東京駅から一番近いセイコーマートで北海道欲を誤魔化す
北海道に行きたい。
仕事や辛いことを忘れるために、広々とした大地で大手を広げてぇ。
北海道の端から端を電車で行き来してぇ。
うまいもの食って、腹を膨らましてぇ。
でも、そんな金はどこにもないのだ。
銀行の残高を見ても、増えるどころか目減りするばかりで、長期間旅行ができるような金は自分には無いし、政府から支給される気配もない。
それでも、北海道に行きたいんだ。
だから、東京駅から一番近いセイコーマートでなんとか誤魔化そうって言う話だ。
セイコーマートが好きなんですわ
北海道には魅力的なコンテンツが多数存在する。
美味しいご飯、目が眩むほどに綺麗な景色、水曜どうでしょう…
そんなコンテンツ群の一つとして、セイコーマートが存在すると私は思っている。
セイコーマートは北海道内で多く店舗を構えているコンビニチェーンだ。
そう。コンビニだ。
コンビニが旅行のコンテンツとしてなり得ると思っている。
確かに、日本で一番の店舗数を誇るセブンイレブンに行きてぇ!となることがあろうか。
知り合いにも言われた。「たかがコンビニに何を興奮しているのかね」と。
それでも、セイコーマートには魅力が溢れている。
北海道を初めて一人旅をするまではセイコーマートの存在を知らなかった。
厳密には、北海道内にはローカルコンビニが存在するらしい、としか知らなかった。
雪が降り頻る12月に、私は札幌のテレビ塔へ向かう道中でオレンジ色の看板を見かけた。
それがセイコーマートとのファーストインプレッション。
店舗を見かけて、何気なく入った。
重たい扉を押して、中に入ってすぐだった。
大手コンビニとの違いを感じた。
まず、陳列だ。
大手コンビニでは当たり前の普遍的な陳列ではないのだ。
どこか粗雑感のある陳列は、小学生の時に私がよく行っていた小さな商店の雰囲気を思い出させた。
次に、ポテト。
大手コンビニでもレジ横にホットスナックのゲージが設置されている。セイコーマートでは「ホットシェフ」として店内調理を売りにしている。
フライドポテト、フライドチキン…それらの商品が置かれているのは不思議でも何でもない。他のコンビニにもある。
私は何気なく取ったフライドポテトを会計後に食した。
衝撃だった。
ホクホクのポテトが口に広がった。甘みもあって、今まで食べたコンビニのポテトに無かった奥深さ。
素晴らしい完成度だった。
雪で白くなった大通りを抜けていく車を見届けながら、感動した。
そして、私はセイコーマートを好きに、いや、惚れた。
あなたに会うのには遠すぎる…ことはなかった
セイコーマートは前述の通り、北海道内で多くの店舗を構えている。
北海道内では1090店舗もあるのだ。
大手コンビニ3社を寄せ付けないほど驚異的な強さかつ圧倒的支持がある。
しかし、セイコーマートには問題点がある。
それは、一歩でも津軽海峡を超えて本州に入ってしまうと、セイコーマートに会うのは難しくなるのだ。
北海道内では店舗数1000店舗を超えているというのに、青函トンネルで繋がっている青森をはじめとする東北には1店舗もない。
辛い…
しかし、なぜだか茨城県と埼玉県にセイコーマートが存在する。
1988年に茨城で展開していたコンビニがセイコーマートとフランチャイズ契約を結んだのがきっかけらしい。
長らくその存在を知っていたが、とうとう禁断症状的なものを感じはじめたので、今回行動に移った。
会えないなら、会いに行けばいいじゃない。とマリーアントワネットも言ったとか言わないとか。
私は東京駅から一番近い「セイコーマート ほしの店」へ向かった。
東京駅から一番近いセイコーマートとは
東京駅から直線で約15km、車で首都高速経由だと約20分程度、電車だと約60分、徒歩だと3時間半という場所に「セイコーマート ほしの店」がある。
最寄駅はつくばエクスプレス線の八潮駅。
東京駅からは上野東京ラインの常磐線快速列車で北千住まで行き、乗り換える。
八潮駅からセイコーマート ほしの店の距離は約2km。
ちょっくらコンビニに行ってくるわ、というには遠い距離である。
なので、今回はみんな大好きレンタサイクルを利用した。
八潮駅の改札を出て、つくば方面へ線路に沿って歩いていくと、ハローサイクリングのステーションが見えてくる。
暑い日や寒い日にはレンタサイクルを利用した方が無難だと思う。
