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その時、私は独りでLouvreにいた

 何気なく、本の栞にしていたカードがルーブル美術館のチケットだということに気づくのに十数年もかかっていました。
 そこには、MUSEE 01/11/2010 9,50 Eurosと記載されていました。思い返せば、家族でマルセイユに行き、帰路の経由地のパリまでTGVで移動して、着いた2日後にホテルで突如、我が子が風土病のガストロに罹患してしまったようで、発熱、嘔吐、下痢を繰り返して、夫婦で狼狽した苦い思い出の一端でした。

じゃがポックルを食べてご満悦

 交代で看病する中で、2人で見守っていても仕方がないから、近所のホテルと同じ名前の美術館にでも行ってきたら?と提案されたからでした。

ウェルカムドリンクとマカロン

 その時、私たちが宿泊していた Hotel du Louvre は改装される前の古めかしいというか古さを売りにしている宿泊施設でした。エレベータの乗降は、まだ人が何人かで歯車を回しているんじゃ無いかってくらい遅く、床やドアの軋みも音効(Sound Effects)か!?ってくらい鳴くし(笑)。シャワーから出てくるのがお湯で安心したってほど前時代でした。

外装とバス周辺はリニューアルされていました

 今の評価を見ると、現在的に改装されて良くなったようですが、人が対応してくれるサービスを除くと不便も料金のうちなんだなと納得するしかありませんでした。

2010年のMusee du Louvreのエントランス

 そこから遡ること二十数年前に1度、ルーブル美術館には行ったことがあります。まだ、クリスタルピラミッドもなく、全面工事改修中で、建設現場の見学会か!?ってくらいに、作品よりも多くの工法を観ることになりました。現場だと思って足速に通り過ぎようとしていたのが、ピラミッドの石だったとは知りませんでした。不審に思って何やら石壁を凝視している人に聞いてみたらそのようなことを申しておりました(笑)。

エジプト展示のスフィンクス

 独りで観覧した2度目のルーブル美術館は、当時の自分の中で密かに流行っていた「自撮り」を著名な作品とともに行うことでした。

サモトラケのニケ

Nike、ミロのビーナス、ドラクロア、そして難関のダビンチのモナリザ。

ミロのビーナス
ドラクロワ 自由の女神

難関のモナリザでは、制限柵に人が押し寄せているので、そちらに自分が向き直って「自撮り」することは、状況的にかなり無理があり、今となってはInstaで日常化された「自撮り」もこの当時は全く理解されない行為だったため、失笑の的でした。今頃、当時の私が映り込んだ画像を見返した人は、江戸時代にスマホを持った人が描かれている風刺画を見ているような気分でしょうね。

右肩の上に見えるのがモナリザ

知っている人にとっては当たり前ですが、地下には逆ピラミッドがあります。

天井から逆立ちするピラミッド

そのガラスのピラミッドを支えるように大理石のピラミッドがあるのですが、子供たちに大人気です。

群がる子供たち

登るな!と言う方が無理な話で、一人だけガチな探検家のような子が具合の悪くなる前の我が子です。
また、このように海外にも観光に行きたいですね。

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