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UiPathモダンフォルダ設計Tips

※ 本記事は2020.10をベースに書かれています
※ 2019.10のモダンフォルダではAR管理が出来ますがUR管理が出来ません
※ 2019.10では個人用ワークスペース(Personal Workspace)は利用出来ません

従来機能の組織単位/クラシックフォルダと比べて、多階層管理や複数フォルダ所属(兼務設定等)が可能になったモダンフォルダ。自由度が上がった分、設計で考慮するべき点も増えています。実際に設計をするにあたり、気にしておくと将来ちょっと楽になれる幾つかのTipsを紹介していきます。

ちなみに、この記事で紹介するフォルダ設計を見て「やべええ、設計間違えたー!」となった方も慌てなくて大丈夫です。モダンフォルダには「フォルダの移動機能」があるので、構成見直しが比較的やり易くなっています。これは、組織再編などでも使える便利な機能です。

※ フォルダ移動での注意点
Queue/Assetを含むフォルダを移動する際は、参照しているワークフローがエラーになる可能性があるので注意が必要です。具体的には、ワークフローでフォルダパスを明示的に指定している場合に、パスの修正が必要になります。フォルダ指定せずにデフォルト(プロセスと同一のフォルダ)を参照しているケースでは大丈夫です。

1. ルートフォルダを作成する

第1階層に沢山のフォルダを作らずに、まずはルートフォルダを作って、その下に各部門のフォルダを作成すると管理が楽になります。

理由は、CoEなどの管理者がルートフォルダに権限を持っておく事で全てのフォルダの権限を持てる様になる為です。モダンフォルダは上位のフォルダに対する権限が下位のフォルダに継承されていく為、管理者は最上位のフォルダに権限を持つ様に設計しましょう。

2. ARとURはフォルダを分ける

モダンフォルダでは、AttendedユーザのAssistant(従来の呼び名はロボットトレイ)に表示するプロセスをフォルダで管理します。なので、AttendedユーザにAttended用のプロセスだけを表示する為に、Attended/Unattendedのフォルダは別々にしましょう。

ちなみに、モダンフォルダのリリース以前は、この出し訳はロボットグループ(Env)と言う機能で行われていました。モダンフォルダではロボットグループ(Env)と言う概念自体がなくなって、管理がシンプルになっています。

3. テストはテスト用フォルダで

Asset/Queueを参照する様なプロセスを改修・テストする際、誤って業務用のAsset/Queueを変更して業務影響を出してしまう可能性が有るので注意しましょう。

その為に手っ取り早いやり方が、テスト用フォルダを作成すると言うやり方です。ワークフローからAsset/Queueを参照する際、デフォルトではプロセスが作成されているフォルダ内のAsset/Queueを参照します。なので、テストフォルダの中にテスト用プロセスを作っておくと、業務用フォルダのAsset/Queueに影響を出さずにテストが可能になります。

なお、テスト中のプロセスはそうだと分かる様に、プロセス名の先頭に「テスト_」などとつけておくと誤実行を防止できて安全です。

※ UAT等で開発者意外の方に触って貰う必要がある場合は本Tipsの様にテストフォルダを作りますが、開発者本人だけがテスト出来れば良いと言う時は後述の個人用ワークスペースを使うやり方もあります

4. 個人用ワークスペースの使いどころを決める

個人用ワークスペース(パーソナルワークスペース)とは、モダンフォルダで利用可能な「ユーザ本人しか参照出来ないフォルダ」の事です。このフォルダへパブリッシュされたパッケージは、OC操作をせずとも即座にデプロイされてユーザ本人のAssistantに表示されると言う特徴があります。

個人用ワークスペースの使いどころは大きく以下の2つです。

(1) テスト用途(前節で書いた内容)
テスト中のプロセスを置く場所として個人用ワークスペースを活用します。業務用フォルダを使わずに個人用ワークスペースを使う事で、業務用のAsset/Queueなどに影響を出さずに安全にテストが可能です

(2) 個人用のプロセス管理
前述の通りOCを操作せずともすぐにAssistantに表示が出来ますので、業務ユーザ本人が開発してすぐに利用したいと言った場合に、利便性の観点から大きなメリットがあります。

一方で、この方式を取った場合は管理者等がレビューをする機会がないままデプロイされる事となり、ガバナンスとのトレードオフになります。その為、自社のガバナンスポリシーを勘案しながら個人用ワークスペースの位置づけを決める必要があります。以下はその例です

個人ワークスペースの位置づけ例
● 個人用途で積極的に利用して良い
● 個人用途を認めるが、業務上の重要性が高まってきたら部門のフォルダへ移管する
● 部門フォルダへの登録を必須とする。ただし、部門フォルダへの登録待ちの期間など、短期での個人ワークスペース利用を認める
● 部門フォルダへの登録を必須とし、個人用ワークスペースを禁止する(OCで許可設定をしない)
※ 上に行くほど利便性が、下に行くほどガバナンスが高まります

5. UR端末はマシンテンプレートでフォルダに紐づけ

モダンフォルダでURを用いる場合、フォルダに対してUR実行用のマシンテンプレートを紐づけます。マシンテンプレートからはマシンキーが発行されるので、UR実行用の端末に対して、このマシンキーを設定してOCに接続しておきます。

UR実行時は、マシンテンプレートに紐づく端末へジョブが割り振られる事になります。この際、複数の端末がマシンテンプレートに紐づいている場合は、空いている端末へ自動的にジョブが割り振られる事になります。端末を標準化しておき、どの端末でジョブが実行されても問題が無いと言う状態にしておくと、1つのマシンテンプレートに多数の端末を紐づけておくことができ、管理がやり易くなります。

特殊な端末(特定のソフトウェアがインストールされている、等)での実行が必要なプロセスについては、専用フォルダにデプロイし、そこに専用のマシンテンプレートを紐づける事で端末を指定しながらの実行が可能になります。

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