八潮駅前にある市役所やショッピングモールの「フレスポ八潮」を抜けると首都高速の高架道路が見えてくる。
その道路に沿って、東京方面に走っていくと、八潮南料金所が見えてくるのでそこで右に曲がる。
右に曲がって進むとイオンが見えてくるので、そこでまた左に。
そして、細い道路を抜けた先に、オレンジ色のあの看板がお目見えする。
当日の気温は35度。
とんでもない酷暑の中を自転車で走り抜いた。
それもあって、このオレンジ色の看板を見た時には「とうとう頭がイカれて、幻を見てんだな…」と思ったほど変哲もないセイコーマートがそこにあった。
到着した時間は昼12時。
昼休み時間帯だからか、店の前にある駐車場は車が入っては出ていってを繰り返していた。
外観は北海道にある店舗をそのまま持ってきたと言われても疑わないほどの姿。
ドキドキと心臓が鼓動するのを感じながら扉を開けた。
店内は、もうセイコーマートだった。
紛うことなきセイコーマートだった。
薄暗さを感じる照明に、いい意味で粗雑さを感じる陳列、そして奥に見えるホットシェフ。
まさに北海道にいるような気分になった。
ドリンクコーナーには北海道内で見かける「ガラナ」、セイコーマートオリジナル商品のサイダーやオレンジジュースが大量に置かれていた。
そして、乳製品コーナーには「ソフトカツゲン」もあった。
私は感激した。そして、一本ずつカゴに入れていった。
そして、ホットシェフのコーナー。
ゲージには昼12時ということもあって、大量のフライドポテトにフライドチキン、ザンギも置かれていた。
そして、カツ丼。
ホットシェフの中でも人気が高いカツ丼が王者の風格を纏いながらでんと構えていた。
いつもなら、躊躇いもなく商品を手に取る。
しかし、私は葛藤した。
現在、ダイエット中なのだ。
しかも、カツ丼のラベルを見ると、どうしてかわからないが900kcal以上もある。
たかが、豚肉を揚げて卵でとじているだけなのに。
食べたい。しかし、ダイエットにはよろしくない。
食べたい欲をなんとか抑えて、すまない….と心の中で呟き、ホットシェフのコーナーを抜け出した。
その後、レジで会計している時に「レジ袋を一枚いただけますか?」と店員さんに言うと、「無料ですよ」と言われた。
セイコーマートはレジ袋有料になって久しいこの現代の中で数少ない無料提供を続けている。
やはり、大手コンビニとは違うな。
レジ袋に入っていくジュース、フライドポテト、カツ丼を見て、「あっぱれセイコーマート」と称賛の声を心の中で挙げた。
ちなみに
通販もやってるよ
関東にあるからといって、セイコーマートに普段から行くことは近所でない限り、難しい。
その気持ちを抑えるに役立つかもしれないのが、セイコーマート公式サイトの通販である。
セイコーマートが製造・発売するドリンクやアルコール飲料、カップ麺などは公式サイトやAmazonでも注文することができる。
また、変わり種商品だとセイコーマートの鉄道模型も購入することができる。
セイコーマートのマーク
セイコーマートの看板に描かれているあれ。一体なんだろうか。
ちなみに似たようなマークでいえば、イトーヨーカドーがある。
イトーヨーカドーはハトだそうな。
また、系列のヨークマートもハト。ヨークベニマルもハトだそう。
またまた、和歌山県を中心に展開しているスーパー・オークワのマークもハト。
またまたまた、滋賀県を中心に展開しているスーパー・平和堂のマークもハト。
となれば、セイコーマートもハト。
と言いたいところだが、あれは「フェニックス」らしい。
色についても明記されていた。
ちなみに、長崎屋のマークはサンバードらしい。
セイコーマートを摂取したらセイコーマートを欲する
人間は面倒な生き物だ。行ったら行ったでまた行きたくなるものだ。
セイコーマートのサイダーでホットシェフのカツ丼を流し込むのは至福のひと時だ。
それをもう一度やりたい…
今回のセイコーマート ほしの店は自転車を使わないとアクセスが難しい。
どこか、行きやすい場所はないだろうか。
あった。普通にあった。
埼玉県の大宮駅から出ているニューシャトル線の今羽駅近くにあるらしい。
今度はそこに行ってみようか…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?