんをよく食べていたような。多摩だしな。
まあつまり、白米が貴重だったころのゴチソウですね。そんなうどんは行田でも熊谷でもうまいので、うどんを楽しむ旅も良いでしょうね。
今回は宝登山は登れなかったが、宝登山の神社も荘厳で、景色も絶景、特に紅葉や、そして僕が大好きな2月ごろの蝋梅は最高の推しです。
長瀞駅、秩父方面に向かって。
長瀞駅、熊谷方面に向かって。

そうそう、秩父や長瀞は漫画とアニメの聖地でもある。
先ほどから紹介している漫画「埼玉の女子高生ってどう思いますか」は、埼玉県民の生態のハウトゥー本。

そして長瀞は「私に天使が舞い降りた!」ことわたてんのプレシャスフレンドの聖地。

そして「超平和バスターズ」こと秩父三部作、「あの花」「ここさけ」「空青」。

あと、鉄道娘の「桜沢みなの」がお待ちしておりますし、西武秩父には温泉娘もいますよ。

浦山口

秩父を抜けて、浦山口へ向かいます。
秩父の魅力は、ぜひ西武線を使ってください。トレインチャンネルなどで、秩父の魅力は自然に伝わることでしょう。
西武秩父駅には温泉もレストランも御土産屋もついていますし、バスで三峰口やミューズパークにも行けます。武甲山に登るのも良し、武甲山資料館で日本のセメントなど諸産業を支えた石灰岩について勉強するのも良いでしょう。

秩父鉄道「秩父」駅から、秩父の秩父神社や秩父の古い町並みを歩くのも良し。
「御花畑」駅から徒歩すぐに西武秩父駅があります。
秩父に来たら必ず買う、しゃくしな漬け。
秩父の古い町並み。
荒川の橋をめぐるのも楽しいと思います。
武甲山を通り抜けて、浦山口駅を目指します。
ピラミッドのような変な形なのは、昔ダイナマイトなどで石炭を爆破し削り取ったからです。
ダムの資料館もなかなか見ごたえあり。
秩父は石灰岩の土地だと思い知らされます。
橋立鍾乳洞。鍾乳洞は狭くて通りにくくて、閉所恐怖症の僕には苦痛でした…
鍾乳洞のある寺の中に、おいしい蕎麦が食べれます。

武州日野

ちょっと寄り道。道の駅あらかわと、荒川歴史民俗資料館を目指します。
まず道の駅から。武州日野駅から徒歩20分くらいかな。

行者ニンニクのうどんやラーメン、他にお蕎麦などいろんな料理が味わえます。
過疎により閉鎖された保育園。
すぐ近くに荒川歴史民俗資料館。
祭りの山車のよう。
軍事上の拠点でもあったようで、群馬と山梨と長野の出入り口。
秩父往還の宿場・贄川宿があったようです。
「地図とかデザインとか」さんが作った江戸時代のグーグルマップ「れきちず」を見るのが好きです。

三峰口~大滝

さあ、秩父鉄道も最後の駅を迎えます。三峰口には霊験あらたかの三峯神社がありますが、ぜひご参拝ください。
三峯神社のはずれにある、ここ旧大滝村の「大滝歴史民俗資料館」へ向かいましょう。

昔の三峯神社。
資料館には温泉も併設しています。
ここから南西は山梨、北西は長野へ。
農業に林業、木材加工、川を使った運送。
農業も獣害などに悩まされたり、生計建てるのに大変なよう。

三峰口から御花畑駅へ戻りましょう。

ちょ、おま、実はバス使ってやがるな!

西武秩父駅でお酒としゃくしな漬けを楽しみました。そして西武線が誇る特急ラビューで飯能方面に帰ります。



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