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研究の一端

現在、大まかに分けると2つの研究課題に沿って「潜水法」の研究を進めています。今回は、1つ目の研究に関するこれまでの経緯と今後の展望に関する内容になります。

私が在籍する東海大学海洋学部には、日本のみならず海外からも注目される海事考古学のホープがおります。彼との出会いが、これまでの混迷していた私の研究の方向を示してくれました。それまでは、潜水手法を用いて撮影した画像や動画の利用法として主に初等教育へのフィードバックを中心に行ってきました。もちろん、素材は大学の授業でも存分に利用し、キャンパスのある場所の海がどれほど豊かで興味が尽きないのかを知る機会を提供していました。なので、撮影が上手い教員、生物に詳しい先生などと、専門分野が本来の領域と違ったところで解釈されているケースが多かったように感じていました。もちろん、撮影も生物も大好きなのですが、それまでの専門と研究教育機関における専門が「潜水」を通じて同じであったとしても、少なくとも自分の中での意識は変えなければいけないと感じてきました。なので、これからも研究者としての立場にいる以上は、潜水の位置付けは「研究」でなければならないと決めています(あ、趣味のときもあります)。

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我々研究者にとって、最も嬉しいのが対外的な「ニーズ」です。あなたの研究していることが必要です。あなたの研究を用いて、この研究(あるいは事業や授業)を成功に導いてください。と言われたら、もちろんその目標の到達点や社会的な効果・インパクト等を考慮しつつ、かなりの確率で「はい」と答えるでしょう。その点において海事考古学は、フィールド調査において潜ることが必然の研究であることから、その状況に応じて潜水法を提供できる私の研究は、この領域に対して大いに貢献できるものと感じております。これまでも、石垣島、千葉、南伊豆、和歌山と数々のフィールド調査を行い、状況に即した潜水計画を提示して実施してきました。

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熟練の研究者や卓越した職業潜水士だけで潜る場合は、お互いの仕事の責任において、水深・時間・呼吸ガス量を個人が管理し、相対的な仕事量に対してこの潜水でどこまで達成するのかが理解できているので、ブリーフィングとデブリーフィングで確認すれば大丈夫なのですが、演習などの学生を伴う場合は、この手順がダイビングショップのツアーみたいになってしまいます(笑)。もちろん演習の場合は、インストラクターやガイドにアテンドをお願いして安全管理をしていただいております。

画像は、全て石垣島の屋良部沖の海底ミュージアム構想で日本で初めて公開された海底遺跡群です。4つ爪の鉄錨が複数個沈んでおり、また壷が集積している場所がエリアの中にあって、ちょっとした歴史のロマンを感じることができます。その際の記録を論文にまとめましたので、添付しておきます。


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