日本の英語の参考書ってどうなの?
音楽関係で海外のミュージシャンとつるむことも多いので仕事で書いたり喋ったりする機会は平均的な人よりかなり多いと思うのですが、高校時代は劣等生で英文法ははなはだ心もとないのでこの数年英文法の学び直しをしています。で、高校生くらいの参考書を見てみると、私が昭和の頃使っていたのとほぼ一言一句変わっていない感じがします。つまり恐らくは戦後80年近くほぼ変わっていないということになります。で、谷崎潤一郎が昭和10年に書いた文章読本を読んでみるともしかして戦前から、明治時代くらいからほぼ変わっていないのではあるまいか、という気分にさせられます。高校英語だと文語表現とかちょっと格調高い言い回しみたいなところまで触れられているんですが、これはもしかして開国して欧米の列強と対話するのに恥ずかしくないような文の読み書きができないといけない、というのが残っているのではないか?という気さえしてきます。無生物主語構文なんて訳し方のレトリックの話で英文法とはあまり関係ないようなことまで書いてありますし。
今やインターネットでの基本言語が英語であって、平易なやり取りをスピーディーにやるのが重要な時代にこれってどうなの?みたいな感覚を持ちます。とにかくこの昔から変わらないよくわからない用語と持って回った言い回しに辟易していますし(分詞の叙述用法とか関係代名詞の制限、非制限とかウンザリする)、英文で書かれた文法解説を見るとそっちの方が簡潔明瞭でわかりやすいというようなことがいろいろ出てきます。また、英文と日本語の説明を並べてみているとこれは誤謬だ、と思われるところも散見されたりします。言語は生き物だから文法についての情報もアップデイトされるべきなのにそれが一切なされていないんです。恐らくは教える人の多くが日本語で書かれたもので理解できていてその枠でしか物事を考えられないのではないかと思われるのです。自分で英語で書かれた参考書やウェブサイトを見ていると「!」って感じることも結構あります。アップデイトがされないってことは何十年も前のマニュアルで今のゲームをやるようなものではないかと思えてきます。これと同じことは音楽理論書でもあるように感じられます。言語も音楽もある意味コミュニケーションツールなのですが、つまり、日本の異文化コミュニケーションツールのマニュアルが絶望的に時代遅れではないかと。もしくは学者が怠慢。
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